“閑”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ひま55.2%
かん20.2%
しづ6.5%
しず5.8%
のど4.0%
しずか2.5%
しづか1.4%
のどか1.4%
いとま0.4%
0.4%
(他:6)2.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“閑”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語4.9%
文学 > 日本文学 > 詩歌2.9%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行2.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
半蔵はそれを機会に、往復数日のわずかなひまを見つけて、医薬の神として知られた御嶽の神の前に自分を持って行こうとした。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
今後はもう決して酒には見向かずにと彼は私に指切りしたが、急に仕事の方が忙しくて材料の吟味に山を越えるひまもなかった。
鬼涙村 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
そしてどこの門の中も、人気が無いかのようにひっそりかんとしていて、敷きつめた小砂利の上に、太陽がチカ/\光っていた。
子をつれて (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
そしてどこの門の中も、人氣が無いかのやうにひつそりかんとしてゐて、敷きつめた小砂利の上に、太陽がチカ/\光つてゐた。
子をつれて (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
つくづくと眺めてあれば、しづかなる入江のさまや、苫舟にのぼる煙も風ければぐに一すぢほそぼそとしばしのぼれり。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
つくづくと眺めてあれば、しづかなる入江のさまや、苫舟にのぼる煙も、風けばぐに一すぢ、ほそぼそとしばしのぼれり。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
じいじいせみがまたそこらの木立こだちりつき出した。じいじい蝉の声も時には雲とこずえしずかにする。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
しずかなおあるじの姿とちがって、老臣の彼のひとみには、戦下の世音せおんが、ギラギラとただれている。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは春の日のことで、霞める浦輪うらわには、寄せる白波のざわざわという音ばかり、磯の小貝は花のように光っているのどかさだった。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
絶壁の上のかえでの老樹も手に届くばかりに参差しんしと枝を分ち、葉を交えて、鮮明に澄んでのどかな、ちらちらとした光線である。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
この弟宮も、しごくしずかさがではあったが、父皇の遠謀によるおいいつけと、また兄宮大塔の下にもよくその命に従って、
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「つまり、しずかであれば、人が山を見。忙しければ、人は山に見られているということなので」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うしたみせ端近はしぢかは、おくより、二階にかいより、かへつて椅子いすしづかであつた——
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とほりまがつて横町へて、成るく、はなし為好しいしづかな場所を撰んで行くうちに、何時いつ緒口いとくちいて、思ふあたりへ談柄だんぺいが落ちた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
春日ののどかなる趣は、ありふれた小鳥のさえずりよりも、雞の鳴声よりも、かえってこの雉子の声において深められたかの感がある。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
清々冷々の玄風げんぷうを迎へ、たいしづかに心のどかにして、冥思を自然の絶奥ぜつおくに馳せて
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
「武蔵は、この辺の土地が、好きだった。それは自分の生れ故郷の景色と、この辺の景色がよく似ているからであった。いとまがあると、岩殿山へ遊びに来て、幼い日のことを思い出していた」
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほど経て窻をおと
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
話柄が途切れてしんとすると、暑さが身に沁みて、かんかん日のあたる胴の間に、折り重なっていぎたなく寝そべった労働者の鼾が聞こえた。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
荻生さんが心配して忙しい郵便事務のすきをみて、わざわざ弥勒みろくまで出かけて行くと、清三はべつに変わったようなところもなく、いつも無性ぶしょうにしている髪もきれいに刈り込んで、にこにこして出て来た。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
宗吉はかくてまた明神の御手洗みたらしに、更に、氷にとじらるる思いして、悚然ぞっと寒気を感じたのである。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
コックスが肥後か肥前の王五十万石を領すといえるは忠広なる事疑いなくこの人勇武なるのみならず外人に接する礼にならい世辞目なき才物たりしと見ゆ。
左枝の、支える側から流れてゆく、跫音あしおとのみが高く、この一座はあまりにもひっそりとしていた。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
閑中カンチュウカンナシ
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)