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呪
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のろい
ふりがな文庫
“
呪
(
のろい
)” の例文
そして、むすめのまごころの力で、なが年とけなかった魔法の
呪
(
のろい
)
がとけて、ほんとうの姿にかえられたことを、よろこんでいました。
ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)
(新字新仮名)
/
ガブリエル=シュザンヌ・バルボ・ド・ヴィルヌーヴ
(著)
若し僕の想像が確だとすると、この事件には実に恐しい人物が介在している。そいつの
呪
(
のろい
)
が事件全体を非常に複雑なものにしている。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
秋川一家に対する「
呪
(
のろい
)
」の
Leitmotiv
(
ライトモチーブ
)
が奏せられている限り、どうしても同一人の仕業と思わなけりやならん。とすればだ。
殺人鬼
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
夥しい書籍が——数百枚の重い粘土板が、文字共の
凄
(
すさ
)
まじい
呪
(
のろい
)
の声と共にこの讒謗者の上に落ちかかり、彼は
無慙
(
むざん
)
にも圧死した。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
ただ、各編隊を通じて十機あまりは、雲にまぎれて戦闘の攻撃機をのがれ、東京へ東京へと、
呪
(
のろい
)
の爆音を近づけつつあったのだ。
空襲警報
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
彼は
泥烏須
(
デウス
)
を念じながら、一心に顔をそむけようとした。が、やはり彼の体は、どう云う神秘な
呪
(
のろい
)
の力か、身動きさえ楽には出来なかった。
神神の微笑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ただわずかな間に消えてしまったことが、まるで秘境「悪魔の尿溜」の
呪
(
のろい
)
のように、マヌエラさえ思うよりほかになかった。
人外魔境:01 有尾人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
そこで鋼鉄の弾丸と一緒になって、
細
(
こまか
)
く細く、はげしい音に
呪
(
のろい
)
の声を叫びながら、砕かれました。そうして焼かれて、立派にセメントとなりました。
セメント樽の中の手紙
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
と、俺は一夜鬱積した酒の
呪
(
のろい
)
にたまりかねて、幾杯目かの觴を呑みほしたとたんに、憎むべき行者の
楽天主義
(
オプチミスム
)
を打破しやうと論戦の火蓋を切つたのだ。
木枯の酒倉から:――聖なる酔つ払ひは神々の魔手に誘惑された話――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
汽車の
笛
(
ふえ
)
さては何とも知れず遠きより
来
(
きた
)
る下界の声が
呪
(
のろい
)
のごとく彼を追いかけて旧のごとくに彼の神経を苦しめた。
カーライル博物館
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ところで、此間二階の戸袋に射込まれたという、白羽の
箭
(
や
)
を見せて下さい、出来ることなら、
呪
(
のろい
)
の藁人形も」
銭形平次捕物控:246 万両分限
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかし同じ源から出たエネルギーはせち辛い東京市民に駆使される時に苦しい
唸
(
うめ
)
き声を出し、いらだたしい火花を出しながら駆使者の頭上に黒い
呪
(
のろい
)
を投げている。
電車と風呂
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
余程保存が良かったとみえて、墨色の
褪
(
あ
)
せも
少
(
すくな
)
く、六朝風の達筆で「殺生谷の鬼火に
就
(
つい
)
ての秘録」という題名の本に、恐ろしい
呪
(
のろい
)
の事実が精しく
書認
(
かきしたた
)
めてあった。
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
私はそれの
呪
(
のろい
)
についてのある話しを聞いています、が私はそれは気にかけていません。がしかし呪いがあってもなくても、真にある意味においてある陰謀があります。
金の十字架の呪い
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
と、いうような
呪
(
のろい
)
、愚痴。初めて、家を明けるのであるから、親爺の小言が恐ろしいが、そんな事は、丸で考えないで、
悄
(
しょ
)
げ、怒り、恨み、寒がって、夜を明かした。
死までを語る
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
この釘は
丑
(
うし
)
の
時参
(
ときまいり
)
が、猿丸の杉に打込んだので、
呪
(
のろい
)
の念が
錆附
(
さびつ
)
いているだろう、よくお見。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寂しいそのお
家
(
うち
)
へ時々おいでになります大将の関係から、どんな
呪
(
のろい
)
を受けておいでになるかわからないのにあなたは病気だし、ちょうどこんな時に悪夢が続くので心配しています。
源氏物語:53 浮舟
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
丁度、今までかけられていた沈黙の
呪
(
のろい
)
が解かれたように。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
島田に対しての
呪
(
のろい
)
には苦笑しますが。——
獄中への手紙:04 一九三七年(昭和十二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
なぜならば、おそろしき
呪
(
のろい
)
の爆薬の花籠は、やがてものすごい音響をあげて爆裂することになっているのであった。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それこそ、私はあの兄の恐ろしい
呪
(
のろい
)
だと思うのです、
彼奴
(
きゃつ
)
は最初の瞬間からそれを知っていたのです。
双生児:――ある死刑囚が教誨師にうちあけた話――
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
クリストが、実際こう云ったかどうか、それは彼自身にも、はっきりわからない。が、ヨセフは、「この
呪
(
のろい
)
が
心耳
(
しんじ
)
にとどまって、いても立っても居られぬような気に」
さまよえる猶太人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
本郷丸山本妙寺の庭で焼いた
呪
(
のろい
)
の振袖が、一陣の狂風にあおられて寺の本堂の屋根に絡み、それが魔の火となって、見る見る本妙寺の七堂伽藍を焼き払い、火先は疾風に乗って
奇談クラブ〔戦後版〕:12 乞食志願
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
人数
(
にんず
)
が足りないかしら、もっとも九ツ坊さんと来りゃあ、恋も
呪
(
のろい
)
もしますからね。」
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
尤
(
もっと
)
も、我事に於て後悔せず、という、こういう言葉を編みださずにいられなかった宮本武蔵は常にどれくらい後悔した奴やら、この言葉の裏には武蔵の後悔が
呪
(
のろい
)
のように聴えてもいる。
青春論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
その
呪
(
のろい
)
をとくには、いつか心の清いおとめが、わたしのみにくい姿かたちをわすれて、まごころからいたわってくれるまで、待たなくてはならなかったのです。それがあなただったのですよ。
ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)
(新字新仮名)
/
ガブリエル=シュザンヌ・バルボ・ド・ヴィルヌーヴ
(著)
「シャロットの女を殺すものはランスロット。ランスロットを殺すものはシャロットの女。わが
末期
(
まつご
)
の
呪
(
のろい
)
を負うて北の
方
(
かた
)
へ走れ」と女は両手を高く天に挙げて、朽ちたる木の
野分
(
のわき
)
を受けたる如く
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
恐るべき
呪
(
のろい
)
の女は、用意の毒薬を服し、線路に
横
(
よこた
)
わって、名誉の絶頂から
擯斥
(
ひんせき
)
の谷底に追い落され、
獄裡
(
ごくり
)
に
呻吟
(
しんぎん
)
するであろう所の夫の幻想に、物凄い微笑を浮べながら
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それが何故、彼ひとりクリストの
呪
(
のろい
)
を負ったのであろう。あるいはこの「何故」には、どう云う解釈が与えられているのであろう。——これが、自分の第二の疑問であった。
さまよえる猶太人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
明らかにヘンリエッタ・スミスソンに対する激情と
呪
(
のろい
)
とを書いたものである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
一枝の目は
呪
(
のろい
)
をかける妖婆のように光った。そして、云った。
明治開化 安吾捕物:10 その九 覆面屋敷
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
と、
呪
(
のろい
)
の声を発しつづけていた。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
焔
(
ほのお
)
のようにキラキラと照り
耀
(
かがや
)
き、その満々と水を
湛
(
たた
)
えた球形の玻璃瓶を貫いて、太陽の光線は一層強烈となり、机の上に置かれた火繩銃の上に、世にも怖ろしい
呪
(
のろい
)
の焦点を作り初めた。
火縄銃
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
が、
呪
(
のろい
)
を負うようになった原因については、大体どの記録も変りはない。
さまよえる猶太人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それとも又、実は何でもない写真が、平田氏の目に
丈
(
だ
)
けあんな風に見えたのだとしても、それではいよいよ辻堂の
呪
(
のろい
)
にかかって、気が変になり始めたのではないかと、一層恐しく感ぜられるのだ。
幽霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
呪
常用漢字
中学
部首:⼝
8画
“呪”を含む語句
呪咀
呪詛
呪禁
呪言
呪文
呪師
呪々
禁呪
呪縛
呪術
呪法
呪禁師
呪術師
呪願
呪殺
神呪
呪詛調伏
呪魔
呪誼
巫呪
...