“森閑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しんかん84.9%
しん6.5%
しいん4.3%
ひっそり3.2%
がらん1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四つのやぐらのそそり立つ方形の城の中は、森閑しんかんとして物音もない。絵のやうにかすむリスタアの風物のさなか、春の日ざしに眠つてゐる。
ジェイン・グレイ遺文 (新字旧仮名) / 神西清(著)
森閑しんとした寂寞せきばくが彼を押しつつみ、ただ時計のチクタクばかり、闇の中でせわしげに時を刻んでいたが、彼にはその時刻もわからなかった。
孤独 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
またあたりは妙に森閑しいんと静まり返って再び山の墓場は木の葉の落ちる音一つ聞えるくらいの侘しい澄んだ黄昏たそがれの色に包まれめたが
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
せっかくはいってはみたものの当惑して、映写中の森閑ひっそりとした休憩室に少年と肩を並べてもたれていると、突然少年は涼しい眼を挙げてこんなことを言い出した。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
さすがに飾電灯シャンデリアばかりは煌々として雪白せっぱく食卓布テーブルクロスの上一杯に、紫羅欄花あらせいとうやチューリップ、ダアリアなぞの飾られた広い森閑がらんとした食堂で
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)