“しん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シン
語句割合
20.1%
10.4%
9.1%
8.9%
8.7%
5.4%
4.7%
寂然2.9%
2.7%
2.5%
(他:319)24.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かれるものはこれも一しんはひ始末しまつをしてるおつぎのほかにはなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
日想観において観じ得た如来の姿を描くとすれば、西方海中に没しようとする懸鼓の如き日輪を、しんにして写し出す外はない。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
而してわれより出るしゆひかりわれしんぜずしてしゆしんずるにいた
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
人をつたものゝ受くるばつは、られたひとにくからる血潮であるとかたしんじてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
何程どれほど甘味うまみのあると云ふではないが、さびのある落ちついた節廻しは一座をしんとさせることが出来た。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
あたりはどこもしんと靜まり返つて、月明りとも靄ともつかないものゝ中で、魚の跳る音がする外は、話し聲一つ聞えません。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
千鳥等よ、お前等の啼く声を聞けば、しんから心がしおれて、昔の都の栄華のさまを偲ばれてならない、というのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
しんちゃん、だめじゃないか、こんどぼくがうまく命中めいちゅうしてみせるよ。」と、えいちゃんが、いいました。
真坊と和尚さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
近年この宇宙塵が雨のしんになるという説を出した人があって、大分学界をにぎわしているが、これには反対の学者も多い。
比較科学論 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
「ふん!」大次郎は不愉快気に顔をしかめて、「変えたのは、名前だけではないようだな。貴公、心のしんから変ったようだな。」
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ひとり探景の詩文のみに就きて云ふにあらず、すべての文章がしんに入ると神に入らざるとは、即ち此さかひにあり。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
神ならでは知ろしめされぬ人の運命、まずわが作にあらわれしは、自然の感応、自然の妙、技芸しんに入るとはこのことよ。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それに居まわりが居留地で、しんとして静かだから、海まで響いて、音楽の神がむ奥山からこだまでも返しそうです。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふと気色ばんだお珊のさまに、座がしんとして白けた時、表座敷に、テンテン、と二ツ三ツ、じめの音が響いたのである。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
急遽きゅうきょささやき合う声があちこちして、天井まで湧返わきかえはずを、かえって、瞬間、寂然しんとする。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……時に、その枕頭まくらもと行燈あんどんに、一挺消さない蝋燭があって、寂然しんてらしておりますんでな。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さて支那しなではしゆうのすゑしん時代頃じだいころから、かゞみつくられてゐたらしいのでありますが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
しんの時、武都ぶとの故道に怒特どとくやしろというのがあって、その祠のほとりに大きいあずさの樹が立っていた。
愈々いよいよしんにつく時が来た。藤次郎は予定通り短刀を要之助の目の前で戸棚にしまった。あとはもうねるばかりである。
夢の殺人 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
かれこれ三時近くまで働いていたと思いますが、私は先へ失敬してしまったから俊夫君のしんに就いた時間を知りませんでした。
墓地の殺人 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
こゝにおいて、第二子そうしん王にほうじ、藩に西安せいあんかしめ、第三子こうしん王に封じ
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
然るに二世瑞仙しんの子直温ちょくおんの撰んだ過去帖かこちょうには、独美の弟玄俊げんしゅんの子だとしてある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「だめだな、しんちゃんは、そんなのてなくてどうするのだい。ぼくなら、きっと、たたきころしてやったのに。」
はととりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
「かわいらしいね。」と、しんちゃんや、としちゃんが、ねこのまえにしゃがんで、あたまをなでてやりました。
僕たちは愛するけれど (新字新仮名) / 小川未明(著)
此方こちらしんからつくでもりやうにつては面白おもしろくなくえることもあらう
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しんから改心かいしんしてくださらねば心元こゝろもとなくおもはれますとて女房にようぼううちなげくに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かん高祖こうそ丁公ていこうりくし、しん康煕こうき帝がみん末の遺臣いしん擯斥ひんせき
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しん雍正ようせい十年六月の夜に大雷雨がおこって、けん県の県城の西にある某村では、村民なにがしが落雷に撃たれて死んだ。
ほり真中まんなかすを合点がつてんむきには、幾度いくどこさへてせてしんぜる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おれならがきにせられた足下おぬしぢゃ! わしいまめてしんぜよう名譽めいよはかに。
ところが世間の噂というものが妙に適中するものであるように、こうして親類たちの中傷の言葉が不思議にもしんをなしたのであった。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
八五郎の不作法な冗談が、不思議なしんをなして、佐渡屋にかゝるのろひは、これがほんの發端だつたのです。
『あのひと無事ぶじだな』とおもつてひとに、しんためしはないのです。
——結婚の世話になって以来、碌にしみじみ話をする機会も無いうちに、今井は杳然ようぜんとしてしんだ。
友人一家の死 (新字新仮名) / 松崎天民(著)
一言も云わず見返りもせず彼は橇を走らせた。間もなく彼と橇の影とは吹雪にまぎれて見えなくなった。森然しんと後は静かである。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
間もなく水狐族の部落へ来たが、以前このまえ来た時と変わりなく家々は森然しんと寝静まり、犬の声さえ聞こえない。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「大義しんめっすとでもいうか、徳川家のために、仮令たとい、本物であろうとも、贋者にせものとして処置しなければならぬ」
大岡越前の独立 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
中にも彼が仕途は水野美濃守の因夤いんいんによりしにかかわらず、彼は大義しんを滅すの理にり、彼をすらしりぞけたりき。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「『きみはずかしめらるればしんす』ということさえある。臣が君より上席に坐れば、とりもなおさず臣が君を辱めることになる」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「花岡にはじをかかせてやる。きみはずかしめられればしんす。正三位、切腹するぜ」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
むかあがりのこみちに、じり/\としんにほひてて咲揃さきそろつた眞晝まひる芍藥しやくやくと、横雲よこぐも眞黒まつくろ
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しじはじく椿のしんの粉のひかりそとの嵐には動くらし
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
自分じぶんしんのことよりほか何物なにものこゝろ往來わうらいしてはなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれの一しん有無うむすこしも村落むらためには輕重けいちようするところがなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
兄のしんは、大斧をよくつかい、弟のしん方天戟ほうてんげきの妙手として名がある。兄弟しめし合わせて、彼を挟み討ちに、
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
絜矩けっくの道をしんに書していた抽斎をさえ、度々忍びがたき目にわせていたからである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
子曰く、しんや、吾が道、一以て之を貫くと。曾子曰く、と。子ず。門人問いて曰く、何の謂ぞやと。曾子曰く、夫子の道は、忠恕のみと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
而るに形躯けいくを変幻し、草木に依附いふし、天くもり雨湿うるおうの夜、月落ちしん横たわるのあしたうつばりうそぶいて声あり。
牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
パチヤリとみづおともさせなければ、ばんはまた寂寞しんとしてかぜさへかない。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と得意の一節寂寞しんとする。——酔えばあおくなる雪のおもてに、月がさすように電燈の影が沈むや。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しんの文公は謀略を好んで正道によらなかった人であり、斉の桓公かんこうは正道によって謀略を用いなかった人である。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
いはく、しん石崇せきそうずや、かれ庶子しよしにして狐腋雉頭こえきちとうかはごろもあり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
思いも寄らぬ蜜柑みかんの皮、梨のしんの、雨落あまおち鉢前はちまえに飛ぶのは数々しばしばである。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
梨のしんを絞りしつゆも、木槿の花を煮こみし粥も、が口ならばうまかるべし。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これ私が千しん万難ばんなんを忍び、雪また雪をえ川また川を渡ってこの国に出て来た所以ゆえんである。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
周三は、畫室を出ると、また父に取捕まつて、首根くびねつこを押へ付けて置いてめ付けられるのがこはいのだ。で、しん氣臭いのをおつこちへて、穴籠と定めて了ふ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
というと戸締りは厳重にしてあり、近いといっても門から家までは余程へだって居りますが、雪の粛然しんとしているから、はるかに聞える女の声。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二人ふたりは連れだって中二階の前まで来たが、母屋おもやでは浪花節なにわぶし二切ふたきりめで、大夫たゆうの声がするばかり、みんな耳を澄ましていると見えて粛然しんとしている。
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
足寄あしょろにて渋田しぶたに一泊し、西村が傷をしんす。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
〔評〕南洲を病む。英醫偉利斯いりす之をしんして、勞動らうどうすゝむ。南洲是より山野に游獵いうれふせり。人或は病なくして犬をき兎をひ、自ら南洲を學ぶと謂ふ、なり。