“一番”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちばん47.3%
ひとつ28.4%
ひとつが9.5%
ひとつがい6.8%
いっち4.1%
いつち1.4%
つがい1.4%
ひとつがひ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たちまち、うしほ泡立あわだち、なみ逆卷さかまいて、其邊そのへん海嘯つなみせたやう光景くわうけいわたくし一生懸命いつせうけんめい鐵鎖てつさにぎめて、此處こゝ千番せんばん一番いちばんんだ。
「かねて承知なんじゃあないか、君、ここは一番ひとつ粋を通して、ずっと大目に見てくれないじゃあ困りますね。」となさけなそうにいった。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
残った二、三羽の小鳥は一番ひとつがいのチャボにかえられて、真白なチャボは黄なカナリヤにかわって、彼の籠を占領して居る。
病牀苦語 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
若布わかめのその幅六丈、長さ十五ひろのもの、百枚一巻ひとまき九千連。鮟鱇あんこう五十袋。虎河豚とらふぐ一頭。大のたこ一番ひとつがい。さて、別にまた、月のなだの桃色の枝珊瑚一株、丈八尺。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そうやのし。何が良えちゅうたかてのし。兄弟が仲良うお酒のんでお正月出来でけるちゅうのが一番いっち良えのし」
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
二階にかい階子壇はしごだん一番いつちうへ一壇目いちだんめ……とおもところへ、欄間らんまはしら眞黒まつくろに、くツきりとそらにして、そで欄干摺てすりずれに……ときは、いお納戸なんどと、うすちやと、左右さいう兩方りやうはう
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
がっしてはじめて一秘符となる古文書を、中央からやぶいて二片一番つがいとしたさえあるに、しかも、その両片の一字一語に老工瀕死ひんしの血滴が通い
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そして、それが出来上るとその翌日、七里も先方さき牧場まきばへ庄吉をつれて行つて、豚の一番ひとつがひ荷車に乗せて運んで来た。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)