“呪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のろ70.2%
まじな7.1%
のろい7.1%
じゅ4.0%
まじない3.1%
のろひ2.4%
まじなひ1.8%
じゆ1.1%
ノロ0.7%
いの0.4%
カシ0.2%
のろつ0.2%
のろわ0.2%
まじね0.2%
まじねえ0.2%
オコナ0.2%
ジユ0.2%
トコ0.2%
マジナ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手紙の文句はプツリときれてをりますが、その意味は邪念に充ちて、まづい假名文字までが、のろひと怨みに引きゆがめられてゐるのです。
何のまじないかあわてて煙草を丸め込みその火でまた吸いつけて長く吹くを傍らにおわします弗函どるばこの代表者顔へ紙幣さつった旦那殿はこれを
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
そして、むすめのまごころの力で、なが年とけなかった魔法ののろいがとけて、ほんとうの姿にかえられたことを、よろこんでいました。
仰向あおむけのままじゅすと、いくらか心が静まったと見えて、旅僧はつい、うとうととしたかと思うと、ぽたり、と何か枕許まくらもとへ来たのがある。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此の観音様も段々繁昌して参り、お比丘さんにおきゅうえて貰えのおまじないをして貰いたいのといって頼みに来るから、私も何も知らないが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「私、多分、そんなのろひなんぞ、何んにも存じませんでせう。でも若しさうなつても、私、そんなことを氣に留めはいたしません。」
だいなやますやまひまぼろしでございます。たゞ清淨しやうじやうみづこの受糧器じゆりやうきに一ぱいあればよろしい。まじなひなほしてしんぜます。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
さるにや気も心もよわよわとなりもてゆく、ものを見るあきらかに、耳の鳴るがやみて、恐しき吹降ふきぶりのなかに陀羅尼だらにじゆするひじり声々こえごえさわやかに聞きとられつ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
御一族の末々まで、あなた樣をおノロひ申し上げることでおざりませう。其どころでは、御座りません。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
いのり殺し、呪り生かし——のこの行事、毎年やる事ではあったが、それでも毎年、法力の摩訶まか不思議に、群集は酔ったように眼をすえていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
椎根津彦と弟猾オトウカシとが香具山の土を盗んで来て種々の土器を作つて、天神地祇を祭つた条に、「譬はゞ水沫ミナハの如くカシり著くる所あり」
婿むこの松方何とか云ふ奴の為に煉瓦れんぐわの建築をはじめたのだ、僕は其前を通るたびに、オヽ国民の膏血かうけつわたくしせる赤き煉瓦の家よ、汝が其いしずえの一つだにのこらざる時のきたることを思へよと言つてのろつてやるンだ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ふところ子・ふところ爺のなま述懐に到っては、しろうと本位である短歌の、昔からの風習がのろわしくさえ思われるのである。
歌の円寂する時 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
近処きんじょに居る者だがお墓参りして無尽鬮引くじびきまじねえにするって、エー、雨降って来たから傘借りてお累さんと二人手え引きながらけえって来て、お累さんが云うにゃア、おせな彼様あんい男はいやア
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
三「アヽ鼻血が出た、與助、男の鼻血だから仔細はあるまいけれども、盆凹ぼんのくぼの毛を一本抜いて、ちり毛を抜くのはまじねえだから、アヽいてえ、其様そんなに沢山抜く奴があるか、一掴ひとつかみ抜いて」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此にオコナひをかけ、はたらく様にして、一夜の中に造り上げようとした。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
荼吉尼をジユする験者に誘はれて、旅の空にさすらひ出で、鄙のすまひに衰へては、験者の末流を汲む輩の手さきに使はれて、官された野狐となり、いづなの輩に伍して
狐の田舎わたらひ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
天神其矢を見て曰はく、此れ、昔我が天稚彦アメワカヒコに賜ひし矢なり。今何故に来つらむとて、乃矢を取りトコひて曰はく、若し悪心を以て射たりしならば則、天稚彦必害に遭はむ。
下級の神——寧、精霊の類——に向いて発するマジナひ式な精神が、のりとの形の上に表現せられるやうになつた為であるらしい。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)