“寂寞”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せきばく62.1%
ひっそり10.1%
じゃくまく10.1%
じやくまく5.4%
ひつそり2.5%
しじま2.2%
しん1.8%
さびしさ1.4%
じやくばく0.7%
さびしい0.4%
さびしく0.4%
さみ0.4%
さみしさ0.4%
しずか0.4%
しづか0.4%
しやくまく0.4%
じゃくばく0.4%
ひつそ0.4%
セキバク0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
恥を知らない太陽の光は、再び薔薇に返って来た真昼の寂寞を切り開いて、この殺戮と掠奪とに勝ち誇っている蜘蛛の姿を照らした。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さぐりに、例の上がり場へ……で、念のために戸口に寄ると、息が絶えそうに寂寞しながら、ばちゃんと音がした。ぞッと寒い。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこに、先刻の編笠目深な新粉細工が、出岬に霞んだ捨小舟という形ちで、寂寞としてまだ一人居る。その方へ、ひょこひょこく。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いつまでも変らずにある真鍮の香炉、花立、燈明皿——そんな性命の無い道具まで、何となく斯う寂寞瞑想に耽つて居るやうで
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
一時騒々しかつたのが、寂寞ばつたりして平時より余計しくける……さあ、一分一秒え、まれるひ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
急に墓場のような寂寞になったので、そっと首を出して往来をながめると、ああ——と誰もいたままで口もきけなかった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょいと吹留むと、今は寂寞として、その声が止まって、ぼッと腰障子へ暖う春の日は当るが、軒を伝う猫もらず、雀の影もささぬ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
不思議な寂寞は蛙の鳴く谷底の方からい上って来た。恐しく成って、逃げるように高瀬は妻子の方へ引返して行った。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
なる島山紫嵐まれ、天地るとして清新たされて寂寞として人影なく、かにせてはへす
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
持て御出なさる樣子是から先は松原で寂寞道だ見れば御年も行ぬ御若衆御一人にては不用心駕籠に乘て御出なせへと云に半四郎は大にり夫は/\御前方御深切にさう云てさるゝが私しはも駕籠がひなりれども生質仕合に足が達者で日に廿里三十里は歩行ますから先駕籠はに仕ませうと草鞋
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
尋る中彌生の空も十九日子待の月の出てながらに差かゝる戰々吹亂れしも物寂寞水音き大井川の此方のへ來るに何やらん二の犬がひ居しが安五郎を見るとしくへし物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
戸外寂寞しいほどの興はいて、血気の連中、借銭ばかりにして女房なし、河豚も鉄砲も、持って来い。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
をみな『わが情は香玉の熱きに似もやらず、少しく君がおん寂寞を慰めむのみ』狎れむとすれば遮りて『相見るよろこび、何ぞ必ずしもここにあらむ』
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
塚田巡査が喜んで帰ったは又寂寞になった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
くと見えて寂寞
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
翁のゆきし後、火はの光を放ちて、寂寞たる夜の闇のうちにおぼつかなく燃えたり。夜更け、潮みち、童らがし火も旅の翁が足跡も永久の波に消されぬ。
たき火 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
寂寞る。やむだを、と、は、はづみでころがりした服紗に、りつゝ、常夏をうけようとした。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
寂寞たる光りの海から、高くでゝ見える二上の山。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)