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一番
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いちばん
ふりがな文庫
“
一番
(
いちばん
)” の例文
忽
(
たちま
)
ち、
潮
(
うしほ
)
は
泡立
(
あわだ
)
ち、
波
(
なみ
)
は
逆卷
(
さかま
)
いて、
其邊
(
そのへん
)
海嘯
(
つなみ
)
の
寄
(
よ
)
せた
樣
(
やう
)
な
光景
(
くわうけい
)
、
私
(
わたくし
)
は
一生懸命
(
いつせうけんめい
)
に
鐵鎖
(
てつさ
)
を
握
(
にぎ
)
り
詰
(
つ
)
めて、
此處
(
こゝ
)
千番
(
せんばん
)
に
一番
(
いちばん
)
と
氣
(
き
)
を
揉
(
も
)
んだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其
(
その
)
二尺
(
にしやく
)
程
(
ほど
)
下
(
した
)
の
勾配
(
こうばい
)
の
一番
(
いちばん
)
急
(
きふ
)
な
所
(
ところ
)
に
生
(
は
)
えてゐる
枯草
(
かれくさ
)
が、
妙
(
めう
)
に
摺
(
す
)
り
剥
(
む
)
けて、
赤土
(
あかつち
)
の
肌
(
はだ
)
を
生々
(
なま/\
)
しく
露出
(
ろしゆつ
)
した
樣子
(
やうす
)
に、
宗助
(
そうすけ
)
は
一寸
(
ちよつと
)
驚
(
おど
)
ろかされた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
丁度
(
ちやうど
)
、お
隣
(
とな
)
りで
美濃
(
みの
)
の
國
(
くに
)
の
方
(
はう
)
から
木曽路
(
きそぢ
)
へ
入
(
はひ
)
らうとする
旅人
(
たびびと
)
のためには、
一番
(
いちばん
)
最初
(
さいしよ
)
の
入口
(
いりぐち
)
のステエシヨンにあたつて
居
(
ゐ
)
たのが
馬籠驛
(
まごめえき
)
です。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「わたくしは
一番
(
いちばん
)
ヶ
瀬
(
せ
)
半兵衛
(
はんべえ
)
の
後家
(
ごけ
)
、しのと申すものでございます。実はわたくしの
倅
(
せがれ
)
、
新之丞
(
しんのじょう
)
と申すものが大病なのでございますが……」
おしの
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それゆゑ
今
(
いま
)
までのところでは、
日本
(
につぽん
)
で
一番
(
いちばん
)
古
(
ふる
)
いのは、
新石器時代
(
しんせつきじだい
)
のものでありまして、それから
金屬器
(
きんぞくき
)
の
時代
(
じだい
)
につゞいてゐるのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
▼ もっと見る
船頭
(
せんどう
)
さん、
渡場
(
わたしば
)
で
一番
(
いちばん
)
川幅
(
かははゞ
)
の
廣
(
ひろ
)
いのは
何處
(
どこ
)
だい。
先
(
ま
)
づ
此處
(
こゝ
)
だね。
何町位
(
なんちやうぐらゐ
)
あるねといふ。
唾
(
つば
)
乾
(
かわ
)
きて
齒
(
は
)
の
根
(
ね
)
も
合
(
あ
)
はず、
煙管
(
きせる
)
は
出
(
だ
)
したが
手
(
て
)
が
震
(
ふる
)
へる。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
おぢさん「は〻あ、
可憐
(
かあい
)
いものだなあ。
動物園
(
どうぶつゑん
)
の
中
(
なか
)
でも
夜
(
よる
)
なんか
熊
(
くま
)
が
一番
(
いちばん
)
よく
眠
(
ねむ
)
るつてね、
嚊声
(
いびきごゑ
)
が
不忍池
(
しのばずのいけ
)
まで
聞
(
きこ
)
へるつてさ」
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
第一
(
だいいち
)
に、
青々
(
あを/\
)
した、
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
といふものは、
植物
(
しよくぶつ
)
にとつては
一番
(
いちばん
)
大切
(
たいせつ
)
で、ちょうどわれ/\の
心臟
(
しんぞう
)
や
胃
(
い
)
や
膓
(
ちよう
)
のような、
生活上
(
せいかつじよう
)
の
必要
(
ひつよう
)
な
器官
(
きかん
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
帝
(
みかど
)
は、
天
(
てん
)
に
一番
(
いちばん
)
近
(
ちか
)
い
山
(
やま
)
は
駿河
(
するが
)
の
國
(
くに
)
にあると
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
して、
使
(
つか
)
ひの
役人
(
やくにん
)
をその
山
(
やま
)
に
登
(
のぼ
)
らせて、
不死
(
ふし
)
の
藥
(
くすり
)
を
焚
(
た
)
かしめられました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
「おや!
一番
(
いちばん
)
大
(
おお
)
きいのがまだ
割
(
わ
)
れないでるよ。まあ
一体
(
いったい
)
いつまで
待
(
ま
)
たせるんだろうねえ、
飽
(
あ
)
き
飽
(
あ
)
きしちまった。」
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
けれども
大昔
(
おほむかし
)
には、うたと
名
(
な
)
づくべきものが
多
(
おほ
)
かつたので、そのうち、
一番
(
いちばん
)
後
(
あと
)
に
出來
(
でき
)
て、
一番
(
いちばん
)
完全
(
かんぜん
)
になつたものが、うたといふ
名
(
な
)
を
專
(
もつぱ
)
らにしたのであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
このいなかの
旅館
(
りょかん
)
は、いつもひっそりと
静
(
しず
)
かで、
一番
(
いちばん
)
客
(
きゃく
)
のたてこむ夏の間でさえ、たいして
変
(
か
)
わったことがあるわけでなく、おだやかな毎日がくりかえされていた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
持
(
も
)
てるかな。持てる。けれども
一番
(
いちばん
)
波の強いところだ。
恐
(
おそ
)
らく少し小さいぞ。小さい。波が
昆布
(
こんぶ
)
だ、
越
(
こ
)
して行く。もう一つ持って来よう。こいつは
苔
(
こけ
)
でぬるぬるしている。これで二つだ。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
會毎
(
くわいごと
)
に
三人
(
さんにん
)
は
相談
(
さうだん
)
して
必
(
かなら
)
ず
月
(
つき
)
に
一度
(
いちど
)
の
贈品
(
ぞうひん
)
を
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
に
送
(
おく
)
る、それが
必
(
かなら
)
ずしも
立派
(
りつぱ
)
な
物
(
もの
)
ばかりではない、
筆墨
(
ひつぼく
)
の
類
(
るゐ
)
、
書籍
(
しよせき
)
圖畫
(
づぐわ
)
の
類
(
るゐ
)
などで、オルガン
一臺
(
いちだい
)
を
寄送
(
きそう
)
したのが
一番
(
いちばん
)
金目
(
かねめ
)
の
物
(
もの
)
であつた。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
何故
(
なぜ
)
でもしない、
誰
(
だ
)
れが
來
(
き
)
て
無理
(
むり
)
やりに
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
引上
(
ひきあ
)
げても
己
(
お
)
れは
此處
(
こゝ
)
に
斯
(
か
)
うして
居
(
ゐ
)
るのがいゝのだ、
傘屋
(
かさや
)
の
油引
(
あぶらひ
)
きが
一番
(
いちばん
)
好
(
い
)
いのだ、
何
(
ど
)
うで
盲目縞
(
めくらじま
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
に
三尺
(
さんじやく
)
を
脊負
(
しよ
)
つて
産
(
で
)
て
來
(
き
)
たのだらうから
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
人はいま
一番
(
いちばん
)
高き木のうへに鴉鳴く見て橋わたりたり
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
城乗
(
しろの
)
り
一番
(
いちばん
)
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
坂井
(
さかゐ
)
さん
見
(
み
)
た
樣
(
やう
)
に、
御金
(
おかね
)
があつて
遊
(
あそ
)
んでゐるのが
一番
(
いちばん
)
可
(
い
)
いわね」と
云
(
い
)
つた
御米
(
およね
)
の
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
いて、
小六
(
ころく
)
は
又
(
また
)
自分
(
じぶん
)
の
部屋
(
へや
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
行
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
わたくしの夫、
一番
(
いちばん
)
ヶ
瀬
(
せ
)
半兵衛
(
はんべえ
)
は
佐佐木家
(
ささきけ
)
の
浪人
(
ろうにん
)
でございます。しかしまだ一度も敵の前に
後
(
うし
)
ろを見せたことはございません。
おしの
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さて、
南朝鮮
(
みなみちようせん
)
には、あちらこちらに
多數
(
たすう
)
の
古墳
(
こふん
)
がありますが、
中
(
なか
)
でも
一番
(
いちばん
)
たくさん
遺
(
のこ
)
つてゐるのは、
元
(
もと
)
の
新羅
(
しらぎ
)
の
都
(
みやこ
)
慶州
(
けいしゆう
)
です。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
東京驛
(
とうきやうえき
)
を
一番
(
いちばん
)
で
立
(
た
)
てば、
無理
(
むり
)
にも
右樣
(
みぎやう
)
の
計略
(
けいりやく
)
の
行
(
おこな
)
はれない
事
(
こと
)
もなささうだが、
籠城
(
ろうじやう
)
難儀
(
なんぎ
)
に
及
(
およ
)
んだ
處
(
ところ
)
で、
夜討
(
ようち
)
は
眞似
(
まね
)
ても、
朝
(
あさ
)
がけの
出來
(
でき
)
ない
愚將
(
ぐしやう
)
である。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
互
(
たがひ
)
に
身體
(
しんたい
)
が
丈夫
(
じようぶ
)
でなければ
何事
(
なにごと
)
も
出來
(
でき
)
ませんから、
新
(
あたら
)
しい
空氣
(
くうき
)
の
呼吸
(
こきゆう
)
と、
十分
(
じゆうぶん
)
な
日光浴
(
につこうよく
)
と、
運動
(
うんどう
)
とによつて
食物
(
しよくもつ
)
をうまく
食
(
た
)
べることが
一番
(
いちばん
)
大切
(
たいせつ
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
『ど、ど、
如何
(
どう
)
したんだらう、こ、
此
(
この
)
武村
(
たけむら
)
をお
負
(
ま
)
かしなすつたな、『どれもう
一番
(
いちばん
)
——。』と
鬪
(
たゝか
)
つたが、また
負
(
まけ
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
五人
(
ごにん
)
のうちであまりものいりもしなかつた
代
(
かは
)
りに、
智慧
(
ちえ
)
のないざまをして、
一番
(
いちばん
)
慘
(
むご
)
い
目
(
め
)
を
見
(
み
)
たのがこの
人
(
ひと
)
です。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
その
中
(
なか
)
でも、
父
(
とう
)
さんに
連
(
つ
)
れられて
震災前
(
しんさいまえ
)
の
丸善
(
まるぜん
)
へ
行
(
い
)
った
時
(
とき
)
に
買
(
か
)
って
貰
(
もら
)
って
来
(
き
)
た
人形
(
にんぎょう
)
は、
一番
(
いちばん
)
長
(
なが
)
くあった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それは
実際
(
じっさい
)
ずいぶん
丈
(
たけ
)
が
高
(
たか
)
くて、その
一番
(
いちばん
)
高
(
たか
)
いのなどは、
下
(
した
)
に
子供
(
こども
)
がそっくり
隠
(
かく
)
れる
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るくらいでした。
人気
(
ひとけ
)
がまるで
無
(
な
)
くて、
全
(
まった
)
く
深
(
ふか
)
い
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
みたいです。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
一番
(
いちばん
)
はじめの
歌
(
うた
)
は、
蓆
(
むしろ
)
を
敷
(
し
)
いて、そこに
坐
(
すわ
)
りこんで、ぢっとしてゐる
心
(
こゝろ
)
の
寛
(
くつろ
)
ぎを
喜
(
よろこ
)
んでゐるのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
あれ
千番
(
せんばん
)
に
一番
(
いちばん
)
の
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
少
(
すこ
)
し
時間
(
じかん
)
が
遲
(
おく
)
れたので、
寄席
(
よせ
)
は
一杯
(
いつぱい
)
であつた。
二人
(
ふたり
)
は
坐蒲團
(
ざぶとん
)
を
敷
(
し
)
く
餘地
(
よち
)
もない
一番
(
いちばん
)
後
(
うしろ
)
の
方
(
はう
)
に、
立膝
(
たてひざ
)
をする
樣
(
やう
)
に
割
(
わ
)
り
込
(
こ
)
まして
貰
(
もら
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
また
骨角器以外
(
こつかくきいがい
)
に
貝殼
(
かひがら
)
で
造
(
つく
)
つた
器物
(
きぶつ
)
もないではありませんが、それは
主
(
おも
)
に
裝飾
(
そうしよく
)
に
用
(
もち
)
ひられたもので、
中
(
なか
)
でも
一番
(
いちばん
)
多
(
おほ
)
いものは
貝
(
かひ
)
の
腕輪
(
うでわ
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
何故
(
なぜ
)
だつて、
何
(
なん
)
なの、
此間
(
このあひだ
)
ねえ、
先生
(
せんせい
)
が
修身
(
しうしん
)
のお
談話
(
はなし
)
をしてね、
人
(
ひと
)
は
何
(
なん
)
だから、
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
一番
(
いちばん
)
えらいものだつて、さういつたの。
母様
(
おつかさん
)
違
(
ちが
)
つてるわねえ。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
父
(
とう
)
さんはそこいらを
探
(
さが
)
し
廻
(
まは
)
りまして、
眼
(
め
)
についた
水晶
(
すゐしやう
)
の
中
(
なか
)
でも
一番
(
いちばん
)
光
(
ひか
)
つたのを
土産
(
みやげ
)
に
持
(
も
)
つて
歸
(
かへ
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
この
温帶林
(
おんたいりん
)
にはどんな
樹木
(
じゆもく
)
が
生育
(
せいいく
)
してゐるかといふと、
一番
(
いちばん
)
いちじるしいのがぶなの
木
(
き
)
です。
本帶
(
ほんたい
)
を
一名
(
いちめい
)
『
椈帶
(
ぶなたい
)
』といふのもぶなが、その
代表
(
だいひよう
)
樹種
(
じゆしゆ
)
であるからです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
『
兵曹
(
へいそう
)
、どうぢや
一番
(
いちばん
)
腕押
(
うでおし
)
は——。』と
鐵
(
てつ
)
の
樣
(
やう
)
な
腕
(
うで
)
を
突出
(
つきだ
)
した。
虎髯大尉
(
こぜんたいゐ
)
の
腕押
(
うでおし
)
と
來
(
き
)
たら
有名
(
いうめい
)
なものである。けれど
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
はちつとも
知
(
し
)
らない、
自分
(
じぶん
)
も
大
(
だい
)
の
力自慢
(
ちからじまん
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
片歌
(
かたうた
)
は、
三句
(
さんく
)
から
出來
(
でき
)
てゐて、
一番
(
いちばん
)
めの
句
(
く
)
が
五音
(
ごおん
)
、
二番
(
にばん
)
めの
句
(
く
)
が
七音
(
しちおん
)
、
第三
(
だいさん
)
の
句
(
く
)
がまた
七音
(
しちおん
)
、といふふうになつてゐるのが
普通
(
ふつう
)
で、その
音數
(
おんすう
)
には、
多少
(
たしよう
)
の
變化
(
へんか
)
があります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
と、
一番
(
いちばん
)
小
(
ちい
)
さい
子
(
こ
)
が
突然
(
とつぜん
)
大声
(
おおごえ
)
を
出
(
だ
)
しました。そして
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
此
(
そ
)
の
癖
(
くせ
)
、もし/\、と
云
(
い
)
つた、……
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
くと、
一番
(
いちばん
)
あとの
按摩
(
あんま
)
が
呼留
(
よびと
)
めた
事
(
こと
)
が、
何
(
ど
)
うしてか
直
(
す
)
ぐに
知
(
し
)
れた……
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
といふ
伯父
(
おぢ
)
さんの
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
きつけました。あのお
前達
(
まへたち
)
の
伯父
(
おぢ
)
さんが、
父
(
とう
)
さんには
一番
(
いちばん
)
年長
(
うへ
)
の
兄
(
にい
)
さんに
當
(
あた
)
る
人
(
ひと
)
です。
父
(
とう
)
さんは
問屋
(
とんや
)
の三
郎
(
らう
)
さんを
泣
(
な
)
かせた
罰
(
ばつ
)
として、
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
たせられました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
もし
又
(
また
)
船
(
ふね
)
が
危
(
あぶな
)
いと
信
(
しん
)
じたらば、
乘
(
の
)
らぬことでござるぞ。
何
(
なん
)
でもあやふやだと
安心
(
あんしん
)
がならぬ、
人
(
ひと
)
を
恃
(
たの
)
むより
神佛
(
しんぶつ
)
を
信
(
しん
)
ずるより、
自分
(
じぶん
)
を
信仰
(
しんかう
)
なさるが
一番
(
いちばん
)
ぢや。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
豆
(
まめ
)
の
餅
(
もち
)
、
草餅
(
くさもち
)
、
砂糖餅
(
さたうもち
)
、
昆布
(
こんぶ
)
を
切込
(
きりこ
)
みたるなど
色々
(
いろ/\
)
の
餅
(
もち
)
を
搗
(
つ
)
き、
一番
(
いちばん
)
あとの
臼
(
うす
)
をトンと
搗
(
つ
)
く
時
(
とき
)
、
千貫
(
せんぐわん
)
萬貫
(
まんぐわん
)
、
萬々貫
(
まん/\ぐわん
)
、と
哄
(
どつ
)
と
喝采
(
はや
)
して、
恁
(
かく
)
て
市
(
いち
)
は
榮
(
さか
)
ゆるなりけり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ですから、
同列車
(
どうれつしや
)
の
乘客
(
じようかく
)
の
中
(
うち
)
で、
停車場
(
ステエシヨン
)
を
離
(
はな
)
れましたのは、
多分
(
たぶん
)
私
(
わたし
)
が
一番
(
いちばん
)
あとだつたらうと
思
(
おも
)
ひます。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
枕
(
まくら
)
に
就
(
つ
)
いたのは
黄昏
(
たそがれ
)
の
頃
(
ころ
)
、
之
(
これ
)
を
逢魔
(
あふま
)
が
時
(
とき
)
、
雀色時
(
すゞめいろどき
)
などといふ
一日
(
いちにち
)
の
内
(
うち
)
人間
(
にんげん
)
の
影法師
(
かげぼふし
)
が
一番
(
いちばん
)
ぼんやりとする
時
(
とき
)
で、
五時
(
ごじ
)
から
六時
(
ろくじ
)
の
間
(
あひだ
)
に
起
(
おこ
)
つたこと、
私
(
わたし
)
が十七の
秋
(
あき
)
のはじめ。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
京師
(
けいし
)
の
張廣號
(
ちやうくわうがう
)
は、
人參
(
にんじん
)
の
大問屋
(
おほどんや
)
で、
聞
(
きこ
)
えた
老鋪
(
しにせ
)
。
銀座
(
ぎんざ
)
で
一番
(
いちばん
)
、と
云
(
い
)
ふづツしりしたものである。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
朝
(
あさ
)
の
一番
(
いちばん
)
なんぞは、
汽船
(
きせん
)
の
屋根
(
やね
)
まで、
眞黒
(
まつくろ
)
に
人
(
ひと
)
で
埋
(
う
)
まつて、
川筋
(
かはすぢ
)
を
次第
(
しだい
)
に
下
(
くだ
)
ると、
下
(
した
)
の
大富橋
(
おほとみばし
)
、
新高橋
(
しんたかばし
)
には、
欄干外
(
らんかんそと
)
から、
足
(
あし
)
を
宙
(
ちう
)
に、
水
(
みづ
)
の
上
(
うへ
)
へぶら
下
(
さが
)
つて
待
(
ま
)
つてゐて、それ
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「えゝ……まけて
置
(
お
)
け、
一番
(
いちばん
)
。」と、
皿
(
さら
)
から
捻
(
ねぢ
)
るやうに
引摘
(
ひつつか
)
んで、
別
(
べつ
)
に
燒團子
(
やきだんご
)
を
五串
(
いつくし
)
添
(
そ
)
へた。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
私
(
わたし
)
も
薪雜棒
(
まきざつぽう
)
を
持
(
も
)
つて
出
(
で
)
て、
亞鉛
(
トタン
)
と
一番
(
いちばん
)
、
鎬
(
しのぎ
)
を
削
(
けづ
)
つて
戰
(
たゝか
)
はうかな。」と
喧嘩
(
けんくわ
)
過
(
す
)
ぎての
棒
(
ぼう
)
ちぎりで
擬勢
(
ぎせい
)
を
示
(
しめ
)
すと、「まあ、
可
(
よ
)
かつたわね、ありがたい。」と
嬉
(
うれ
)
しいより、ありがたいのが
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宴席
(
えんせき
)
どなりの
空部屋
(
あきべや
)
へ
轉
(
ころ
)
げ
込
(
こ
)
むと、ぐたりと
寢
(
ね
)
たが、したゝか
反吐
(
へど
)
をついて、お
冷水
(
ひや
)
を
五杯
(
ごはい
)
飮
(
の
)
んだとやらで、ウイーと
受持
(
うけもち
)
の、
一番
(
いちばん
)
さんへ
床
(
とこ
)
を
取
(
と
)
りに
來
(
き
)
て、おや、
旦那
(
だんな
)
は
醉
(
よ
)
つて
轉
(
ころ
)
げてるね
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
蒸暑
(
むしあつ
)
いのが
續
(
つゞ
)
くと、
蟋蟀
(
こほろぎ
)
の
聲
(
こゑ
)
が
待遠
(
まちどほ
)
い。……
此邊
(
このあたり
)
では、
毎年
(
まいねん
)
、
春秋社
(
しゆんじうしや
)
の
眞向
(
まむか
)
うの
石垣
(
いしがき
)
が
一番
(
いちばん
)
早
(
はや
)
い。
震災前
(
しんさいぜん
)
までは、
大
(
たい
)
がい
土用
(
どよう
)
の
三日
(
みつか
)
四日
(
よつか
)
めの
宵
(
よひ
)
から
鳴
(
な
)
きはじめたのが、
年々
(
ねん/\
)
、やゝおくれる。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何事
(
なにごと
)
に
因
(
よ
)
らず
改革奉行
(
かいかくぶぎやう
)
の
命令
(
めいれい
)
に
背
(
そむ
)
き
候
(
さふらふ
)
まじく、いづれも
杢殿
(
もくどの
)
手足
(
てあし
)
となりて、
相働
(
あひはたら
)
き、
忠勤
(
ちうきん
)
を
勵
(
はげ
)
み
可申候
(
まをすべくさふらふ
)
と、
澁々
(
しぶ/\
)
血判
(
けつぱん
)
して
差上
(
さしあ
)
ぐれば、
御年役
(
おんとしやく
)
一應
(
いちおう
)
御覽
(
ごらん
)
の
上
(
うへ
)
、
幸豐公
(
ゆきとよぎみ
)
に
參
(
まゐ
)
らせ
給
(
たま
)
へば、
讀過
(
どくくわ
)
一番
(
いちばん
)
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女房
(
かみさん
)
の
料簡
(
れうけん
)
ぢやあ、
廓外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
て——それこそ
新橋
(
しんばし
)
なぞは、
近來
(
きんらい
)
吉原
(
よしはら
)
の
者
(
おの
)
も
大勢
(
おほぜい
)
行
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
るから——
彼處等
(
あすこら
)
へ
行
(
い
)
つて
待合
(
まちあひ
)
でもすれば、
一番
(
いちばん
)
間違
(
まちがひ
)
は
無
(
な
)
いと
思
(
おも
)
つたのだが、
此議
(
これ
)
は
又
(
また
)
その
娘
(
むすめ
)
が
大反對
(
だいはんたい
)
で
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“一番”の解説
一番(いちばん)は、愛知県名古屋市熱田区の地名。現行行政地名は一番一丁目から一番三丁目。住居表示実施。
(出典:Wikipedia)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
番
常用漢字
小2
部首:⽥
12画
“一番”で始まる語句
一番鶏
一番乘
一番首
一番好
一番町
一番後
一番槍
一番上
一番下
一番堀