“しん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シン
語句割合
19.5%
10.8%
9.3%
9.2%
9.0%
5.1%
4.8%
寂然2.8%
2.7%
2.6%
1.9%
1.9%
1.9%
1.9%
1.7%
1.4%
森然1.3%
1.2%
1.2%
0.8%
0.7%
0.6%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
寂寞0.4%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
眞實0.2%
粛然0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
寂寥0.1%
心臓0.1%
森閑0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
ヷ神0.1%
0.1%
0.1%
中子0.1%
中心0.1%
0.1%
0.1%
幽寂0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
森乎0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
無念0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
真個0.1%
真実0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
閑寂0.1%
闃寂0.1%
0.1%
陰森0.1%
静寂0.1%
静粛0.1%
0.1%
0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佗助のもつ小形の杯では、波々と掬んだところで、それに盛られる日の雫はほんの僅なものに過ぎなからうが、それでも佗助はしんから酔ひ足つてゐる。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
で、僕は少しも嫉妬を感じないで、こう言うことができる——しんしんまで使い古された言葉を使わなければならないが、今いているのは
現今げんこんおいても、未來みらいおいても、七福しちふくきたきをしんずるあたはず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
しんやりも、えつつるぎも、これ延長えんちやうしたものだとおもへ、といつたほどであるから、おはづかしいが
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はなあなひらきッぱなしになるほどんでいた春重はるしげは、ふと、行燈あんどんしんをかきてて
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「とにかく一杯やりてえんだ」そう云ってから、さぶはいそいで付けたした、「外はおっそろしく寒いんでね、おらあ躯のしんまで冷えちまってるんだ」
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
たとえ、それが事実じじつであっても、このなかでは、まだ少年しょうねんしん同情どうじょうするものがなかったのです。
つばめと魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なぜなら、そのうちの前には小さなしんちゅうの看板かんばんが二まいぶら下がっていて、それがどうしたって音楽の先生の看板ではなかった。
時々起るその合唱をほかにしては、しんとしたもので、空気全体がどこの温泉場も同じように、温かでしっとりしている。その時また、だしぬけに、
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それを数えつくしたときに、内部に残ったうなぎの肌のようにぬらぬらした生きものの、長くとぐろを巻いた水がしんとして目にうつってきたのである。
香爐を盗む (新字新仮名) / 室生犀星(著)
『否、小子それがしこと色に迷はず、にも醉はず、しんもつて戀でもなく浮氣でもなし、只〻少しく心に誓ひし仔細の候へば』。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
むなししんいたみ、こんは驚くといへども、我やいかる可き、事やあはれむべき、あるひは悲む可きか、恨む可きか
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
此の長家ながやかせにんが多いゆえ、昼間の疲れで何処どこもぐっすり寝入り、一際ひときわしんといたしました。
各〻両手をついてしんとしていると、悠々然と上座のしとねへついて威風四辺あたりを払った人物は、赭顔あからがおの円頂に兜巾ときんを頂き
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母を呼びまた姉を呼んで見たが、答うる者は木精こだまの響き、梢の鳥、ただ寂然しんとして音もしない。
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
その寂然しんとなった心の底から、ふと恋しいが勃々むらむらと湧いて出て、私は我知らず泪含なみだぐんだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
後、しんに入り、しんに仕え、かんの代となってから四代目の司馬談しばたんが武帝に仕えて建元けんげん年間に太史令たいしれいをつとめた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「私はしん閔王びんおうむすめでございましたが、このそうの国に迎えられてきて、二十三年間、独りでおる者でございます」
黄金の枕 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
妻の賈氏こしもいそいそすすめ、李固も何かともてなすので、は自分の小心をじ、その晩はわれから機嫌を直してしんに就いた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
セエラはしんに就く時、また新しい厚い敷蒲団と、大きな羽根枕のあるのを見つけました。昨夜のは、いつの間にかベッキイの寝床に移されていたのでした。
「今死ぬ私が、いゝ加減なことを言ふものですか、——何を隱しませう、これはお駒も知らないことですが、私はお駒の爲にはしんの父親——」
その長さきには、下岡蓮杖おうならんで、日本寫しんかい元祖ぐわんそである上野彦馬おうが同じくんでゐた。
が、先刻せんこくしん七におこののあとわせたすきに、二人ふたりとも、どこぞ近所きんじょへまぎれてったのであろう。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
明けて文治ぶんじ二年の一月末には、静も母も、鎌倉幕府の罪人として、安達あだちしんろう清経きよつねやしきに預けられていた。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しんの撰んだ池田氏行状には、初代瑞仙の庶子善直ぜんちょくというものを挙げて、「多病不能継業やまいおおくぎょうをつぐあたわず」と書してある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「なんだって好い。打ちせえすりゃあ、講釈で聴いて知っているしん予譲よじょう故事ふるごととやらだ。敵討の筋が通るというもんさ」
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
日支親善のため、東本願寺の光瑩こうけい上人の姉妹はらからが、しん帝との縁組の交渉は内々進んでいたのに沙汰さたやみになったが——武子さんのは、十七の一月三日
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
かん高祖こうそ丁公ていこうりくし、しん康煕こうき帝がみん末の遺臣いしん擯斥ひんせき
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
したがつて、今度のじつ力主の名人せい度は、たとへいく分えげつないかんじはあつても、たしかに棋界きかいしん歩といふべきであらう。
おれならがきにせられた足下おぬしぢゃ! わしいまめてしんぜよう名譽めいよはかに。
二剣、その所をべつにしたが最後、波瀾はらん激潮げきちょうを生み、腥風せいふうは血雨を降らすとの言い伝えが、まさにしんをなしたのである。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
旅行は、どうして、楽なものではなかったのです。可心にとって、能登路のこの第一歩の危懼あぶなっかしさが、……——実はしんをなす事になるんです。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一言も云わず見返りもせず彼は橇を走らせた。間もなく彼と橇の影とは吹雪にまぎれて見えなくなった。森然しんと後は静かである。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あの素晴らしい渦巻の恐ろしかった光景はどこを眺めても見当らない。水はいかにも減じてはいるが、太古のままの夢をはらんで森然しんと静まり湛えている。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
中にも彼が仕途は水野美濃守の因夤いんいんによりしにかかわらず、彼は大義しんを滅すの理にり、彼をすらしりぞけたりき。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
公之をうれへ、田中不二麿ふじまろ、丹羽淳太郎等と議して、大義しんほろぼすの令を下す、實に已むことを得ざるのきよに出づ。
『あのひと無事ぶじだな』とおもつてひとに、しんためしはないのです。
——結婚の世話になって以来、碌にしみじみ話をする機会も無いうちに、今井は杳然ようぜんとしてしんだ。
友人一家の死 (新字新仮名) / 松崎天民(著)
しんねがはくはこれくせんと、いたゑがいて兩生りやうせい鯔魚しぎよをどらし、きしけてみづうかゞふ。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
びょうたる一山僧の身をもって、燕王えんおうを勧めて簒奪さんだつあえてせしめ、定策決機ていさくけっき、皆みずから当り、しん天命を知る
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
朝目のさめた銀子の牡丹は、頭脳あたましんがしんしん痛んだ。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しじはじく椿のしんの粉のひかりそとの嵐には動くらし
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
わたしの一しんさゝげるひとはあなたよりほかにはないとかなんとかつてね。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
自分じぶんしんのことよりほか何物なにものこゝろ往來わうらいしてはなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そう当るとこうしんとが、間道づたいに奇襲を試みる。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
周三は、畫室を出ると、また父に取捕まつて、首根くびねつこを押へ付けて置いてめ付けられるのがこはいのだ。で、しん氣臭いのをおつこちへて、穴籠と定めて了ふ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
武の長男のしんが王という家のむすめめとっていた。
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「ブレーキが利かんだつたと見えるな」と年とつた方のしん士がいつた。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
道人の愛好した書を察すれば、周のかなへの文字や、秦漢六朝の金石の文字にあつたことはいふまでもなく、しんの王羲之この方の一字一字に神経のゆきとどいた、繊細な味はひのある書を、陰気でいたいたしいといふふうなことばで評してゐる。
秋艸道人の書について (新字旧仮名) / 吉野秀雄(著)
才人の官、しんの武帝にはじまり、宋時に至つてなほ之を沿用す。
念仁波念遠入礼帖 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかるに形躯けいく変幻へんげんし、そう依附いふし、てんくもり雨湿うるおうの、月落ちしん横たわるのあしたうつばりうそぶいて声あり。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
とにかくそれから三日目の晩だった。まるで氷の玉のような月がそらにかかっていた。雪は青白く明るく水は燐光りんこうをあげた。すばるやしんの星が緑やだいだいにちらちらして呼吸をするように見えた。
なめとこ山の熊 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
と得意の一節寂寞しんとする。——酔えばあおくなる雪のおもてに、月がさすように電燈の影が沈むや。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
パチヤリとみづおともさせなければ、ばんはまた寂寞しんとしてかぜさへかない。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
梨のしんを絞りしつゆも、木槿の花を煮こみし粥も、が口ならばうまかるべし。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ところが、それがいけない。……いま言ったように、しんのところにはっきりしないところがあって、殺されるまではわかっているが、どんな方法で殺られるかわからねえから防ぎがつかないのだ。……それに、アタフタ和泉屋を庇うような真似をすると、むこうが気取って手を出すまいから、退きならぬ現場をおさえてギュッと言わせるわけにはゆかない。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ごうごうの地鳴りは鳴りやまず、一しんへきを裂き、また、山をふるッて、このため、龍虎山の全峰はえ、信江しんこう上饒じょうじょうの水は、あふれ捲いて、ふもとを呑むかと思われるほどだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しんたゞ恐懼きょうくして落涙とどまらざるあるのみ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この人の習慣として、毎朝、起きぬけに百しゃしんをことかかなかった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、この夜は、わざと大祝宴を張って、近来とみに沈衰ちんすいしがちな山寨さんさいの士気に一しんの気を吐かせた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けんさつ、三しんせん緊々きんきん縮々しゅくしゅく、などという表字法にみても、別してこの裴如海はいにょかいひとりがそう傑出した色坊主であったわけでもあるまい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは何うもならぬ其やうに茶利ちやりばかり言はで少し眞實しんの處を聞かしてくれ、いかに朝夕を嘘の中に送るからとてちつとは誠も交る筈、良人はあつたか、それとも親故かと眞に成つて聞かれるにお力かなしく成りて私だとて人間でござんすほどに少しは心にしみる事もありまする
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
四辺あたり粛然しんとして水を撒いたよう。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「震災後二年を隔てゝ夏秋の交に及び、先生時邪に犯され、發熱劇甚げきじんにして、良醫交〻こも/″\きたしんし苦心治療を加ふれど効驗なく、年八十にして七月十八日溘然かふぜん屬纊ぞくくわう哀悼あいたうを至す」と云ふのである。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
しんと榮子は来ないけれど。』
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
寺僧いわく、これをうて以てしんつかさどらしむ。
道衍は僧にして、觥籌こうちゅう又何ぞ数えんといいて、快楽主義者の如く、希直きちょくは俗にして、いんしんに、酒のうれいたる、謹者きんしゃをしてすさ
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今までは注射しんを以て左の腕の静脈から血を採って居たが、今回だけは、僕の左の橈骨とうこつ動脈にガラス管をさしこみ、そのまゝゴムかんでつないで、僕の動脈から、僕の血液が直接彼女の心臓の中に流れこむようにしようと思うのだ。
恋愛曲線 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
はじめには越後の諸勝しよしようつくさんと思ひしが、越地ゑつちに入しのちとしやゝしんして穀価こくか貴踊きようし人心おだやかならず、ゆゑに越地をふむことわづかに十が一なり。
にわかに暗くなった雪の山、その白雪を踏みしだき大勢の足音が聞こえたが、それも次第に遠退いて行き、寂寥しんとして人影もない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
すべては我等の矛の餌なれば、剣の餌なれば斧の餌なれば、讚して後に利器えものひ、よき餌をつくりし彼等を笑へ、嬲らるゝだけ彼等を嬲れ、急に屠るな嬲り殺せ、活しながらに一枚〻〻皮を剥ぎ取れ、肉を剥ぎとれ、彼等が心臓しんを鞠として蹴よ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
森閑しんとして人気もない。
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
仏が寺門屋下に鴿はと蛇猪を画いてどんしんを表せよと教え(『根本説一切有部毘奈耶』三四)、その他蛇を瞋恚しんいの標識とせる事多きは、右の擬自殺の体を見たるがその主なる一因だろう、古インド人も蛇自殺する事ありと信じたと見える。
松太郎は、二十四といふ齢こそ人並に喰つてはゐるが、生来うまれつきの気弱者、経験おぼえのない一人旅に今朝から七里余の知らない路を辿つたので、心のしんまでも疲れ切つてゐた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ひたむきにしづけかりけり日の方や向日葵ひまはりしんけつくしたる
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「タイム!」と、しんちゃんは、要求ようきゅうしました。そして、かみぼうひろおうとすると、せいちゃんは、
仲よしがけんかした話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは少許すこしも風の無い、しんとした晩で、寒威さむさは骨に透徹しみとほるかのやう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しんわりいてッたッて」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
荷車は二頭の牛にかせる物ときまつて居るらしいが、牛はヒンヅ教でシヷ神しん権化ごんげである所から絶対に使役しない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それからこいつが轆轤座ろくろざ切梁きりはり、ええと、こいつが甲板のしん、こいつがやといでこいつが床梁とこ、それからこいつが笠木かさぎ、結び
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
寒気は骨のしんまで突き通す
サガレンの浮浪者 (新字新仮名) / 広海大治(著)
家からお米も炭も取り寄せ、火鉢ひばちの炭火でいた行平ゆきひら中子しんのできた飯をんで食べた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
大磐石と中心しんから感心しておりました
太祖の詔、可なることはすなわち可なり、人情には遠し、これより先に洪武十五年こう皇后の崩ずるや、しんしんえん王等皆国に在り、しかれども諸王はしりてけいに至り、礼をえて還れり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それから三千ねんぜん往古わうこかんがへながら、しんくと、不平ふへい煩悶はんもん何等なんら小感情せうかんじやううかぶなく、われ太古たいこたみなるなからんやとうたがはれるほどに、やすらけきゆめるのである。
幽寂しんとした時、ふと御堂みどうの中で、チリンと、かすかな音のするのは、かんざしが揺れるので、その時は髪をでつけなさるのだそうで。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しんちゃんの所はどうおしだえ? お父さんは知らせた方がいとか云ってお出でだったけれど。」
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ていしゅくていしんたんの九子を封じて、しんしんえんしゅう等に王とし
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
暴風がしんをわたる森の胸をひらき
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
灰ばんだ土へしつかりと埋め込まれて森乎しんとしながら、死んでゐるやうな穏かさをもつてゐるからである。
冬の庭 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
しんなんざそんでも、どうにか出來できんのか」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しんみりと、伝右衛門はいった。そして、
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大成はちん姓の家からおさ珊瑚さんごという女をめとったが、大成の母のしんというのは、感情のねじれた冷酷な女で、珊瑚を虐待したけれども、珊瑚はすこしもうらまなかった。
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
孔子之をぎり、子路をしてしんを問わしむ。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
第二十一子しん王とし、第二十二子えいあん王とし、第二十三子けいとう王とし、第二十四子とうえい王とし、第二十五子𣟗王としたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しばらく彼も我も無念しんになって竿先を見守ったが、魚のあたりはちょっと途断とだえた。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しん皇后を除くため、張韜ちょうとうという廷臣ていしんと謀って、桐の木の人形に、魏帝の生年月日を書き、また何年何月地に埋むと、呪文を記して、わざと曹丕の眼にふれる所へ捨てた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「猿はしんに属します。それで、かれらが勝手にそんな名を付けたので、もとからの地名ではございません」
この時も高が風邪かぜなれど、東京、大阪、下の関と三度目のぶり返しなれば、存外ぞんぐわい熱も容易にはさがらず、おまけに手足にはピリンしんを生じたれば、女中などは少くとも梅毒患者ばいどくかんじや位には思ひしなるべし。
病牀雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ちょうど、子爵とそのばばあとの間に挟まる、柱にもたれた横顔が婦人おんなに見える西洋画家は、フイと立って、真暗まっくらな座敷の隅へ姿を消した。真個しんに寐入っていたのでは無かったらしい。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これはどうもならぬそのやうに茶利ちやりばかり言はで少し真実しんの処を聞かしてくれ、いかに朝夕てうせきを嘘の中に送るからとてちつとは誠も交るはづ良人おつとはあつたか
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
兄のしんは、大斧をよくつかい、弟のしん方天戟ほうてんげきの妙手として名がある。兄弟しめし合わせて、彼を挟み討ちに、
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しん王以下は、永楽えいらくに及んで藩に就きたるなれば、しばらくきて論ぜざるも、太祖の諸子をほうじて王となせるもまた多しというべく、しこうして枝柯しかはなはだ盛んにして本幹ほんかんかえって弱きのいきおいを致せるに近しというべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しんの首をななめしげて嫣然えんぜん片頬かたほに含んだお勢の微笑にられて、文三は部屋へ這入り込み坐に着きながら、
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
山は朝霧なお白けれど、秋の空はすでに蒼々あおあおと澄み渡りて、窓前一樹染むるがごとくくれないなる桜のこずえをあざやかにしんいだしぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
忠義堂の前には四ながれのばんがつるされ、堂上には三層の星辰台がみえ、三聖の神像をなかに、二十八宿しゅく、十二宮しん星官ほしがみたちの像も二列にならんでまつられている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
話柄が途切れてしんとすると、暑さが身に沁みて、かんかん日のあたる胴の間に、折り重なっていぎたなく寝そべった労働者の鼾が聞こえた。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
老先生が眼鏡を掛て、階下したで牛肉を切つて居る間は、奧の二階は閑寂しんとして居る。
そこまで行くと人足達の姿も高い墓石に隠れて、唯土でも掘り起すらしい音が闃寂しんとした空気にひびけて伝わって来ていた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と幸三郎は飲めない酒を飲んでグッスリ寝付きますと、温泉場も一時(午前)から三時までの間は一際しんと致します。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それにもかかわらず邸内が陰森しんとして物寂しく、間ごとにともされた燭台の灯も薄茫然うすぼんやりと輪を描き、光の届かぬ隅々には眼も鼻もない妖怪あやかしが声を立てずに笑っていそうであり、人は沢山にいるらしいが暖かい人気ひとけを感じない。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
相変らず静寂しんとしている。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
やがて、貸切と書いた紙の白い、その門の柱の暗い、敷石のぱっとあかるい、静粛しんとしながらかすかなように、三味線さみせんが、チラチラ水の上を流れて聞える
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼にいわれたとおり、大悟たいごまなこをふさいで、もう生きる気も捨て、死ぬ気もすて、颯々と夜を吹くかぜと小糠星こぬかぼしの中に、骨のしんまで、冷たくなってしまったもののようであった。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長男正準せいじゅんでて相田あいだ氏をおかしたので、善庵の跡は次女の壻横山氏しんいだ。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)