「ほら、あれがお城だよ。」 私は振り返つた。私の後ろからは円い麦稈帽に金と黒とのリボンをひらひらさして、白茶の背広は濃い花色のネクタイを結んだ、やつと五歳と四ヶ月の幼年紳士がとても潔よく口をへの字に引き緊めて、しかもゆたりゆたりと歩いてゐた …
著者 | 北原白秋 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行 |
初出 | 「東京日日新聞」「大阪毎日新聞」1927(昭和2)年7月(「木曽川」と題して連載されたものの一部。) |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約13分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約21分(300文字/分) |