“きざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
29.4%
気障21.7%
19.8%
11.2%
7.3%
氣障5.0%
1.3%
跪坐1.0%
0.6%
危坐0.3%
(他:15)2.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大根だいこよこいくつかにつて、さらにそれをたてつて短册形たんざくがたきざむ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そこでその科学者は直ちにメスをって、その脳髄を取出した屍体の全部を十万分の一ミリメートルの薄さに切りきざんだ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
記者の胸の動悸が急に高くなって、又次第に静まって来た。同時に自分でも気障きざに思われる微笑が腹の底からコミ上げて来た。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
お絹は、その手つきを冷笑気分で見ていましたが、そう思って見るせいか、七兵衛の金を蔵う手つきまでが堪らなく気障きざです。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
面從腹誹ふくひ、抑鬱不平、自暴自棄などの惡癖陋習ろうしふの、我心の底にきざしゝより外、又何の效果も無かりしなり。
フレンチが一昨日も昨日も感じていて、友達にも話し、妻にも話した、死刑の立会をするという、自慢の得意の情がまたきざす。
とお絹は神尾主膳の膝をつっつきました。酒乱のきざさない時の神尾主膳は、つっつきたくなるほどに気のよく見えることもある。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これが以前の曹操だったら、一議に及ばぬことであろうが、赤壁の頃から、すでに彼も老齢に入るきざしが見えていた。この時も、
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「地蔵様の肌が暖かい! そんな馬鹿なことがあるものか、石できざんだ鼻っ欠けの地蔵だ。大方、陽が当って暖まるんだろう」
馬琴の、底光のする眼を見詰めていた京伝は、その木像のような面にきざまれている決意の色を、感じないわけには行かなかった。
曲亭馬琴 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
門を出て右へ曲ると、智惠子はちつと學校を振返つて見て、『氣障きざな男だ。』と心に言つた。故もない微笑がチラリと口元に漂ふ。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ふか長靴ながぐつ此等これらみな氣障きざでならなかつたが、ことしやくさはるのは
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それが、数年来きざしていた彼の厭世的人生観をいよいよ実際的なものにし、彼の病苦と相俟って自殺の時期を早めたものらしい。
芥川の事ども (新字新仮名) / 菊池寛(著)
おれの胸に始めて疑団ぎだんきざしたのは、正にその白拍子たるお前の顔へ、偶然の一瞥いちべつを投げた時だ。
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
偶像もしくは金銭の前に跪坐きざすることは、歩行の筋肉と前進の意志とを萎縮いしゅくさせる。
写真を掲げた一図は高野山に蔵せられる「聖衆来迎図しょうじゅらいごうず」のほんの一部分、中央阿弥陀あみだ如来の向って右に跪坐きざする観世音菩薩かんぜおんぼさつの像である。
美の日本的源泉 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
隠居した後も、道を行きつつ古草鞋ふるわらじを拾って帰り、水に洗い日にさらして自らきざみ、出入の左官に与えなどした。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それ故蛇を殺すにはなるべく多くの細片に切りきざめばことごとく継ぎ合うに時が掛かる、その内に日がるから死んでしまうそうじゃ。
危坐きざ兀坐こつざ賓主いづれやたかむしろ
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
いわく、丁晋公臨終前半月、すでくらはず、ただ香をいて危坐きざし、黙して仏経をじゆす、沈香の煎湯せんたうを以て時々じゞ少許せうきよあふる、神識乱れず、衣冠を正し、奄然えんぜんとして化し去ると。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
学ぶべきものは海の如く、山の如く、前途に横たわっている——という感じを、駒井甚三郎はこの時も深くきざみつけられました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
前にいう通り、この五輪の石塔のぬしの何者だということは、碑面にはまさしくきざんではあるが、暮色糢糊もこたるがために、読むことができなくなっていました。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
さきにはその心に初戀の充牣きざしたるため、些の餘地だになかりき。
今にも息を引取るか、なぶり殺しに切刻きざまれてでもいそうです。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
先ずハムの湯煮たのと鶏肉けいにくの湯煮たのとを四分六分位の割で細かくきざんでつぶして裏漉うらごしにします。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
浴せ下ろす星降り、地上の火から空への火の伝騎のように、また、火勢をくだで伸して注ぎかけるホースのように、数条の登り竜は、くきくきと天上に昇っては花影の余抹よまつきざんで満口の火粉を吹き、衰えては降り、また登って行きます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
危座きざして自分をいさめるかも知れぬ。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
縁側から眺めると、畑の柔かい土の上に、足跡は木戸まで續い居りますが、不思議なことにその足跡は、醉つ拂ひが歩いたやうに、少しばかりよろけて居り、ひどく小刻きざみなのもそぐはないものを感じさせます。
岩は昔ながらの形に畳み上げられてあり、苔も昔ながらの色にむしており、南無妙法蓮華経と彫刻きざまれてある碑も、昔ながらの位置に立っていた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それは決して、平日机坐きざの学問から受けたものではない。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
炙は人肉を炙ること、腊は人肉を乾すこと、醢は人肉をきざみ、麹や鹽を雜へて酒漬にすることで、何れも人肉を食用に供することを前提とした調理法に過ぎぬ。
一 私儀わたくしぎ狂言作者志望につき福地先生門生もんせい相成あいなり貴座きざ楽屋へ出入被差許候上者でいりさしゆるされそうろううえは劇道の秘事楽屋一切の密事決而けっして口外致間敷いたすまじく依而よって後日ごじつのため一札如件いっさつくだんのごとし
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「アッ。貴女あなたは楊貴妃様」と叫びつつ砂の上に跪座きざした。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
やさしき御言葉は骨にきざんで七生忘れませぬ、女子おなごの世に生れし甲斐かい今日知りてこの嬉しさ果敢はかなや終り初物はつもの、あなたは旅の御客、あうも別れも旭日あさひがあの木梢こずえ離れぬ内
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
稲の穂の千田ちたきざをなし靡く時唯ならぬかな姥捨の秋
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)