“容色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きりょう69.5%
きりやう17.9%
ようしょく3.2%
ようしよく2.1%
いろかたち1.1%
いろめ1.1%
かおいろ1.1%
かほかたち1.1%
きりよう1.1%
みめ1.1%
みめかたち1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、串戯じょうだんではありません、容色きりょう風采とりなりこの人に向って、つい(巡礼結構)といった下に、思わず胸のせまることがあったのです。——
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昔から優しい性質の女で、容色きりやうよしのお文さんは、私のために「ばい、蟹、いかの刺身」などこの国自慢の献立をして私を悦ばせた。
念仏の家 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
三重子はその写真の中に大きいピアノを後ろにしながら、男女三人の子供と一しょにいずれも幸福そうに頬笑ほほえんでいる。容色ようしょくはまだ十年前と大した変りも見えないのであろう。
早春 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しん少主せうしゆとき婦人ふじんあり。容色ようしよく艷麗えんれい一代いちだいしかしておびしたむなしくりやうあしともにもゝよりなし。常人じやうじんことなるなかりき。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
人眼が怖いか裏口から、横町へ抜ける細道伝いに娘お糸が今しも自家いえを出るところ、町家にしては伊達者めいた艶姿、さすが小町の名を取っただけ、容色いろかたち着付の好み、遠眼ながら水際立って見えた。
秋の夜の目さましに、三〇そと見せよとて、すこしも騒ぎたる三一容色いろめなし。翁いふ。かく参りたるは、三二魑魅ちみにあらず人にあらず。君が三三かしづき給ふ黄金わうごん精霊せいれいなり。
安眠は何よりも容色かほかたちを美しくするものだといふ事を思ふと、荷馬車の音も聞かないで、ぐつすり眠る事の出来るヴエニス女の美しいのに何の不思議はない筈だ。
つぎに、容色きりようだつて十人なみよりいぢやありませんかと梅子が云つた。是にはちゝあにも異議はなかつた。代助も賛成のむねを告白した。四人はそれから高木の品評に移つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
の古戦場をよぎつて、矢叫やさけびの音を風に聞き、浅茅あさじはらの月影に、いにしえの都を忍ぶたぐひの、心ある人は、此のおうなが六十年の昔をすいして、世にもまれなる、容色みめよき上﨟じょうろうとしても差支さしつかえはないと思ふ
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「それでは、今日はこれでおいとまいたしますわ。でも御安心くださいませ。容色みめかたちの点では、もう見る影もございませんけれど、身体だけは、このとおり、すこやかでございますから」
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)