“萌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きざ50.5%
39.9%
きざし2.6%
もえ1.8%
1.5%
0.7%
めば0.7%
もゆる0.4%
きぎ0.4%
きぎし0.4%
もやし0.4%
キザ0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少しは邪推の悋気りんききざすも我を忘れられしより子を忘れられし所には起る事、正しき女にも切なきじょうなるに、天道怪しくもこれを恵まず。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
雪が解け、草がえ、そして日光の美しい五月が来た。五月十一日の日曜に久しぶりに川べりに来ると、対岸の町に市が立つてゐる。
イーサル川 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
勝平の態度には、愈々いよ/\乱酔のきざしが見えてゐた。彼の眸は、怪しい輝きを帯び、狂人か何かのやうに瑠璃子をジロ/\と見詰めてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
四月にいたれば田圃たはたの雪もまだらにきえて、去年秋の彼岸ひがんまきたる野菜やさいのるゐ雪の下にもえいで、梅は盛をすぐし桃桜は夏を春とす。
垣根のかえでが芽をく頃だ。彼方あちらの往来で——杉林の下の薄暗い中で子供が隠れ事をしている。きゃっきゃっという声が重い頭に響く。
黄色い晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど春の初まりかけたころで、芽生えのなかで茜色をしたのや紫ぐんだのや、そういう雑草のざしがまるで花のようにつん出て、あるものはかなり高く伸びていました。
不思議な国の話 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
一週間ほどするうちに、それまで、全く枯野だった草原が、すっかり青くなって、草はめばえ、木は枝を伸し、がちょうあひるが、そここゝを這い廻りだした。
雪のシベリア (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
「マドロス君——君さきに上り給え、そうだ、もゆるさん——君、マドロス君、萌さんをおぶって上り給え」
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そこで思い遣りの心が自発的にきぎして来る。一点でもそんな心が湧出すればそれはとても貴いもので、これを培えば段々発達して遂に慈愛に富んだ人となるであろう。
内乱のきぎしがあるの、民心が危険だのと。
どうせあんなもやし糸瓜へちまのような大きな鼻の生えます処でございますもの、うっかり入ろうものなら、蚯蚓みみずの天上するのに出ッくわして、目をまわしませんければなりますまいではございませんか。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
レ、仏日没ストイエドモ、余輝ヨキ未ダ隠レズ、法水ホウスイ乾クト雖モ、遺潤イジュンナオ存セリ。吾等、コレニヨリテ毒酔ドクスイヲサマシ、之ニヨリテ覚芽カクガキザス。アニサイワイニアラズヤ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『古事記』は次に記して曰く、次に国ワカ浮脂ウキアブラの如くにして、海月なす漂える時に、葦牙アシカビの如く、あがれる物に因て、成りませる神の名は、宇麻志葦牙彦遅ウマシアシカビヒコヂ神、次に天之常立アメノトコタチ神。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)