“は”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
8.0%
穿7.4%
7.0%
4.5%
4.0%
3.7%
3.5%
3.3%
3.2%
3.1%
2.9%
禿2.8%
2.6%
2.5%
2.4%
2.0%
1.9%
1.6%
1.6%
1.6%
1.4%
1.3%
1.3%
1.2%
1.2%
1.2%
1.2%
1.0%
1.0%
1.0%
0.9%
0.9%
0.9%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
0.6%
0.6%
0.6%
0.5%
0.5%
0.5%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.0%
0.0%
匍匐0.0%
嘔吐0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
𫝼0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
媿0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
車輪0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まことにつまらない思いで、湯槽からい上って、足の裏のなど、落して銭湯の他の客たちの配給の話などに耳を傾けていました。
トカトントン (新字新仮名) / 太宰治(著)
この雨にふり籠められたばかりでなく、旅絵師の澹山は千倉屋の奥の離れ座敷に閉じ籠って、当分は再び草鞋穿きそうもなかった。
半七捕物帳:33 旅絵師 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
青いペンキのげかかった木造の二階建になった長い長い洋館で、下にはたくさんの食糧品を売る店がごたごたと入口を見せていた。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そのそばにえている青木ずんで、やはり霜柱のためにんではだらりとれて、なくいているのでありました。
小さな草と太陽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのそばにえている青木ずんで、やはり霜柱のためにんではだらりとれて、なくいているのでありました。
小さな草と太陽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
四百人弓矢を帯びて三重に兎どもを取り巻き正使副使と若干の大官のみ囲中に馬をせて兎を射、三時間足らずに百五十七疋取った。
帆村は、短くなった洋杖を、今開いた引戸の敷居にしっかりめこんだ。この秘密の引戸が再び閉まらないようにするためであった。
千早館の迷路 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何のいかあわてて煙草を丸め込みその火でまた吸いつけて長く吹くを傍らにおわします弗函の代表者顔へ紙幣った旦那殿はこれを
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
ついては、槌屋から暇をとって早速帰って来いという話が来たために、治郎吉の立つ四、五日まえから、お仙は、眼をらしていた。
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひたっと、体を、牢格子のへ押しつけた蔵六の手は、わなわなと、腰の鍵を外していた。ガチッと、掌のなかで、錠のねた。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それから、ね上がる。寝台の鉄具にぶつかる。椅子にぶつかる。暖炉にぶつかる。そこで彼は、勢いよく焚口の仕切り戸をける。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
坂を下りた処の店は狭いのですが、年を取った頭の禿げた主人が、にこやかで気安いのでした。そこへもちょいちょい立止りました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
ここに香坂の王、歴木に騰りいまして見たまふに、大きなる怒り猪出でて、その歴木を掘りて、すなはちその香坂の王をみつ。
医者は病人の様子を見て、脈を取って今血をいたばかりのところだから、しい診察は出来ないと云って、色々養生の事を話した。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
岩松は一生懸命弟の爲に辯解しましたが、結局、弟の上にかゝる疑ひは、容易にれるものでない事を呑込まされただけの事でした。
やがて、あちらのを、海岸へまわるとみえて、一汽笛が、へひびくと、がしだいにかすかにえていきます。
とうげの茶屋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
魚眼というりのある眼、りのふかい鼻すじ、の形、いい唇、個々に見れば見るほど、なおどこかで記憶のある女の顔であった。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
... その代り玉子は人工孵卵器で孵化させなければなりません」老紳士「鶏小屋の掃除はどうします」中川「毎日一度ずつ中をいてを ...
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
と、それは蝋引きのベル用の電線で、この天井裏をい廻っている電灯会社の第四種電線とは、全然別種のものであることが判明した。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すがすがしい天気で、青々大空れていましたが、その奥底に、ったたいがじっと地上をのぞいているようなでした。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
ね返す力がないわけではないのに、ひつきりなしに先手を打たれるのは、必ずしも年齢の差によるものとばかりは思はれなかつた。
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
其頃東京むとき、にしては、んど使たしてゐた。福岡生活前後じて、中々苦鬪であつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おそらく、二人若者は、そのいたであろうけれど、自分意地悪さをじたのか、こちらをずにいってしまいました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
カアカア、アオウガアガアガア、と五六濡色ぶ。ぐわた/\、かたり/\と荷車
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「税金がまた穴ん中にあの方を突き墜したことになるのね。やっとい上ったところを、頭から無理やりに突き戻して了ったのね。」
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
その人が玄関からはいったら、そのあとに行って見るとは一つ残らずそろえてあって、は傘で一隅にちゃんと集めてあった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
嫌だからとて「瓢箪川流れ」のごとく浮世のまにまに流れて行くことはある者のしとせざるところ、むしろずるところである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
あわてて二階へせ上って、かいがいしく雨戸を繰りはじめましたが、兵馬はなにげなく二階を見上げますと、いま戸を立てた女は
その儒教倫理(とばかりは言えない。その儒教道徳と、それからややみ出した、彼の強烈な自己中心的な感情との混合体である。)
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
平次の言葉を静かに聴き入っているうちに、お町の眼の色が次第に力がせて顔には死の色がサッとかれているではありませんか。
「ほんまは光ちゃん『電話かけたのんに何でよ帰って来えへんねん! 姉ちゃんの方がよっぽど実意ある』いうて怒りやはるねん」
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
云い云い姉小路卿は立ち上がり、人形箱の側へ行き、男雛のいている太刀の柄の、金剛石へ手をいれて、グッと強く一押しした。
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
金襴の帯が、どんなに似合ったことぞ、黒髪に鼈甲と、中差しとの照りえたのが輝くばかりみずみずしく眺められたことぞ。
大橋須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ろしいをむきだした、茶と白のブチ犬が、アシのあいだをつき進んでくるのを見ますと、それこそのちぢまる思いをしました。
武蔵の手には、低く持ったがキラキラと陽の光をねている。そして、飛び上がって仆れたなり山添団八はもう起たないのである。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝になっても、体中がれふさがっているような痛みを感じて、お島はうんうんりながら、寝床を離れずにいるような事が多かった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「お前はお嫁になることもできないで、おんだされたのをじないの。まだ人の家の財産を自分の所有にしているつもりなの。」
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
畳の上を膝でずっているさばきのの下から、東京好みの、木型のような堅い白足袋をぴちりとめた足頸が一寸ばかり見えた。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
海をも山をも原野をもた市街をも、我物顔に横行濶歩して少しも屈托せず、天涯地角到る処に花のしきを嗅ぎ人情の温かきに住む
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
わけて義貞はえを好む。見得を大事に思う。で、大将の気を映して、軍は破竹の勢いをしめし、次の日もさらに南下をつづけていた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五時頃から滿と健はもう目をして、互いのの中から出す手や足を引張り合つたり、ぜるやうな呼び声を立てたりして居た。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「どうだかね。ああくようじゃ」と三沢は答えた。その表情を見ると気の毒というよりむしろ心配そうなある物にえられていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
で、そこだけが窪んでいて、二つのめ込まれていて、その珠の中央に、が点ぜられていた。それはそっくり眼であった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何を他人がましい、あなた、と肩につかまった女の手を、背後ざまにねたので、うんにゃ、愚痴なようだがお前にはがある。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
戦国の英雄が諸州にした頃であったから、長柄の流行は、を極めて、戦場ばかりでなく、平時でも引っ提げて歩く者があった。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届であり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深くずるのであります。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
頭がげるから、食ふ事、飲む事、寝る事、頭の兀げる事、その外そんな馬鹿らしい事を、一々のべつに考へてゐなくてはならないと云ふのですか
と、の頬でもるような平手の一を食らわせた。なんでたまろう、二つの体は仲よく躍ッてりの中へ飛んでいった。刹那。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宗助は、うですかとつて、たゞつたのなすがにしていた。すると器械をぐる/\して宗助めた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そして喰べ酔つた友達を見つけると、こんな不心得者を自分の巣から出したのをぢるやうに、何かひそひそ合図でもしてゐるらしかつた。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
つまり表通りや新道路の繁華な刺戟に疲れた人々が、時々、刺戟をずして気分を転換する為めにれ込むようなちょっとした街筋——
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
口から炎でも吐くように、ちきれそうな血を、体から少し捨ててでもしまいたいような心地だった。城太郎のように、暴れ出したかった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その前後には何十の馬に乗って居るところのシナ官吏が、今日をれと立派な官服を着飾って前駆護衛をなして行く。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
なくしてちを得る者は非常の人、して、後世ぶ。罪ありてちをるる者は奸侫人一時に得て、名後世にず。定まりて人に勝つとはれなり
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
思へば戀てふ惡魔に骨髓深く魅入られし身は、戀と共に浮世に斃れんか、た戀と共に世を捨てんか、ぶべき只〻此の二つありしのみ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
私は梨の木に上つて果實の甘い液にナイフのをつける時も、ゐもりの赤い腹を恐れて芝くさのほめきに身をひたす時も
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
どうも是節は不景気でして、一向にういふものがけやせん。御引取り申しても好うごはすが、しかし金高があまり些少で。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
わが本隊の五艦は今や全速力をもって敵の周囲をせつつ、幾回かめぐりては乱射し、めぐりては乱射す。砲弾は雨のごとく二艦に注ぎぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
露置く百合の花などのに風を迎へたる如く、その可疑き婦人の術無げに挙らんとして、又れたるやうに遅疑ふ時
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
大御舟ててさもらふ高島の三尾勝野し思ほゆ」(巻七・一一七一)、「朝なぎに向けがむと、さもらふと」(巻二十・四三九八)等の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
暫くすると、激しい靴音がして独逸兵がを跳ね飛ばすやうな勢で入つて来た。農夫は両手の掌面めてゐた顔を怠儀さうにあげた。
……(、鴎、鴎に故郷はない。……も自分の故郷ではない、海も自分の故郷ではない。……今日もまた空の下のてない漂泊……)
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
鷹の羽をいだ古い征矢ですが、矢の根が確りして居り、それがベツトリ血に塗れて、紫色になつて居るのも無氣味です。
しかしもう主力をぐれた孤軍である。ついには随所で殲滅され、やがて夜の曠野には、その雄たけびもなくなっていた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は左を下にして横わったままきましたが、勢い余った血液は鼻腔の方からも突き出されて来て、顔の下半分はねばねばしたもので塗りつぶされました。
人工心臓 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「では、今夜は、根岸の鶯春亭でまっていますほどに、ねたらすぐにまいッてくれ。乗りものを待たせて置きますぞ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
こんな小さなだって、これはえば、電気のだ。る、押すか、一たび指が動けば、横浜、神戸から大船が一艘、波を切って煙をくんだ。喝!
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
佐嘉勢腰に藁注連平戸勢者大小鞘に白紙三つ巻島原勢者左の袖に白紙大村勢は背三縫に隈取紙を付け各列を定め出歩之刻限を極め暮に及相図を
島原の乱雑記 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
濠はそれに併行して、幅は二間をこえ、通例のもの以上築土も高い。いわゆる町の城廓のそれとなき様式をこの本山日蓮宗八の寺域もまた踏襲していた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
霧は次第に濃く群がってその草原の上をっている。其処此処に大小の小屋が眼に這入る、今の草刈どもの泊る小屋に違いない。
木曽御嶽の両面 (新字新仮名) / 吉江喬松(著)
もしそれをこの手紙にけさせることが許されぬとすれば、小生はその言葉で窒息するだろうからであります……
トリスタン (新字新仮名) / パウル・トーマス・マン(著)
もと白粉えなくゆる天然色白をこれみよがしにのあたりまでくつろげて、烟草すぱ/\長烟管立膝無作法さもめるのなきこそよけれ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
雪のごと湧きてばたくまつ白の蝶には暗きさざなみの列
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
助「馬喰町にも知った者は有るが、を忘れたから、春見様が丁度彼所に宿屋を出して居るから、今着いて荷を預けて湯にいりに来た」
うららかなの声と鳥の楽が混じり、池の水鳥も自由に場所を変えてさえずる時に、吹奏楽が終わりの急なになったのがおもしろかった。
源氏物語:24 胡蝶 (新字新仮名) / 紫式部(著)
なお、「石走る垂水の水のしきやし君に恋ふらく吾がから」(巻十二・三〇二五)という参考歌がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
モミヅは其頃行四段にも活用しをまた行に活用せしめた。「もみだひにけり」は時間的経過をも含ませている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
畑の中には大きな石がゴロゴロしている。家の廻りには天秤棒、下駄など、山で荒削りにされたまま軒下に積まれてある。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)
「僕にも近頃流行るまがい物の名前はわからない。贋物には大正とか改良とかいう形容詞をつけて置けばいいんだろう。」と唖々子は常になさない。
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
其の代り手前を横須賀へ女郎にめて、己もそれだけ友達に顔向けの出来るようにしなければならねえ、覚悟しろ此の坊主え奴と、まア斯ういう訳になるのだ
自分も相当の好きらしく時々寺銭をっているそうなが、不思議な事にこの坊主を負かすと間もなく、御本堂がユサユサと家鳴り震動して天井から砂が降ったり、軒の瓦がったりする。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
仙「は通りがゝりのものだが、見兼たから這入ったのだ、え町人を斬るのるのと仰しゃるが、弱えものを助けるのが本当のお侍だ」
しきものを忘れゆくあさに夕なに。
忘春詩集:02 忘春詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
さてそれから、チェリーは室内をいまわって、魔薬の入った煙草を探した。に煙草の隠匿場所がわかって、八本の特製のゴールデン・バットを手に入れた。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
九月の四日に文治に拳骨でり倒されまして、目が覚めたようになってりにいで、此の長家へ越して来たと見えて、夜具縞褞袍を着て、刷毛を下げまして帰って来まして
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
例えていうならば、今日までの自分の心神や肉体という物は、ちょうど、りつめている厚氷のようなものであったと思う。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と云いながら側へ近寄ると、病人は重い掻巻退けて布団の上にちゃんと坐り志丈の顔をジッと見詰めている。
紙鳶挙ぐる子供の、風の神弱し、大風吹けよと、謡ふも心憎しなど、窓に倚りて想ひを碧潭孤舟せ、眼に銀鱗の飛躍を夢み、寸時恍惚たり。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
「なほなほに」は、「直直に」で、素直に、尋常に、普通並にの意、「ふ葛の引かば依り来ねなほなほに」(巻十四・三三六四或本歌)の例でも、素直にの意である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
彼女はるロンドンの下町から地下鉄やバスに乗って、此の男達に連られて来たのであった。
決闘場 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
姫が本国で和邇を族霊とし和邇の後胤と自信せる姫が子を産む時自ら和邇のごとく匍匐ったのであろう、言わば狐付きが狐の所作犬神付きが犬神の所作をし
上から上から這いかかり乗りかかる。怪我をする。血を流す。嘔吐く。気絶する。その上から踏みる。警官も役人も有志も芸妓も有ったもんじゃない。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
が、老人らしくもなく、手出ししてねられたという照れ臭さが、寝巻きの肩のあたりに見られた。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
道は白々と広く、夜目には、芝草のって居るのすら見える。当麻路である。一降りして又、大降りにかかろうとする処が、中だるみに、ややくなっていた。梢のったの木の森。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
みどり兒は怖々と、あちら向きつつ蟲を
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
この弥次郎という青年は、いろいろな点から調べてみましても、どうも、そのっきりした身分とか身許とかが、分らぬのであります。明確なところが少いのであります。
炭団の頭をって見な、まだ少しは火が有るだろう、泡ア喰ってまた川の中へポカリをきめちゃアいけねえよ、そんな事をするとへふん縛るよ、いか、紛失った物は出るような工夫をするから
なあに、武男さんはまだ帰って来ないから、相談も納得もありゃしないが、お浪さんがまた血をいたンだ。ところで御隠居ももうだめだ、武男が帰らんうちに断行するといっているそうだ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
家臣たちは、井戸水を揚げて、大きなに水をった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹乘りの玉之助は、太夫元の權次郎と少し離れた裏口で立話をしてゐると、丁度騷ぎが起つたと言ふよ、——權次郎は毎日二度晝少し過ぎて、夜の興行がねる頃樣子を見に來るんだ
光治自分につれて、小鳥がいっしょになってさえずるのを自慢にしていました。いま、少年いた小鳥は、からばたきをしてつのではないかとわれました。
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、この女のすぐ後からげた黒い服を来た一人の男が随いて這入った。二人の女も互に顔見合せて吃驚したものだが、この男は二人を見て同じように吃驚した。
曾は家を没収せられ雲南軍にやられるということを聞かされて驚きおそれていると、やがて数十人の剣を帯びを操った武士が来て、そのまま内寝へ入って曾の衣冠をいで、妻といっしょに縛った。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
是れは何も馬が多助のを取ったという訳ではございません、馬は鼻の先へ閃めくの光りに驚いてね出し、おえいを引倒し丹三郎を噛殺すような訳になるも天のしみで
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「女に喰いぐりはねえやな。お前が留守になりゃ、今度はもっと若い野郎が、上さんの食うから寝るまでいっさい世話するてえんだから、お前も安心してひき取んねえ。」
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
騎馬の兵士が大久保柏木小路を隊をなしてせ廻るのは、五月蠅いものである。五月蠅いではないにさわる。
麻多智大いに怒りのを起し云々、せ逐いてすなわち山口に至り、(杭)を標して堺の堀に置き夜刀神に告げていわく、これより以上は神の地たることを
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
すると荒削りの山の肌が、頂に近くひ松の暗い緑をなすつた所に、小さく一匹の獣が見えた。それが青猪と云ふ異名を負つた、日本アルプスに棲む羚羊であつた。
槍ヶ岳紀行 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
査大受は、勝に乗じて一挙に抜くべしと論ずる。先ず敵情如何と、査大受一軍をもって偵察に出かけた処が、州を過ぎた附近で、日本軍の斥候隊と遭遇した。
碧蹄館の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
三ツ岳から南、国境の大尾根は幾重の雲がみ合い重り合って、遠い空のてに銅色を帯びた雲の峰が強い日光に照り映えている。然し黒部の谷には一点の雲もない。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
明るいのは山のばかりではなかつた。地上はの数もよまれるばかりである。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
英米すれば、靡然として英米り、獨國勢力れば翕然として獨國き、佛國優位むれば、倉皇としてふならば、わが獨立體面何處にありや。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
長日月病床にしながら、公の身辺にべる者にさえ苦しき顔を見せなかったという。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「オヽ、梅子」とお加女は顧み「お前さんはだおつに御目にるんでしたネ、此方阿父の一方ならぬ御厚情にる、海軍の松島様で——御不礼無い様に御挨拶を」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
貴樣になるのだから、して病氣位てはならん病氣かしてやらなければ』とつてげましたことがあります。伸一先生して此意味舊式つたのではありません。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
が食えば野の草から、鳥がめば峰の花から、同じお稲の、同じ姿となって、一人ずつ世に生れて、また同一年、同一月日に、親兄弟、家眷親属、が身勝手な利慾のために、恋をせかれ
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
犬烏む。天皇此のぶ声を聞きて、心に悲傷す。群卿にして曰く、それ生くるときにみし所を以て亡者はしむ。これ甚だなり。それ古風といへども良からずば何ぞ従はむ。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
またかと、うるそうし召すやも知れませぬが、御先祖のことは、念仏申すよう、明けても暮れても、飯をむまも、お忘れあってはなりませぬ。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
草蔭の安努な行かむとりし道阿努は行かずて荒草立ちぬ (同・三四四七)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
篠田と老人とを乗せたる一は、驀地せぬ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
落霞紅抹万松裙(落霞紅にく万松の
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この山と山との間にさまれた小さな町に
今度はいうべき事もて用意して、じれッたそうに挿頭で髪をきながら、漸くの間隙を見附け、「公債は今幾何なの?」とさんでみれば、さて我ながら唐突千万! 無理では無いが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
じたりったりぎ合わせたり編んだりした木工品がく積みあげてある。
ふ蟲の災
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
半纏いだあとで、かぶりをつて、ぶらりとげると、すぐに湯氣とともにけて、一個ち、ぶくりといた茶色つて、そしてばちや/\とねた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
落ち目に蹴落された長崎屋は、いて噛みつくに相違ないのだ。あれたちはこれまで、あらゆる慾の世界で、合体して働いて来た、狼同士、二人とも泥のについて知り抜いているのだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
こういう土地柄ですから、女がどんな労働をしているか、大凡の想像はつきましょう。男を助けて外で甲斐々々しく働く時の風俗は、股引脚絆で、盲目縞手甲めます。りものは編笠です。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
義満の金閣寺に真似て、銀閣を東山に建てたが、費用が足りなくて銀がれなかったなど、有名な話である。
応仁の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
一人の予言者で間に合わなければ、多くの中から、御意に召した箇所を選び出し、御意に召さぬ箇所は勝手に放擲して、ここに継ぎぎだらけの、自家用の啓示録を製造する。
デンマルクの狂公子を通じて沙翁の歌ひたる如くに、我は天と地との間をひめぐる一痴漢なり、崇重なる儀容をなし、威厳ある容貌を備へ、く談じ、能く解し、能く泣き、能く笑ふも
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
上帝蛇をむの余りその四脚を去り、えに地上をい行かしむと。
婦人はあわただしくね起きて、急に居住まいをいながら
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
習ひもおさぬ徒歩の旅に、知らぬ山川をる/″\彷徨ひ給ふさへあるに、玉の、錦のもる風も厭はれし昔にひき換へて、露にも堪へぬかゝる破屋に一夜の宿を願ひ給ふ御可憐しさよ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
「新聞やラジオで発表されたドロシイ殺しの犯人の人相が、ホテリングさんにぴったり当てまる!」
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
大破壊によってひき起されるすさまじい騒音が、ものの半刻ばかり休みもなくつづいていたが、そのうちに木の枝でも𫝼ぜるような乾いた音とともに、えがらっぽい煙が胴ノ間に流れこんできた。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
慮外ながら此のわたりのに、近き頃へて都より來られし、俗名齋藤時頼と名告年壯き武士のおさずや』。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
『して其人は何處におする』。『そは此處より程からぬ往生院くる古き僧庵に』。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
それも今言いましたとおり、仕入れを誤ったのならばまだ気持の慰めようもございましたが、品物を廻した仲間内では、廻すや否や飛ぶようにけて
蒲団 (新字新仮名) / 橘外男(著)
まあま、この秋にはけねえでも、年が明けて春にでもなりゃ、花曲輪町あたりから買いに来んともかぎるめえ
蒲団 (新字新仮名) / 橘外男(著)
白糸は猿轡されて、手取り足取り地上に推し伏せられつ。されども渠は絶えず身をえて、えさんとしたりしなり。にわかに渠らの力はみぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜はますますけて、はいよいよ曇りぬ。湿りたる空気は重く沈みて、柳の葉末も動かざりき。歩むにつれて、足下より池にね込むは、を打つがごとく水を鳴らせり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今、日ぞ落つれ、夜れ。——
公孫樹 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「そりゃあ、あんまり酷だよ。僕だってそれ程教育家を悪く思っていやしないが、人を鋳型にめてえようとしているのが癖になっていて、をでもその鋳型に㟛めて見ようとするからね」
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
芝居がねていったん茶屋へ引き上げる時、お延はそこでまた夫人に会う事を恐れた。しかし会ってもう少し突ッ込んで見たいような気もした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
真実をかない態度とか、同情、愛というような私たち人間の感情を、古風な学問の範疇では道徳、倫理の枠に入れて考えて、科学とそういうものとは別々に云いもし、教えもしていた。
科学の精神を (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
女らしいぞと口の中で独語ながら、誰だ女嫌ひの親分の所へ今頃来るのは、さあ這入りな、とがらりと戸を引き退くれば、お世話、と軽い挨拶、提灯吹きして頭巾を脱ぎにかゝるは
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
物置の床をいで、暗い段々を下ると、中は石と材木で疊んだ道で、それを二三間行つたところにち果てた扉があつて、押し開けると中は四疊半ほどの黴臭臭い穴倉、一方の隅に寄せて
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
はそれをそつと大事めた。茶碗ての陶磁器熱火ねてつて一つでもつものはなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ところが自分は志村を崇拝しない、今に見ろという意気りとげんでいた。
画の悲み (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ある家のじとみ(小窓)から鼠鳴きをして(浅草の六区や玉の井の女が鼠鳴きして客をよんだが、これは古代からのならわしである)
女強盗 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
一言のもとにねつけておしまいになり、可愛いい松吉の顔を見て下さらないばかりか、最後には脅迫だとて、花の父を警官の手にお渡しになりました。
美人鷹匠 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
「眼が廻る! ……動悸がする! オレ死にそうだ、どうも変だ! ……血が頭に流れる! ……アッ、アッ、き気を催して来た」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と、と殿樣片膝てたまへば、唯唯れながら、打槌はづれても、天眼鏡淨玻璃なり、ありて、ならでは、殿御手し、とらずこそしけれ。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と云いさま、ガアッとの若侍の顔にき付けました故、流石に勘弁強い若侍も、今は怒気一度にわれ
啄木鳥の木をつついている。四十雀が枝をくぐっている。閑古鳥が木の股でいている。そうして池には蛙がいる。おはぐろとんぼが舞っている。
畳まれた町 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此處では勿論人々は獨逸語をなすのである、が、それに關まはず佛蘭西語で話し掛けると、ちよつとためらふが、直ぐ佛蘭西語で返答をする。
山岳美観:02 山岳美観 (旧字旧仮名) / 吉江喬松(著)
夏麻引く海上潟の沖つ洲に鳥はすだけど君はもせず」(巻七・一一七六)、「吾が門のもりむ百千鳥千鳥は来れど君ぞ来まさぬ」(巻十六・三八七二)というのがあって
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「彼が正直であったのが、皆は不平なのだ! 若し、一ヵ処でも掛け先を、ごまかしてでもいたら、どんなにしゃぐつもりだったのだ!」
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「あぶねえ。大谷川まるなよ」
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
拍子抜してれる貫一は、心私にその臆測のなりしを媿ぢざるにもあらざれど、又これが為に、ちに彼の濡衣剥去るまでに釈然たる能はずして、好し
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
此時天一坊の裝束には鼠琥珀紅裏付たる袷小袖の下には白無垢ねて山吹色素絹紫斜子指貫蜀紅錦袈裟を掛け金作鳥頭の太刀をし手には金地の中啓爪折傘
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
アイじゃ可笑いわ、ウンというンだわ、と教えられて、じゃ、ウンと言って、可笑くなって、不覚笑い出す。此方が勘ちゃんに頭をられるより余程面白い。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
御伺いすると、あの場合御難儀たのは、矢張りあの御神剣のおだったそうで、ゆるがその御鞘われると同時
やあ火の玉の親分か、わけがある、打捨っておいてくれ、と力を限り払いけんと焦燥るを、栄螺のごとき拳固鎮圧め、ええ、じたばたすればり殺すぞ、馬鹿め。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
床の間の掛軸が、バラ/\と吹き捲られて、ね落ちると、ガタ/\と烈しい音がして、鴨居の額が落ちる、六曲の金屏風が吹き倒される。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
そっと両手でさんで、往来のみへ置いてやりましたが、蛙は疲れているのか、道ばたに呆んやりつくばったままでいますので、より江はひしゃくに水をんでぱさりと
(新字新仮名) / 林芙美子(著)
おばさんがんどひとりで話し手になっていたが、無口なおじさんもときどきそれへ短い言葉をさんだ。……
花を持てる女 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
寄席ねて少時は街ぱいになつて歩く汚れた服の労働者のに混つて帰つた。(一月十五日)
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
運慶は今太い一寸の高さに横へ彫り抜いて、鑿の歯をに返すや否やすに、上から槌をした。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夏八月の海のこととて、水も穩であり、殊にそんな湖水のやうな入江であつたので釣り糸の下の海草の搖ぐさままでもつきりとよく見えるのである。
雪をんな(二) (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
ここにその一言主の大神、手打ちてその捧物を受けたまひき。かれ天皇の還りいでます時、その大神、山のにいはみて、長谷の山口に送りまつりき。
の爺様の代に此店の先代という人にうまうま一杯められて——ああ口惜しい
ここにその國主一二みてしてさく、「今よ後、天皇の命のまにまに、御馬甘として、年のに船めて船腹さず、柂檝乾さず、天地のむた、退きなく仕へまつらむ」
「ああ、腹がった」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
胡座いた虚脛み出るのを気にしては、着物のでくるみくるみっている。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
そりゃ刃物け、棒切一本持たいでも、北海道釧路の荒土をねた腕だで、この一つでな、ア胴へ滅込まそうと、……ひょいと抱上げて、ドブンと川にめる事の造作ないも知ったれども
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いま気がついて、ムカムカとを催しても、彼の喰った栄螺は、もはや半ば以上消化され、胃壁を通じて濁った血となったのだった。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あれに嫉妒を加えたら、どうだろう。嫉妒では不安の感が多過ぎる。憎悪はどうだろう。憎悪はげし過ぎる。? 怒では全然調和を破る。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
然し、孫娘の光子にはそんな懸念は露程もないと見え、朝から家を外にの、乳母子のようなしゃぎ方。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
室宇宏麗後房數百人舞妓綺紈り、金翠む。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いっそうそれより処士横議、自由に見させ自由にいわせ、自由に聞かせた方がいいではないか。遙かにその方が安全だ。け口を作ってやるのだからな。……ところでここはどこだろう?
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
りしが父なる者の云るには今度は江戸向の大家のまれしが有ては相談も出來ねば押隱結納
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
扨又春は即ち張るで有つて、木の芽も草の芽も皆張り膨らみて、萬物盡く内より外にり、水も四澤に滿つる程である。故に一年の中、春はおのづからにして人の氣も張るのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
おや、山に十の字の焼印があるね、沢庵樽ぢやアないか。金「だか知れませぬが井戸端に水がつてあつたのをしてましたが、ナニに明けてお返します。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
し、し、あまりにゆし
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
何時かはれるだらう。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
監督は、質問の意味を飲み込むことができるとたと答えに窮したりした。
親子 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
定「ナニ寄る気でもないんですが、近いから、あのお寺の前を通ると曲角のお寺だもんですから、よく門のなんぞをいてゝ、久振だ、お寄りなてえから、ヘイてんで朋輩だから寄りますね」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
幸助五六歳のころ妻の百合が里帰りして貰いきしその時りつけしまま十年余の月日ち今は薄墨塗りしようなり、今宵は風なく波音聞こえず。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
が、それでもは、ひそやかにずれよりもかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
十禅師の辻で、人々が、戦のように騒ぎ合っているので、何事かと行ってみたら、綽空と玉日の前とが、この吉水へ参るとて、に乗り、町を、でやかに打たせてきたので凡下どもは激昂
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信濃路墾道刈株ましむな 〔巻十四・三三九九〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
となってって吹き出して来て、こっちの部屋に押しひろがり木の葉や枝に蔽われているが、しかし、さすがに昼の光によって、明るく窓のように見えているところの
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
身體れを自分でもつた。持病僂麻質斯執念何處かをみつゝあるやうにじた。季節になればひをめた持病れてらなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一壁崩壞して、枯髏殘骨の露呈せる處に、葡萄のひ來りて、半ばそを覆ひたるは、心ありてこの悲慘の景を見せじとするにやとさへ思はれたり。
宗近君の車が、小野さんの下宿の前で、車輪を留めた時、小野さんはちょうど午飯を済ましたばかりである。が出ている。飯櫃も引かれずにある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たとえばその鬱勃としたものが、手軽に云えば髪形の上や服装の上などにけ口が出来ているでしょう。
新時代女性問答 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
成る限り大切を取って極々の内密に、しかも出来るだけよう下手人を探し出せと言う大目付からの御内達で、お係りのお目付、松倉十内も往生、垂れ冠って御座る。
その隙に、藤岡は、足音を立てぬやうに、次の窓にひ寄つた。すると、銃先は、正確に、彼の移動する線に添つて、なめらかに、左から右へ廻転した。
髪の毛と花びら (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
其後姿を見送つた目を、其処に置いて行つた手紙の上に移して、智恵子はと呼吸をした。神から授つた義務をたした様な満足の情が胸に溢れた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
味噌をかったり、それでも手のすいているときは、炭の粉でせっせと炭団を丸めたりした。
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
川幅はあまり広くない。底は浅い。流れはゆるやかである。って、水の上をって、どこまで行くか、春が尽きて、人が騒いで、ち合せをしたがるところまで行かねばやまぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おれは何でもこれは福の神に違いないと思っていて行って見ると、この街の真中の四辻に来て神様は、地面の上を指してそのまま消えてしまった。見るとそこには金剛石めた金の指環が……
正夢 (新字新仮名) / 夢野久作萠円(著)
ここには煩わしきをって言えぬが大要今日の鶴嘴様に曲ってその中央に柄が付いた鋤を佐比と言い、そのごとく曲った刀を鋤鈎というたとう、中古にも紀朝臣佐比物
其處じた。の四青竹つたんだ注連がひら/\ときながら老人等つに私語くやうにえた。陽氣へ一かなた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
べて鳥の身体は五つに載り別けるのが法です。大きい鳥でも小さい鳥でも法則の通り五つに別けて行けば極く楽に肉や骨がなれますけれども一つ法にれると肉が骨へついて始末になりません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
大抵はげた頭の後の方に、黄茶色の細い毛が少しばかり並んで居る。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)