小寺菊子
1883.08.07 〜 1956.11.26
著者としての作品一覧
河原の対面(新字旧仮名)
読書目安時間:約32分
それは春とは云つても、まだ寒い頃であつた。北の海から冷々としたうら寂しい風が吹いて来て、空にはどことなく冬のやうな底重い雲が低く垂れ込めてゐた。庭の植込みを囲んであつた「雪除」がや …
読書目安時間:約32分
それは春とは云つても、まだ寒い頃であつた。北の海から冷々としたうら寂しい風が吹いて来て、空にはどことなく冬のやうな底重い雲が低く垂れ込めてゐた。庭の植込みを囲んであつた「雪除」がや …
父の帰宅(新字旧仮名)
読書目安時間:約22分
「あれ誰だか、兄さんは知つとるの!」 「知らん!」 「ちよつとそこ覗いて来ると分るわ。」 小学校から帰つて来た兄と妹である。部屋一つ隔てた奥の座敷を、兄の孝一は気味わるさうにそつと …
読書目安時間:約22分
「あれ誰だか、兄さんは知つとるの!」 「知らん!」 「ちよつとそこ覗いて来ると分るわ。」 小学校から帰つて来た兄と妹である。部屋一つ隔てた奥の座敷を、兄の孝一は気味わるさうにそつと …
念仏の家(新字旧仮名)
読書目安時間:約17分
私の家の祖先は、越中の国水橋といふ小さな漁村の生れであつた。 「有磯の海」といふのである。枕の草紙に、「渡りはしかすがの渡、こりずまの渡、みづはしの渡」とある。その水橋である。文治 …
読書目安時間:約17分
私の家の祖先は、越中の国水橋といふ小さな漁村の生れであつた。 「有磯の海」といふのである。枕の草紙に、「渡りはしかすがの渡、こりずまの渡、みづはしの渡」とある。その水橋である。文治 …
“小寺菊子”について
小寺 菊子(こでら きくこ、1884年8月7日 - 1956年11月26日)は、日本の小説家。
富山県出身。旧姓は尾島。徳田秋声に師事し、1911年に『父の罪』が大阪朝日新聞の懸賞小説に入選。同年に『青鞜』に参加し、自然主義的手法で女を描く。1914年に画家の小寺健吉と結婚し、筆名も小寺とする。少女小説を多く書いた。戦時中に筆を折る。
(出典:Wikipedia)
富山県出身。旧姓は尾島。徳田秋声に師事し、1911年に『父の罪』が大阪朝日新聞の懸賞小説に入選。同年に『青鞜』に参加し、自然主義的手法で女を描く。1914年に画家の小寺健吉と結婚し、筆名も小寺とする。少女小説を多く書いた。戦時中に筆を折る。
(出典:Wikipedia)
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