“てんじやう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:テンジヤウ
語句割合
天井75.4%
天上18.0%
仰塵1.6%
天空1.6%
殿上1.6%
穹窿1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たゞ自分じぶんいますわつてゐるたゝみいろや、天井てんじやう柾目まさめや、とこ置物おきものや、ふすま模樣もやうなどのなかに、この屏風びやうぶててて、それに、召使めしつかひ二人ふたりがゝりで
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
劇場の中に入ると、女達の心持は一層浮立ち、緞帳の縫取に感心したり、天井を見上て驚嘆したり、棧敷に坐つたまゝ、天上てんじやうしてしまひさうな樣子だつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
惜しげもなく投げ入れたる薪は盛に燃えあがりて、烟はしうを出づる雲の如く、のぼりて黒みたる仰塵てんじやうに至り、更に又出口を求めて室内をさまよへり。
家裏やぬちを窺ふに、多くは小房なり。門扇上若くは仰塵てんじやうより光を採りたり。中庭の大さは大抵僅に一小花壇若くは噴水ある一水盤を容るゝに足り、柱廊ありてこれをめぐれり。
その折々の空に従つて私は色紙製の星形を箱からとり出して、これを天空てんじやうにピンで止めて、サソリ座も獅子座も鯨座も難なく現出させてゐた。
あはれ此程このほどまでは殿上てんじやうまじはりをだに嫌はれし人の子、家のやから、今は紫緋紋綾しひもんりよう禁色きんじきみだりにして、をさ/\傍若無人の振舞ふるまひあるを見ても、眉をひそむる人だに絶えてなく、夫れさへあるに衣袍いはう紋色もんしよく
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
一年中最も樂しい秋の盛岡——大穹窿てんじやうが無邊際に澄み切つて、空中には一微塵の影もなく、田舍口から入つて來る炭賣薪賣の馬の、冴えた/\鈴の音が、市の中央まんなかまで明瞭はつきり響く程透徹であることや
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)