“露出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むきだ49.5%
むきだし18.4%
ろしゅつ10.7%
あらわ8.7%
あらは2.9%
ろしゆつ2.9%
まるだ1.9%
こっくりだ1.0%
はみだし1.0%
むきいだ1.0%
むきいで1.0%
むきで1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
辰男の明け方の夢には、わらびえる學校裏の山が現れて、其處には可愛らしい山家乙女やまがをとめが眞白な手を露出むきだして草を刈りなどしてゐた。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
かと思へば、些細の事にも其齒を露出むきだしにして淡白きさくらしく笑ふ。よく物を言ふ眼が間斷なく働いて、解けば手に餘る程の髮は黒い。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
これが今日きょうのおしまいだろう、といながら斉田さいたは青じろい薄明はくめいながれはじめた県道に立ってがけ露出ろしゅつした石英斑岩せきえいはんがんから一かけの標本ひょうほんをとって新聞紙に包んだ。
泉ある家 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
寝衣ねまきは半分引きめくったように、肩から胸のあたりまで露出あらわになって、男かと思われるような小さい乳房が薄赤く見えた。
半七捕物帳:05 お化け師匠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
丑松はこの細君の気の短い、忍耐力こらへじやうの無い、愚痴なところも感じ易いところもすべ外部そと露出あらはれて居るやうな——まあ、四十女にくある性質をて取つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その二尺にしやくほどした勾配こうばい一番いちばんきふところえてゐる枯草かれくさが、めうけて、赤土あかつちはだ生々なま/\しく露出ろしゆつした樣子やうすに、宗助そうすけ一寸ちよつとおどろかされた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
見すえ黄色い牙を露出まるだしにしてその牙をガチガチ噛み合わせながらこっちに向かって飛んで来る。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
洗濯板のようになった肋骨あばらぼね露出こっくりだいてヒョックリヒョックリと呼吸いきをするアンバイが、どうやら尋常事ただごとじゃないように思われて来ました。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
壁の隙間すきまや床下から寒い夜風が吹きこむので二人は手足も縮められるだけ縮めているが、それでも磯の背部せなかは半分外に露出はみだしていた。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
すれば罪人は誰なるや此罪人がプラトを連居つれいたる事は店番のしょうこゝにて明白なれば何しろプラトが我主人の如く就従つきしたがう人なるには相違なしプラトは余等にむかいても幾度か歯を露出むきいだせし程なる故
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
余は無言のまゝに彼れをすわらせ其傷をあらたむるにるほど血の出る割にはたいした怪我にもあらず、れど左の頬を耳より口まで引抓ひっかゝれたる者にして処々ところ/″\に肉さえ露出むきいでたれば痛みはこそと察せらる
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
きびらの洗いざらし、漆紋うるしもんげたのをたが、肥っておおきいから、手足も腹もぬっと露出むきでて、ちゃんちゃんをはおったように見える、たくましい肥大漢でっぷりものがらに似合わず、おだやかな、柔和な声して
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)