岡本一平（おかもといっぺい）
1886.06.11 〜 1948.10.11
著者としての作品一覧
怪物と飯を食ふ話（新字旧仮名）
読書目安時間：約5分
死んだ小説家の獨歩は天地に驚き度いと申しました。わたくしのは少し違ひます。時々呆れるやうなものに打つからぬと生命が居眠りをして仕舞ふのです。 ふと相撲場へ行きました。出羽嶽といふ力 …
怪物取組画譜：出羽ヶ嶽その日その日（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
第一図 つまらなくて、だれた国技館の中にたゞ一つ、つまつて吃驚するものがある。それは幕下二枚目、出羽ヶ嶽君の巨躯だ。彼は身長六尺五寸、体量四十二貫あるそうな。象のやうな身体を猫背に …
相撲の稽古（新字旧仮名）
読書目安時間：約5分
今度は相撲の稽古を思ひ立ち師匠には大錦卯一郎君を見立てた。何も素人の痩つぽちを弄くつて貰ふのに斯程の大力士を煩はさんでもよいのである。併し稽古の始めは大抵抛り出されて許り居るに決ま …
非凡人と凡人の遺書（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
牛や魚は死ぬ時遺言しない。鳥や松の木も死ぬ時遺言しない。遺言するのは人間だけである。死ぬ時自分以外に他あるを顧みて其処に何か責任上の一言を遺して置く。これ人間が万物の霊長たる由縁で …
坊つちやん「遺蹟めぐり」（新字旧仮名）
読書目安時間：約21分
予は今備後の鞆の津より松山へ渡る汽船の甲板の上で意気込んで居る。何の意気込だ。夏目先生の『坊つちやん』の遺蹟を探らうとしての意気込みだ。 『坊つちやん』はたして実在の人だつたか？こ …