“穹窿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きゅうりゅう46.2%
きゆうりゆう15.4%
アーチ10.3%
きうりう7.7%
まるてんじょう7.7%
ドーム5.1%
ああち2.6%
てんじやう2.6%
アアチ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十五人の男の歩く足音は、穹窿きゅうりゅうになっている廊下に反響を呼び起して、丁度大きな鉛の弾丸か何かをき散らすようである。
年をとつた僧正も、わしには「永遠」につてゐる神の如くに見えた。わしは実に、殿堂の穹窿きゆうりゆうすかして、天国を望む事が出来たのである。
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)
灰色の軍用混凝土シマン・ダルメで塗りかためられた穹窿アーチ形の天井が低く垂れさがり、やや隔ったところで、裸の電灯がひとつ冷酷な光を投げていた。
墓地展望亭 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
湿つた石壁につてしたたる水が流れて二つの水盤に入る。寂しい妄想まうざうに耽りながら此中の道を歩く人に伴侶を与へるためか、穹窿きうりうには銅で鋳た種々いろ/\鳥獣とりけものが据ゑ附けてある。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
黄金こがね穹窿まるてんじょうおほひたる、『キオスク』(四阿屋あずまや)の戸口に立寄れば、周囲に茂れる椶櫚しゅろの葉に、瓦斯燈ガスとうの光支へられたるが、濃き五色にて画きし、窓硝子をりてさしこみ
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
いずれも肩幅がひろ胛肉こうじゅう隆々として勃起している、山形分類を行えば、先ず穹窿ドーム形の部に入るべきであろう。
日本山岳景の特色 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
ほの白きてつの橋、ほらまろ穹窿ああち煉瓦れんぐわ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
一年中最も樂しい秋の盛岡——大穹窿てんじやうが無邊際に澄み切つて、空中には一微塵の影もなく、田舍口から入つて來る炭賣薪賣の馬の、冴えた/\鈴の音が、市の中央まんなかまで明瞭はつきり響く程透徹であることや
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
煉瓦れんぐわ穹窿アアチ。人はこの紛雜ふんざつうちに埋れて
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)