“褪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あ64.0%
さ31.8%
ざ1.5%
は0.9%
うつろ0.6%
ひ0.6%
あせ0.3%
さめ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし水から出すとすぐに、その光沢は褪(あ)せてきて、その姿が指の間に融(と)け込む。彼はそれを水に投げ込み、また他のを漁(あさ)り始める。
いま、秋の日が一ぱい金堂や講堂にあたって、屋根瓦(やねがわら)の上にも、丹(に)の褪(さ)めかかった古い円柱にも、松の木の影が鮮やかに映っていた。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
先生は、こういう非常のときにも、学者らしい執着を忘れずに蒼褪(ざ)めた顔をしながらいかにもそのひとらしく、こんな減らず口を叩く。
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「ふゥむ、」と得意らしく小鼻を揺(うご)めかしながら毬栗頭は褪(は)げチヨロケた黒木綿の紋付羽織をリウとしごいて無図(むづ)と座つた。
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
菊はまだ褪(うつろ)わずして狂うものは狂いそめ、小菊、紺菊の類は、園の此処彼処にさま/″\な色を見せ、紅白の茶山花(さざんか)は枝上地上に咲きこぼれて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
そう気が付いた丈けでも、唇が痺れて、頬からサッと血の気の褪(ひ)くのが感ぜられます。
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
お鯉さんのこれからの生活は、かなり色の褪(あせ)た、熱のないものであろうとその時わたしは思った。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
褪(さめ)めはてし飾硝子(かざりがらす)の戸を覗(のぞ)け、草に雨ふり
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)