“刷毛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はけ90.3%
ばけ2.2%
ブラシ2.2%
ブラツシ1.5%
ブラッシ0.7%
ぶらし0.7%
パンソウ0.7%
ブラシュ0.7%
ブラッシュ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朝食のあとすぐ、家扶の木下老人に細川紙を出して貰い、版木やばれんや色壺や皿や刷毛はけなどをそろえ、用部屋で罫紙を刷りに掛った。
恋の伝七郎 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そのほかおしろい刷毛ばけにした兎の手だの、骨のたつたとき喉をさする鶴の嘴だの、目貫めぬきをどうとかする真鍮の才槌だの
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
髪に刷毛ブラシをかけ、帽子をかぶり、伸子はいつもより少し蒼ざめた顔で外へ出た。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
帰りには、函樽かんそん鉄道開通三日目と云ふに函館まで二等車に乗りて、列車ボーイの慇懃いんぎんなる手に取られ、刷毛ブラツシに塵を払はれたる事もあり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
刷毛ブラッシの音がやんでもなかなか六畳から出て来ないので、また行って見ると、薄暗い部屋の中で、御米はたった一人寒そうに、鏡台の前にすわっていた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
脚とても同様小つこくて洗ふ処があらへん訳だ。随つて暇潰しに同じ部分を擦る、痛い、それに脚の刷毛ぶらしは背の刷毛よりも余程毛が硬相かたさうだ。
相撲の稽古 (新字旧仮名) / 岡本一平(著)
おれの左の手にはまだ画板パレツト刷毛パンソウとを持つて居た。
素描 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
私は黒い毛織の旅行服に刷毛ブラシュをかけ、帽子と手套てぶくろとマフとを用意し、何も後に殘らないようにと抽斗ひきだし全部を改めて、全く、もう何もすることがなくなつたので腰かけて休まうとした。
刷毛ブラッシュをかけたり、上塗りするやら、絨毯をはたくやら、がくをはづしたり掛けたりするやら、鏡や吊燭臺ラスターに磨をかけたり、寢室にけたり、敷布や羽根蒲團を爐の上に乾したり——そんなことは