北原白秋
1885.01.25 〜 1942.11.02
“北原白秋”に特徴的な語句
熱
噎
死
木群
嘖
扇骨木
坐
凍
静
落葉松
声
光
窮
虎杖
石
青
女童
女
女
潜
館
潮
多
外目
噴水
挑
真赤
絃
皇子
幽
閑
赤
一夜
雑草
氷雨
黒
谷地
哭
愛
朱
明
騰
紅
顫
闌
表
現
熟視
血
入
著者としての作品一覧
愛の詩集:02 愛の詩集のはじめに(新字旧仮名)
読書目安時間:約15分
室生君。 涙を流して私は今君の双手を捉へる。さうして強く強くうち振る。君は正しい。君の此詩集は立派なものだ。人間の魂で書かれた人間の詩だ。さうしてここに書かれた君の言葉は尽く人間の …
読書目安時間:約15分
室生君。 涙を流して私は今君の双手を捉へる。さうして強く強くうち振る。君は正しい。君の此詩集は立派なものだ。人間の魂で書かれた人間の詩だ。さうしてここに書かれた君の言葉は尽く人間の …
浅草哀歌(新字旧仮名)
読書目安時間:約2分
われは思ふ、浅草の青き夜景を、 仲見世の裏に洩るる短夜の葱のむせびを、 公園の便所の瓦斯を、はた、澄めるアルボースの香を。 あはれなる蛇小屋の畸形児を、かつは知れりや、 怪しげの二 …
読書目安時間:約2分
われは思ふ、浅草の青き夜景を、 仲見世の裏に洩るる短夜の葱のむせびを、 公園の便所の瓦斯を、はた、澄めるアルボースの香を。 あはれなる蛇小屋の畸形児を、かつは知れりや、 怪しげの二 …
海阪(新字旧仮名)
読書目安時間:約1時間15分
大正十二年二月一日午後、何処といふあてもなくアルスの牧野君と小田原駅から汽車に乗つた。その車室に前田夕暮君が居た。何処へ行くと訊かれたのでまだわからぬと答へた。君はと云つたら大島へ …
読書目安時間:約1時間15分
大正十二年二月一日午後、何処といふあてもなくアルスの牧野君と小田原駅から汽車に乗つた。その車室に前田夕暮君が居た。何処へ行くと訊かれたのでまだわからぬと答へた。君はと云つたら大島へ …
お月さまいくつ(新字旧仮名)
読書目安時間:約4分
お月さまいくつ。 十三七つ。 まだ年や若いな。 あの子を産んで、 この子を産んで、 だアれに抱かしよ。 お万に抱かしよ。 お万は何処へ往た。 油買ひに茶買ひに。 油屋の縁で、 氷が …
読書目安時間:約4分
お月さまいくつ。 十三七つ。 まだ年や若いな。 あの子を産んで、 この子を産んで、 だアれに抱かしよ。 お万に抱かしよ。 お万は何処へ往た。 油買ひに茶買ひに。 油屋の縁で、 氷が …
思ひ出:抒情小曲集(旧字旧仮名)
読書目安時間:約1時間46分
この小さき抒情小曲集をそのかみのあえかなりしわが母上と、愛弟 Tinka John に贈る。 Tonka John. …………時は逝く、何時しらず柔らかに影してぞゆく、 時は逝く、 …
読書目安時間:約1時間46分
この小さき抒情小曲集をそのかみのあえかなりしわが母上と、愛弟 Tinka John に贈る。 Tonka John. …………時は逝く、何時しらず柔らかに影してぞゆく、 時は逝く、 …
海豹と雲(新字旧仮名)
読書目安時間:約52分
風格高うして貴く、気韻清明にして、初めて徹る。虚にして満ち、実にしてまた空しきを以て、詩を専に幻術の秘義となすであらう。 鳥の翺る、ただに尋常の行であらうか。海豹の水に遊ぶ、誰かま …
読書目安時間:約52分
風格高うして貴く、気韻清明にして、初めて徹る。虚にして満ち、実にしてまた空しきを以て、詩を専に幻術の秘義となすであらう。 鳥の翺る、ただに尋常の行であらうか。海豹の水に遊ぶ、誰かま …
風見(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
ほのぼのと軋むは 屋根の風見か、矢ぐるま、 まんじりともせぬわがこころ、 わかれた夜から、夜もすがら、 まだ、あかつきの空かけて、 きりやきり、きりやほろろ。 …
読書目安時間:約1分
ほのぼのと軋むは 屋根の風見か、矢ぐるま、 まんじりともせぬわがこころ、 わかれた夜から、夜もすがら、 まだ、あかつきの空かけて、 きりやきり、きりやほろろ。 …
観相の秋(新字旧仮名)
読書目安時間:約38分
虚と実とは裏と表である。実にして虚、虚にして実なるが故に尊い。何れは先づ実相のまことを観、観て、深く到り得て、更に高く離れむ事をわたくしは願つてゐる。 実相に新旧のけぢめは無い。常 …
読書目安時間:約38分
虚と実とは裏と表である。実にして虚、虚にして実なるが故に尊い。何れは先づ実相のまことを観、観て、深く到り得て、更に高く離れむ事をわたくしは願つてゐる。 実相に新旧のけぢめは無い。常 …
観想の時:――長歌体詩篇二十一――(新字旧仮名)
読書目安時間:約19分
天地の闢けしはじめ、成り成れる不尽の高嶺は白妙の奇しき高嶺、駿河甲斐二国かけて八面に裾張りひろげ、裾広に根ざし固めて、常久に雪かつぐ峰、かくそそり聳やきぬれば、厳しくも正しき容、譬 …
読書目安時間:約19分
天地の闢けしはじめ、成り成れる不尽の高嶺は白妙の奇しき高嶺、駿河甲斐二国かけて八面に裾張りひろげ、裾広に根ざし固めて、常久に雪かつぐ峰、かくそそり聳やきぬれば、厳しくも正しき容、譬 …
木曾川(新字新仮名)
読書目安時間:約52分
「ほら、あれがお城だよ」 私は振り返った。私の背後からは円い麦稈帽に金と黒とのリボンをひらひらさして、白茶の背広に濃い花色のネクタイを結んだ、やっと五歳と四ヶ月の幼年紳士がとても潔 …
読書目安時間:約52分
「ほら、あれがお城だよ」 私は振り返った。私の背後からは円い麦稈帽に金と黒とのリボンをひらひらさして、白茶の背広に濃い花色のネクタイを結んだ、やっと五歳と四ヶ月の幼年紳士がとても潔 …
雲母集(新字旧仮名)
読書目安時間:約35分
きらら。雲母。うんも。玉のたぐひにて、五色のひかりあり。深山の石の間にいでくるものにて、紙をかさねたるごとくかさなりあひて、剥げば、よくはがれて、うすく、紙のやうになれども、火にい …
読書目安時間:約35分
きらら。雲母。うんも。玉のたぐひにて、五色のひかりあり。深山の石の間にいでくるものにて、紙をかさねたるごとくかさなりあひて、剥げば、よくはがれて、うすく、紙のやうになれども、火にい …
桐の花(新字旧仮名)
読書目安時間:約1時間27分
わがこの哀れなる抒情歌集を誰にかは献げむ はらからよわが友よ忘れえぬ人びとよ 凡てこれわかき日のいとほしき夢のきれはし Tonka John 27. Ⅴ. 10 桐の花とカステラの …
読書目安時間:約1時間27分
わがこの哀れなる抒情歌集を誰にかは献げむ はらからよわが友よ忘れえぬ人びとよ 凡てこれわかき日のいとほしき夢のきれはし Tonka John 27. Ⅴ. 10 桐の花とカステラの …
桐の花とカステラ(新字旧仮名)
読書目安時間:約7分
桐の花とカステラの時季となつた。私は何時も桐の花が咲くと冷めたい吹笛の哀音を思ひ出す。五月がきて東京の西洋料理店の階上にさはやかな夏帽子の淡青い麦稈のにほひが染みわたるころになると …
読書目安時間:約7分
桐の花とカステラの時季となつた。私は何時も桐の花が咲くと冷めたい吹笛の哀音を思ひ出す。五月がきて東京の西洋料理店の階上にさはやかな夏帽子の淡青い麦稈のにほひが染みわたるころになると …
黒檜(新字旧仮名)
読書目安時間:約43分
黒檜の沈静なる、花塵をさまりて或は識るを得べきか。 薄明二年有半、我がこの境涯に住して、僅かにこの風懐を遣る。もとより病苦と闘つて敢て之に克たむとするにもあらず、幽暗を恃みて亦之を …
読書目安時間:約43分
黒檜の沈静なる、花塵をさまりて或は識るを得べきか。 薄明二年有半、我がこの境涯に住して、僅かにこの風懐を遣る。もとより病苦と闘つて敢て之に克たむとするにもあらず、幽暗を恃みて亦之を …
文庫版「芸術の円光」覚書(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
「芸術の円光」は昭和二年三月、アルスより刊行された。詩論集として、わたくしの「詩と音楽」時代を代表するものである。 初版は四六判本文五百三十頁、その装幀は自身の考案になつて、漆黒の …
読書目安時間:約1分
「芸術の円光」は昭和二年三月、アルスより刊行された。詩論集として、わたくしの「詩と音楽」時代を代表するものである。 初版は四六判本文五百三十頁、その装幀は自身の考案になつて、漆黒の …
古調月明集:01 月明二章(旧字旧仮名)
読書目安時間:約1分
鶯眠る花楮 月は翁の面のうへ 皷うてうておもしろく 春はふたたび花楮 秋はほのかに寢ざめして あはれと思ふ幾夜さぞ とすれば白う吹き立ちて 月夜の風も消えゆけり …
読書目安時間:約1分
鶯眠る花楮 月は翁の面のうへ 皷うてうておもしろく 春はふたたび花楮 秋はほのかに寢ざめして あはれと思ふ幾夜さぞ とすれば白う吹き立ちて 月夜の風も消えゆけり …
邪宗門(新字旧仮名)
読書目安時間:約1時間14分
父上に献ぐ 父上、父上ははじめ望み給はざりしかども、児は遂にその生れたるところにあこがれて、わかき日をかくは歌ひつづけ候ひぬ。もはやもはや咎め給はざるべし。 邪宗門扉銘 ここ過ぎて …
読書目安時間:約1時間14分
父上に献ぐ 父上、父上ははじめ望み給はざりしかども、児は遂にその生れたるところにあこがれて、わかき日をかくは歌ひつづけ候ひぬ。もはやもはや咎め給はざるべし。 邪宗門扉銘 ここ過ぎて …
書斎と星(新字旧仮名)
読書目安時間:約3分
『東京にはお星さんがないよ。』 と、うちの子はよく言ふ。 『ああ、ああ、俺には書斎がない。』 これはその父であるわたくし自身の嘆息である。 まつたく小田原の天神山はあらゆる星座の下 …
読書目安時間:約3分
『東京にはお星さんがないよ。』 と、うちの子はよく言ふ。 『ああ、ああ、俺には書斎がない。』 これはその父であるわたくし自身の嘆息である。 まつたく小田原の天神山はあらゆる星座の下 …
白南風(新字旧仮名)
読書目安時間:約1時間32分
白南風は送梅の風なり。白光にして雲霧昂騰し、時によりて些か小雨を雑ゆ。鬱すれども而も既に輝き、陰湿漸くに霽れて、愈〻に孟夏の青空を望む。その薫蒸するところ暑く、その蕩揺するところ、 …
読書目安時間:約1時間32分
白南風は送梅の風なり。白光にして雲霧昂騰し、時によりて些か小雨を雑ゆ。鬱すれども而も既に輝き、陰湿漸くに霽れて、愈〻に孟夏の青空を望む。その薫蒸するところ暑く、その蕩揺するところ、 …
白南風(旧字旧仮名)
読書目安時間:約1時間32分
白南風は送梅の風なり。白光にして雲霧昂騰し、時によりて些か小雨を雜ゆ。欝すれども而も既に輝き、陰濕漸くに霽れて、愈〻に孟夏の青空を望む。その薫蒸するところ暑く、その蕩搖するところ、 …
読書目安時間:約1時間32分
白南風は送梅の風なり。白光にして雲霧昂騰し、時によりて些か小雨を雜ゆ。欝すれども而も既に輝き、陰濕漸くに霽れて、愈〻に孟夏の青空を望む。その薫蒸するところ暑く、その蕩搖するところ、 …
真実(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
自ラノ真実ヲ真実トスルコト、 金ヲ金トシ悲シムコト、 吹ク風ノオノレソヨギ、 薔薇ト野菜ノムキムキニ咲キ、 鳥ノ飛ビ、魚ノオヨギ、虫ノ匍フコト、 男ヲンナノツツマシク連レ添フコト、 …
読書目安時間:約1分
自ラノ真実ヲ真実トスルコト、 金ヲ金トシ悲シムコト、 吹ク風ノオノレソヨギ、 薔薇ト野菜ノムキムキニ咲キ、 鳥ノ飛ビ、魚ノオヨギ、虫ノ匍フコト、 男ヲンナノツツマシク連レ添フコト、 …
真珠抄(新字旧仮名)
読書目安時間:約7分
心ゆくまでわれはわが思ふほどのことをしつくさむ。ありのまま、生きのまま、光り耀く命のながれに身を委ねむ。れうらんたれ、さんらんたれ。わがうたはまた、印度更紗の類ひならねど渋くつや出 …
読書目安時間:約7分
心ゆくまでわれはわが思ふほどのことをしつくさむ。ありのまま、生きのまま、光り耀く命のながれに身を委ねむ。れうらんたれ、さんらんたれ。わがうたはまた、印度更紗の類ひならねど渋くつや出 …
新頌(旧字旧仮名)
読書目安時間:約22分
男聲(獨唱竝に合唱) 神坐しき、蒼空と共に高く、 み身坐しき、皇祖。 邈かなり我が中空、 窮み無し皇産靈、 いざ仰げ世のことごと、 天なるや崇きみ生を。 國成りき、綿津見の潮と稚く …
読書目安時間:約22分
男聲(獨唱竝に合唱) 神坐しき、蒼空と共に高く、 み身坐しき、皇祖。 邈かなり我が中空、 窮み無し皇産靈、 いざ仰げ世のことごと、 天なるや崇きみ生を。 國成りき、綿津見の潮と稚く …
新頌(新字旧仮名)
読書目安時間:約32分
男声(独唱竝に合唱) 神坐しき、蒼空と共に高く、 み身坐しき、皇祖。 邈かなり我が中空、 窮み無し皇産霊、 いざ仰げ世のことごと、 天なるや崇きみ生を。 国成りき、綿津見の潮と稚く …
読書目安時間:約32分
男声(独唱竝に合唱) 神坐しき、蒼空と共に高く、 み身坐しき、皇祖。 邈かなり我が中空、 窮み無し皇産霊、 いざ仰げ世のことごと、 天なるや崇きみ生を。 国成りき、綿津見の潮と稚く …
神童の死(新字旧仮名)
読書目安時間:約10分
去年の秋、小田原の近在に意外の大惨虐が行はれた。恐らく、この吾が人生に於ける悲劇中の悲劇であらう。而かも私は、未だ曾てかゝる神聖無垢な殺人犯を見た事が無い。清純にして無邪、真実にし …
読書目安時間:約10分
去年の秋、小田原の近在に意外の大惨虐が行はれた。恐らく、この吾が人生に於ける悲劇中の悲劇であらう。而かも私は、未だ曾てかゝる神聖無垢な殺人犯を見た事が無い。清純にして無邪、真実にし …
新橋(新字旧仮名)
読書目安時間:約4分
私が東京に着いて一番に鋭く感じたのは新橋停車場の匂でした。門司ではバナナや鳳梨の匂を嗅ぎながら税関の前に出るとすぐ煤烟のなかを小蒸汽に乗つて関門海峡を渡つたので都会と云ふ印象よりも …
読書目安時間:約4分
私が東京に着いて一番に鋭く感じたのは新橋停車場の匂でした。門司ではバナナや鳳梨の匂を嗅ぎながら税関の前に出るとすぐ煤烟のなかを小蒸汽に乗つて関門海峡を渡つたので都会と云ふ印象よりも …
水郷柳河(新字旧仮名)
読書目安時間:約16分
私の郷里柳河は水郷である。さうして静かな廃市の一つである。自然の風物は如何にも南国的であるが、既に柳河の街を貫通する数知れぬ溝渠のにほひには日に日に廃れてゆく旧い封建時代の白壁が今 …
読書目安時間:約16分
私の郷里柳河は水郷である。さうして静かな廃市の一つである。自然の風物は如何にも南国的であるが、既に柳河の街を貫通する数知れぬ溝渠のにほひには日に日に廃れてゆく旧い封建時代の白壁が今 …
雀の卵(新字旧仮名)
読書目安時間:約1時間22分
「雀の卵」が完成した。いよいよ完成した。と、思ふと思はず深い溜息がつかれた。ほつとしたのである。 今、四校目の訂正をして、やつと済ましたところである。窓から見てゐると裏の小竹林には …
読書目安時間:約1時間22分
「雀の卵」が完成した。いよいよ完成した。と、思ふと思はず深い溜息がつかれた。ほつとしたのである。 今、四校目の訂正をして、やつと済ましたところである。窓から見てゐると裏の小竹林には …
全都覚醒賦(新字旧仮名)
読書目安時間:約6分
静かにすゝむ時の輪の 軋つたへて幽かにも—— 白光、小鳥にゆるゝごと 明日の香ゆらぐ夢の浪 薄紫にたゞよひて 白帆張りゆく霊の舟 円らに薫る軟かぜの 千里の潮の楽の音と 人が息吹は …
読書目安時間:約6分
静かにすゝむ時の輪の 軋つたへて幽かにも—— 白光、小鳥にゆるゝごと 明日の香ゆらぐ夢の浪 薄紫にたゞよひて 白帆張りゆく霊の舟 円らに薫る軟かぜの 千里の潮の楽の音と 人が息吹は …
第二海豹と雲(新字旧仮名)
読書目安時間:約12分
飛べよ、深山懸巣、 神神はまた目ざめぬ。 磐が根に注連縄ひきはり、 幣帛にしで結ひ垂れ、 真榊の、鏡葉の音さやさやに うち清めて。 啼けよ早や深山懸巣、 日は若し、かの稚神、 ひむ …
読書目安時間:約12分
飛べよ、深山懸巣、 神神はまた目ざめぬ。 磐が根に注連縄ひきはり、 幣帛にしで結ひ垂れ、 真榊の、鏡葉の音さやさやに うち清めて。 啼けよ早や深山懸巣、 日は若し、かの稚神、 ひむ …
第二邪宗門(新字旧仮名)
読書目安時間:約44分
あな熱し、あな苦し、あなたづたづし。 わが熱き炎の都、 都なる煉瓦の沙漠、 沙漠なる硫黄の海の広小路、そのただなかに、 饑ゑにたるトリイトン神の立像、 水涸れ果てし噴水の大水盤の繞 …
読書目安時間:約44分
あな熱し、あな苦し、あなたづたづし。 わが熱き炎の都、 都なる煉瓦の沙漠、 沙漠なる硫黄の海の広小路、そのただなかに、 饑ゑにたるトリイトン神の立像、 水涸れ果てし噴水の大水盤の繞 …
第二真珠抄(新字旧仮名)
読書目安時間:約4分
ゆめはうつつにあらざりき、うつつはゆめよりなほいとし、まぼろしよりも甲斐なきはなし。 幽かなるこそすべなけれ、美しきものみなもろし、尊きものはさらにも云はず。 ひとのいのちはいとせ …
読書目安時間:約4分
ゆめはうつつにあらざりき、うつつはゆめよりなほいとし、まぼろしよりも甲斐なきはなし。 幽かなるこそすべなけれ、美しきものみなもろし、尊きものはさらにも云はず。 ひとのいのちはいとせ …
篁(新字旧仮名)
読書目安時間:約12分
我が長歌の総てを収めて、此の『篁』を成す。主として小田原の山荘にありて、竹林の日夕を楽しみ、移りゆく季節の風と光とに思を寄せたる、そのをりをりの古体を蒐めたり。 かの山荘はまことに …
読書目安時間:約12分
我が長歌の総てを収めて、此の『篁』を成す。主として小田原の山荘にありて、竹林の日夕を楽しみ、移りゆく季節の風と光とに思を寄せたる、そのをりをりの古体を蒐めたり。 かの山荘はまことに …
竹林生活:――震災手記断片――(新字旧仮名)
読書目安時間:約5分
* あの第一回の烈震以来、その後千数百回の余震に、人人はどれだけ脅かされたか。 その初め、未だ曾て識らぬ稀有の地震に私たちは為すところをさへ知らなかつた。つくづくと思ふことは一大事 …
読書目安時間:約5分
* あの第一回の烈震以来、その後千数百回の余震に、人人はどれだけ脅かされたか。 その初め、未だ曾て識らぬ稀有の地震に私たちは為すところをさへ知らなかつた。つくづくと思ふことは一大事 …
月に吠える:01 序(新字旧仮名)
読書目安時間:約5分
萩原君。 何と云つても私は君を愛する。さうして室生君を。それは何と云つても素直な優しい愛だ。いつまでもそれは永続するもので、いつでも同じ温かさを保つてゆかれる愛だ。此の三人の生命を …
読書目安時間:約5分
萩原君。 何と云つても私は君を愛する。さうして室生君を。それは何と云つても素直な優しい愛だ。いつまでもそれは永続するもので、いつでも同じ温かさを保つてゆかれる愛だ。此の三人の生命を …
庭園の雨(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
松の葉の青きに しとしとと雨はふる。 凄まじき暴風雨の後に 針のごと雨はふる。 色黄なる毛虫は 土に沁みつき、 月見草は 萎れて白し。 桐、樅、無花果、 人工の盆栽の梅、 犯されし …
読書目安時間:約1分
松の葉の青きに しとしとと雨はふる。 凄まじき暴風雨の後に 針のごと雨はふる。 色黄なる毛虫は 土に沁みつき、 月見草は 萎れて白し。 桐、樅、無花果、 人工の盆栽の梅、 犯されし …
東京景物詩及其他(新字旧仮名)
読書目安時間:約1時間7分
わかき日の饗宴を忍びてこの怪しき紺と青との 詩集を“PAN”とわが「屋上庭園」の友にささぐ 東京夜曲 公園の薄暮 ほの青き銀色の空気に、 そことなく噴水の水はしたたり、 薄明ややし …
読書目安時間:約1時間7分
わかき日の饗宴を忍びてこの怪しき紺と青との 詩集を“PAN”とわが「屋上庭園」の友にささぐ 東京夜曲 公園の薄暮 ほの青き銀色の空気に、 そことなく噴水の水はしたたり、 薄明ややし …
とんぼの眼玉(新字旧仮名)
読書目安時間:約18分
山火事焼けるな、ホウホケキヨ、 可愛いい小鹿が焼け死ぬぞ。 これは春の暮、夏のはじめの頃に、夕方かけて、赤い山火事の火の燃える箱根あたりの山を眺めて、この小田原の町の子供たちが昔歌 …
読書目安時間:約18分
山火事焼けるな、ホウホケキヨ、 可愛いい小鹿が焼け死ぬぞ。 これは春の暮、夏のはじめの頃に、夕方かけて、赤い山火事の火の燃える箱根あたりの山を眺めて、この小田原の町の子供たちが昔歌 …
香ひの狩猟者(新字旧仮名)
読書目安時間:約4分
幽かに香ひはのぼる。蕾のさきが尖つてゐるのは内からのぼる香ひをその頂点でくひとめてゐるのだ。花がひらいた時は香ひもひらいてしまふ。残りの香のみの花を人は観てゐる。開いた朝顔が萎へる …
読書目安時間:約4分
幽かに香ひはのぼる。蕾のさきが尖つてゐるのは内からのぼる香ひをその頂点でくひとめてゐるのだ。花がひらいた時は香ひもひらいてしまふ。残りの香のみの花を人は観てゐる。開いた朝顔が萎へる …
日本ライン(新字旧仮名)
読書目安時間:約16分
舟は遡る。この高瀬舟の船尾には赤の枠に黒で彩雲閣と奔放に染め出したフラフが翻つてゐる。前に棹さすのが一人、後に櫓を榜ぐのが一人、客は私と案内役の名鉄のM君である。私は今日初めて明る …
読書目安時間:約16分
舟は遡る。この高瀬舟の船尾には赤の枠に黒で彩雲閣と奔放に染め出したフラフが翻つてゐる。前に棹さすのが一人、後に櫓を榜ぐのが一人、客は私と案内役の名鉄のM君である。私は今日初めて明る …
「白秋詩集」序(新字旧仮名)
読書目安時間:約4分
詩は芸術の精華である。この詩の道を行ふ外に、私は生れて何一つ与へられてゐなかつた。これが為めに、私はただ一すぢに詩に仕へて来た。詩に生き、詩に痩せ、詩に苦しみ通して来た。人間として …
読書目安時間:約4分
詩は芸術の精華である。この詩の道を行ふ外に、私は生れて何一つ与へられてゐなかつた。これが為めに、私はただ一すぢに詩に仕へて来た。詩に生き、詩に痩せ、詩に苦しみ通して来た。人間として …
「白秋詩集」第一巻解題(新字旧仮名)
読書目安時間:約2分
一、本巻には東京景物詩「雪と花火」以後の所作を輯める事にした。而して新らしい作から前に組むだ。既に公刊した集はなるべく原形の儘にした。なほ多少削除した分もある。 一、「青燈集」の諸 …
読書目安時間:約2分
一、本巻には東京景物詩「雪と花火」以後の所作を輯める事にした。而して新らしい作から前に組むだ。既に公刊した集はなるべく原形の儘にした。なほ多少削除した分もある。 一、「青燈集」の諸 …
「白秋詩集」第二巻解題(新字旧仮名)
読書目安時間:約2分
一、本巻には処女詩集「邪宗門」、抒情小曲集「思ひ出」、及び少年期の長篇数種を収めた「朱泥の馬」、それに補遺の数篇とを輯める事にした。本巻に於ても亦公刊した集はなるべく原形の儘にした …
読書目安時間:約2分
一、本巻には処女詩集「邪宗門」、抒情小曲集「思ひ出」、及び少年期の長篇数種を収めた「朱泥の馬」、それに補遺の数篇とを輯める事にした。本巻に於ても亦公刊した集はなるべく原形の儘にした …
白帝城(新字旧仮名)
読書目安時間:約13分
「ほら、あれがお城だよ。」 私は振り返つた。私の後ろからは円い麦稈帽に金と黒とのリボンをひらひらさして、白茶の背広は濃い花色のネクタイを結んだ、やつと五歳と四ヶ月の幼年紳士がとても …
読書目安時間:約13分
「ほら、あれがお城だよ。」 私は振り返つた。私の後ろからは円い麦稈帽に金と黒とのリボンをひらひらさして、白茶の背広は濃い花色のネクタイを結んだ、やつと五歳と四ヶ月の幼年紳士がとても …
畑の祭(新字旧仮名)
読書目安時間:約26分
真赤なお天道さんが上らつしやる。やつこらさと 鍬を下ろすと、ケンケンケンケン…… 鶺鴒めが鳴きくさる、 崖の上の麦畠、 天気は快し、草つ原に露がいつぱいだで、 そこいら中ギラギラし …
読書目安時間:約26分
真赤なお天道さんが上らつしやる。やつこらさと 鍬を下ろすと、ケンケンケンケン…… 鶺鴒めが鳴きくさる、 崖の上の麦畠、 天気は快し、草つ原に露がいつぱいだで、 そこいら中ギラギラし …
春の暗示(新字旧仮名)
読書目安時間:約6分
25. Ⅲ. 10. 午後三時過ぎ、 薄黄水仙の浅葱の新芽枯れたる芝生のなかに仕切られたる円形或は長方形の花壇のなかに二寸ばかり萌えいづ。その幾何学的なる配列のつつましさよ、風微か …
読書目安時間:約6分
25. Ⅲ. 10. 午後三時過ぎ、 薄黄水仙の浅葱の新芽枯れたる芝生のなかに仕切られたる円形或は長方形の花壇のなかに二寸ばかり萌えいづ。その幾何学的なる配列のつつましさよ、風微か …
光ノミ(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
日ハ光レリ、鏡ノ中ニ、 光ノミ照リカガヤケリ、 ソハアマリニ眩シ。 日ハ光レリ、鏡ノ中ニ、 冷ヤカニ照リカガヤケリ。 ソハアマリニ遠シ。 遠シ、遠シ、遠シ、遠シ…… …
読書目安時間:約1分
日ハ光レリ、鏡ノ中ニ、 光ノミ照リカガヤケリ、 ソハアマリニ眩シ。 日ハ光レリ、鏡ノ中ニ、 冷ヤカニ照リカガヤケリ。 ソハアマリニ遠シ。 遠シ、遠シ、遠シ、遠シ…… …
蟇(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
夏の昼間の ひきがへる、 そなたは、なんで さびしいぞ。 白い女の 指さきで、 刺され、突かれて うれしいか。 夏の昼間の ひきがへる、 海鼠色した ひきがへる。 金の指輪に、 肢 …
読書目安時間:約1分
夏の昼間の ひきがへる、 そなたは、なんで さびしいぞ。 白い女の 指さきで、 刺され、突かれて うれしいか。 夏の昼間の ひきがへる、 海鼠色した ひきがへる。 金の指輪に、 肢 …
風隠集(新字旧仮名)
読書目安時間:約47分
目にたちて黄なる蕋までいくつ明る白菊の乱れ今朝まだ冷たき 黄の蕋のいとど目にたつ白菊は花みな小さし咲き乱れつつ さえざえと今朝咲き盛る白菊の葉かげの土は紫に見ゆ 独遊ぶ今朝のこころ …
読書目安時間:約47分
目にたちて黄なる蕋までいくつ明る白菊の乱れ今朝まだ冷たき 黄の蕋のいとど目にたつ白菊は花みな小さし咲き乱れつつ さえざえと今朝咲き盛る白菊の葉かげの土は紫に見ゆ 独遊ぶ今朝のこころ …
フレップ・トリップ(新字新仮名)
読書目安時間:約4時間54分
フレップの実は赤く、トリップの実は黒い。いずれも樺太のツンドラ地帯に生ずる小灌木の名である。採りて酒を製する。所謂樺太葡萄酒である。 心は安く、気はかろし、 揺れ揺れ、帆綱よ、空高 …
読書目安時間:約4時間54分
フレップの実は赤く、トリップの実は黒い。いずれも樺太のツンドラ地帯に生ずる小灌木の名である。採りて酒を製する。所謂樺太葡萄酒である。 心は安く、気はかろし、 揺れ揺れ、帆綱よ、空高 …
文庫版『雀の卵』覚書(新字旧仮名)
読書目安時間:約15分
初版『雀の卵』は大正十年八月にアルスより刊行された。四六版アンカト、五二五頁、部厚で重く、兎も角尨然たる大冊となつた。恩地孝四郎氏の装幀で、鼠色の薬嚢絨布で、表紙は無地、背の上部に …
読書目安時間:約15分
初版『雀の卵』は大正十年八月にアルスより刊行された。四六版アンカト、五二五頁、部厚で重く、兎も角尨然たる大冊となつた。恩地孝四郎氏の装幀で、鼠色の薬嚢絨布で、表紙は無地、背の上部に …
蜜柑山散策(新字旧仮名)
読書目安時間:約9分
蜜柑山でも見に行かうかと、日向ぼつこから私が立つと、夕暮君も、それはよからうと続いて立ち上つた。竹林の昼餐をやつと済ますと、私たちは裏の別荘の丘に席を移して、山と海との大観をそれま …
読書目安時間:約9分
蜜柑山でも見に行かうかと、日向ぼつこから私が立つと、夕暮君も、それはよからうと続いて立ち上つた。竹林の昼餐をやつと済ますと、私たちは裏の別荘の丘に席を移して、山と海との大観をそれま …
緑の種子(新字旧仮名)
読書目安時間:約7分
種子はこれ感覚の粋、 緑は金の陰影にして、幽かに泣くはわが心。 種子を哀しめ、よきひとよ、 冷たく、小さき芥子のたね、その一粒に心せよ、 歔欷けかし、日の光。 種子はこれ霊魂の粋、 …
読書目安時間:約7分
種子はこれ感覚の粋、 緑は金の陰影にして、幽かに泣くはわが心。 種子を哀しめ、よきひとよ、 冷たく、小さき芥子のたね、その一粒に心せよ、 歔欷けかし、日の光。 種子はこれ霊魂の粋、 …
孟宗と七面鳥(新字旧仮名)
読書目安時間:約3分
閑雅な孟宗の枯れ色は私にとつて何より親しく感じられる。私は階上の書斎から硝子戸越しに朝夕その眺めを楽しんでゐる。どの窓を眺めても孟宗がしだれてゐる。寒くて風の少ない日などはその揺れ …
読書目安時間:約3分
閑雅な孟宗の枯れ色は私にとつて何より親しく感じられる。私は階上の書斎から硝子戸越しに朝夕その眺めを楽しんでゐる。どの窓を眺めても孟宗がしだれてゐる。寒くて風の少ない日などはその揺れ …
雪と花火余言:東京景物詩改題に就て(新字旧仮名)
読書目安時間:約10分
東京景物詩は大正二年七月の版である。今回その第参版を上梓するに当り、書肆の乞ふがまゝに、新に当時の詩一章十二篇を増補して、「雪と花火」と改題改幀したのである。 茲に収められた七章八 …
読書目安時間:約10分
東京景物詩は大正二年七月の版である。今回その第参版を上梓するに当り、書肆の乞ふがまゝに、新に当時の詩一章十二篇を増補して、「雪と花火」と改題改幀したのである。 茲に収められた七章八 …
夢殿(新字旧仮名)
読書目安時間:約1時間19分
昭和九年八月中旬、台湾巡歴の帰途、神戸に迎へたる妻子と共に紀州白良温泉に遊ぶ。滞在数日。 白良の浜に遊びて 白良のましららの浜、まことしろきかも。驚くと、我が見ると、まことしろきか …
読書目安時間:約1時間19分
昭和九年八月中旬、台湾巡歴の帰途、神戸に迎へたる妻子と共に紀州白良温泉に遊ぶ。滞在数日。 白良の浜に遊びて 白良のましららの浜、まことしろきかも。驚くと、我が見ると、まことしろきか …
わが敬愛する人々に(新字旧仮名)
読書目安時間:約5分
凡てが小生には復と得難い哀しい省察の時を与へて呉れました。色々と小生の近状を御配慮下さる方々に、ただ小生が健全で如何なる苦痛と羞辱とにも耐え忍び得る程、敬虔な勇気ある状態に自己の霊 …
読書目安時間:約5分
凡てが小生には復と得難い哀しい省察の時を与へて呉れました。色々と小生の近状を御配慮下さる方々に、ただ小生が健全で如何なる苦痛と羞辱とにも耐え忍び得る程、敬虔な勇気ある状態に自己の霊 …
「わすれなぐさ」はしがき(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
少年老い易し、麗人は刻を千金の春夜に惜む。われらがわかき日の小詩はまさに涙を流して歌ふべし。瑠璃いろ空のかはたれにわすれなぐさの花咲かばまた、過ぎし夜のはかなき恋も忍ぶべし。ここに …
読書目安時間:約1分
少年老い易し、麗人は刻を千金の春夜に惜む。われらがわかき日の小詩はまさに涙を流して歌ふべし。瑠璃いろ空のかはたれにわすれなぐさの花咲かばまた、過ぎし夜のはかなき恋も忍ぶべし。ここに …
翻訳者としての作品一覧
まざあ・ぐうす(新字新仮名)
読書目安時間:約49分
お母さんがちょうのマザア・グウスはきれいな青い空の上に住んでいて、大きな美しいがちょうの背中にのってその空を翔けったり、月の世界の人たちのつい近くをひょうひょうと雪のようにあかるく …
読書目安時間:約49分
お母さんがちょうのマザア・グウスはきれいな青い空の上に住んでいて、大きな美しいがちょうの背中にのってその空を翔けったり、月の世界の人たちのつい近くをひょうひょうと雪のようにあかるく …
“北原白秋”について
北原 白秋(きたはら はくしゅう、本名:北原 隆吉(きたはら りゅうきち)、1885年(明治18年)1月25日 - 1942年(昭和17年)11月2日)は、日本の詩人、童謡作家、歌人。帝国芸術院会員。
詩、童謡、短歌以外に、新民謡でも『ちゃっきり節』など傑作を残している。生涯に数多くの詩歌を残し、今なお歌い継がれる童謡を数多く発表し活躍した時代は「白露時代」と呼ばれ、三木露風と並び評される近代日本を代表する詩人である。
弟はそれぞれ出版人となり、北原鉄雄は写真・文学系出版社アルスを、北原義雄は美術系のアトリエ社を創業した。娘は三菱財閥創業家・岩崎家の末裔に嫁いだ。従弟の北原正雄は写真系の玄光社を創業した。
(出典:Wikipedia)
詩、童謡、短歌以外に、新民謡でも『ちゃっきり節』など傑作を残している。生涯に数多くの詩歌を残し、今なお歌い継がれる童謡を数多く発表し活躍した時代は「白露時代」と呼ばれ、三木露風と並び評される近代日本を代表する詩人である。
弟はそれぞれ出版人となり、北原鉄雄は写真・文学系出版社アルスを、北原義雄は美術系のアトリエ社を創業した。娘は三菱財閥創業家・岩崎家の末裔に嫁いだ。従弟の北原正雄は写真系の玄光社を創業した。
(出典:Wikipedia)
“北原白秋”と年代が近い著者
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
今年で没後X百年
ジェーン・テーラー(没後200年)
山村暮鳥(没後100年)
黒田清輝(没後100年)
アナトール・フランス(没後100年)
原勝郎(没後100年)
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット(没後100年)
郡虎彦(没後100年)
フランツ・カフカ(没後100年)