“きざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キザ
語句割合
29.8%
気障22.2%
19.3%
10.5%
7.4%
氣障4.3%
1.5%
跪坐0.8%
0.6%
跪座0.6%
危坐0.4%
彫刻0.4%
0.3%
充牣0.1%
切刻0.1%
0.1%
0.1%
危座0.1%
小刻0.1%
机坐0.1%
0.1%
0.1%
貴座0.1%
起坐0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とき繰返くりかへすやうだけれども、十圓じふゑんたい剩錢つりせん一錢いつせんなるがゆゑに、九圓九十九錢きうゑんきうじふきうせんわかつたが、またなんだつて、員數ゐんすうこまかきざんだのであらう。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
百人に一人位真摯まじめなものもあるかも知れないが、大抵は卒業すると直ぐ気障きざ扮装なりをして新聞受売の経済論や株屋の口吻くちまねをしたがる。
青年実業家 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
ここまで考えると、純一の心のうちには、例の女性に対する敵意がきざして来た。そしてあいつは己を不言の間に飜弄ほんろうしていると感じた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
呉の孫策そんさく、度々、奏聞そうもんをわずらわし奉り、大司馬の官位をのぞむといえども、ご許容なきをうらみ、ついに大逆をきざし、兵船強馬を
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たまたま伊勢詣のしるしにとて送られし貝の一ひらを見れば大わだつみのよろづの波をきざめるとぞ言ひし言の葉こそ思ひいでらるれ
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
門を出て右へ曲ると、智惠子はちつと學校を振返つて見て、『氣障きざな男だ。』と心に言つた。故もない微笑がチラリと口元に漂ふ。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
やう/\あきらかなかたちとなつて彼女かのぢよきざした不安ふあんは、いやでもおうでもふたゝ彼女かのぢよ傷所きずしよ——それは羞耻しうち侮辱ぶじよくや、いかりやのろひや
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
写真を掲げた一図は高野山に蔵せられる「聖衆来迎図しょうじゅらいごうず」のほんの一部分、中央阿弥陀あみだ如来の向って右に跪坐きざする観世音菩薩かんぜおんぼさつの像である。
美の日本的源泉 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
隠居した後も、道を行きつつ古草鞋ふるわらじを拾って帰り、水に洗い日にさらして自らきざみ、出入の左官に与えなどした。しかし伊兵衛は卑吝ひりんでは無かった。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
いつの間に無礼講の席を遁がれて、このような所へ来たものか、白芙容の咲いているそれを横手に大地に跪座きざして謹ましく、そう言上しているのであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いわく、丁晋公臨終前半月、すでくらはず、ただ香をいて危坐きざし、黙して仏経をじゆす、沈香の煎湯せんたうを以て時々じゞ少許せうきよあふる、神識乱れず、衣冠を正し、奄然えんぜんとして化し去ると。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かつ空虚うつろのように捨吉の眼に映った天井の下、正面にアーチの形を描いた白壁、十字を彫刻きざんだ木製の説教台、厚い新旧約全書の金縁の光輝ひかり、それらのものがもう一度彼の眼にあった。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
前にいう通り、この五輪の石塔のぬしの何者だということは、碑面にはまさしくきざんではあるが、暮色糢糊もこたるがために、読むことができなくなっていました。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
かの賤女しづのめいかに美しとて、決して我を誘ひ寄すること能はざるべし。夫人。吾友よ、われは明におん身の心を知れり。さきにはその心に初戀の充牣きざしたるため、些の餘地だになかりき。
今にも息を引取るか、なぶり殺しに切刻きざまれてでもいそうです。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
先ずハムの湯煮たのと鶏肉けいにくの湯煮たのとを四分六分位の割で細かくきざんでつぶして裏漉うらごしにします。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
火勢をくだで伸して注ぎかけるホースのように、数条の登り竜は、くきくきと天上に昇っては花影の余抹よまつきざんで満口の火粉を吹き、衰えては降り、また登って行きます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
芳子がその二階に泊って寝ていた時、もし自分がこっそりその二階に登って行って、遣瀬やるせなき恋を語ったらどうであろう。危座きざして自分をいさめるかも知れぬ。声を立てて人を呼ぶかも知れぬ。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
ひどく小刻きざみなのもそぐはないものを感じさせます。
それは決して、平日机坐きざの学問から受けたものではない。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
晴さんとの惡念あくねんきざしけるこそ恐ろしけれ斯て吾助はよきをりあれかしとひまうかゞひけるに喜内は何事も愼み深く其上武術に達しければなまじひに手出をなして仕損じては一大事と空敷むなしく半年餘りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
炙は人肉を炙ること、腊は人肉を乾すこと、醢は人肉をきざみ、麹や鹽を雜へて酒漬にすることで、何れも人肉を食用に供することを前提とした調理法に過ぎぬ。
一 私儀わたくしぎ狂言作者志望につき福地先生門生もんせい相成あいなり貴座きざ楽屋へ出入被差許候上者でいりさしゆるされそうろううえは劇道の秘事楽屋一切の密事決而けっして口外致間敷いたすまじく依而よって後日ごじつのため一札如件いっさつくだんのごとし
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
見ると智真上人しょうにん以下、大講堂の廊には、常ならぬ威儀で役僧全部で並んでいた。彼を見るやいな、まず都寺つうす起坐きざして
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
諄々くどくど黒暗くらやみはじもうしてあなたの様ななさけ知りの御方に浅墓あさはか心入こころいれ愛想あいそつかさるゝもおそろし、さりとて夢さら御厚意ないがしろにするにはあらず、やさしき御言葉は骨にきざんで七生忘れませぬ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
稲の穂の千田ちたきざをなし靡く時唯ならぬかな姥捨の秋
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)