“坐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すわ60.8%
11.3%
4.8%
3.0%
そぞ2.8%
2.6%
すは1.8%
1.2%
つわ1.2%
1.2%
いま1.0%
1.0%
そぞろ0.8%
そゞ0.8%
そゞろ0.8%
ましま0.6%
おは0.4%
いなが0.4%
0.4%
すわっ0.4%
おのずか0.2%
おはし0.2%
おわ0.2%
こしか0.2%
すはり0.2%
すわり0.2%
すわる0.2%
ずわ0.2%
イマ0.2%
ソヾロ0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三人の王女は草の上にすわつて、ふさ/\した金の髪を、貝殻かひがらくしですいて、忘れなぐさや、百合ゆりの花を、一ぱい、飾りにさしました。
湖水の鐘 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
さりながら嬢と中川は向う側にあり、客の三人此方こなたに並んでせり。結句けっくこの方が嬢の顔を見られて都合好しと大原はあながちにくやまず。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ここに於て佐志木作右衛門は、千束島の山善左衛門等とはかったが、結局ながら藩兵に攻められるより兵を挙ぐるにかずとなった。
島原の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
 明けくれば 国のかためを 身もあらに 瞑想おもひこらしつ 天皇すめらぎの まさきせと おみなべて 和ぐ日をや 民なべて らふ時を
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
ころしも一月のはじめかた、春とはいへど名のみにて、昨日きのうからの大雪に、野も山も岩も木も、つめた綿わたに包まれて、寒風そぞろに堪えがたきに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
男の我を忘れて、相手を見守るに引きえて、女は始めより、わが前にわれる人の存在を、ひざひらける一冊のうちに見失っていたと見える。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一人ひとりすはつて居ると、何処どことなく肌寒はださむの感じがする。不図気が付いたら、机の前の窓がまだてずにあつた。障子をけると月夜だ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今度こんどまへ反對はんたいに、足音あしおと段々だん/\とほくのはうるにしたがつて、かすかになつた。さうして一番いちばん仕舞しまひにぴたりと何處どこかでまつた。宗助そうすけながら、はつとした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「この間、或寄合あるよりあいで一緒になったら、わしは六十二だから見渡したところ一番年頭としがしらだと言って、上座につわっている。馬鹿だよ、彼奴は」
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
玄蕃ゲンバノ家人ニ老功ラウコウアリ。玄蕃ガ前ニ来ツテ申ス。中川ハ勇ヲ好ム将ナリ。敵寄スルト聞カバ、ナガラ待ツベカラズ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然れども大倭おほやまとの國に、吾二人にましてたけき男はいましけり。ここを以ちて吾、御名を獻らむ。今よ後一一倭建やまとたけるの御子一二と稱へまをさむ
故、出雲に到りまして、大神を拝みへて、還りのぼります時に、肥河の中に黒樔橋クロキノスバシを作り、仮宮を仕へ奉りて、さしめき。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
石神川しやくしがわを収めてまた東に向つて去る。石神川は秋の日の遊びどころとして、錦繍きんしゆうの眺め、人をして車を停めてそぞろに愛せしむる滝の川村の流れなり。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
而も詩趣ゆたかにして、そゞろにペラスゴイ、キュクロプスの城址を忍ばしむる堅牢の石壁は、かの纖弱の律に歌はれ、往々俗謠に傾ける當代傳奇の宮殿を摧かむとすなり。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
父母ちゝはゝのおん為に。経の偈文げもん謄写かきうつして。前なる山川におし流し。春は花を手折たをりて。仏に手向たむけ奉り。秋は入る月にうそぶきて。そゞろ西天にしのそらこふめり。
ささやかな地蔵堂が建ててあり、屋根だけいた、怪しい崖の上に、三体の石地蔵様がましまし、その一番大きい中の一体が、崖の下に転がり落ちて、巴屋の主人の山三郎の身体を
かの正しきを養ひ、かがやきを重ね、めぐみを積む。皇祖皇宗はこの徳におはし、神ながら道に蒼古さうこに、あやに畏き高千穗の聖火は今に燃えいで盡くるを知らぬ。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
「鋒刃の威を仮らずして、いながら天下を平げん」と考えられた神武天皇は、遂に度々武力を御用い遊ばされ、「よもの海みなはらから」と仰せられた明治天皇は、遂に日清
最終戦争論 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
かれひるには室内しつないまどからまど往来おうらいし、あるいはトルコふう寐台ねだいあぐらいて、山雀やまがらのようにもなくさえずり、小声こごえうたい、ヒヒヒと頓興とんきょうわらしたりしているが、よる祈祷きとうをするときでも
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
めるや酒の酔もめ、頭の上には里子が心配そうに僕の顔を見てすわって居ました。母はぐ鎌倉に引返したのでした。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
松塘が長句に曰く「去年正月尋君時。手挈杉田梅一枝。今年春又君問我。衝門先覚香風吹。担来繁蕊如人白。一堂照映坐為窄。」〔去年正月君ヲ尋ネシ時/手ニひっさグ杉田ノ梅一枝/今年春又君我ヲ問フ/門ニむかヒテ先ヅ覚ユ香風ノ吹クヲ/かつギ来ル繁蕊人ノ白キガ如シ/一堂照映シテおのずかせまシト為ス〕云々。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
東金堂におはします仏法最初の釈迦の像、西金堂に坐ます自然じねん湧出ゆしゆつの観世音、瑠璃るりを並べし四面のらう、朱丹を交へし二階の楼、九輪空に輝きし二の塔、たちまち煙となるこそ悲しけれ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
第二は保食神は、何故に女性におわしませしか。第三は保食神の屍体から、牛馬が化生けしょうしたとは、如何なる意味を有するかの点である。ここにはこの三つを押しくるめて概説する。
おん身の才、おん身の藝は、いかなるかたくななる人の心をもくじきつべし。斯く云ひつゝ、夫人は我を引きて、其長椅ヂワノの縁にこしかけさせ、さて詞を繼ぎて云ふやう。猶改めておん身に語るべき事こそあれ。
熊のたる跡へすはりしにそのあたゝかなる事巨燵こたつにあたるごとく全身みうちあたゝまりてさむさをわすれしゆゑ、熊にさま/″\礼をのべ猶もたすけ玉へと種々いろ/\かなしき事をいひしに
このすわり、ふたつなし、ただ。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
第五 坐時すわりてをる起時たちてをる平均みならして、七歩しちぶ三歩さんぶすわくらゐにして、すわるにのみすごからざること
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
おおかた十五も年上の老い女房にょうぼうをわずかの持参金を目当てにもらい、その金もすぐ使い果し、ぶよぶよ太って白髪頭しらがあたまの女房が横ずわりに坐って鼻の頭に汗をきながら晩酌ばんしゃくの相手もすさまじく
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
この御酒ミキは、吾が御酒ミキならず。くしの神 常世トコヨイマす いはたゝす すくな御神ミカミの、神寿カムホキ 寿きくるほし、豊ほき 寿モトほし、まつりし御酒ぞ。あさずせ。さゝ(仲哀記)
村々の祭り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
やはりワクの穴に榊の枝幾本となく、門松などの様に挿してあるのが、所謂山の移り出た様で、ソヾロに故郷の昔の祭りが懐しく思ひ出された。
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
姓氏録に、伴信友の高橋氏文考注に、稚湯連あり。う…す・う、うま・う、みな位置を定むる意あり。
用言の発展 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
井光ヰヒカの「ひか」も、其らしい。ひかの音転がひなで、夷の住居地方に当る。とねりは、をさと同じ語原のとね即、外根からの刀禰と、「折り」か「り」の融合したものらしい。