“風采”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ふうさい78.7%
とりなり5.9%
なり3.5%
ふう2.4%
みなり2.4%
ふうつき2.1%
ようす1.7%
やうす1.4%
ありさま0.3%
おしだし0.3%
(他:3)1.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“風采”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語6.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.8%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
月が明るく中天に上っていて、えんな深夜に上品な風采ふうさいの若い殿上人の歩いて行くことははなやかな見ものであった。
源氏物語:30 藤袴 (新字新仮名) / 紫式部(著)
さりとて本場をめる関角力といふ風采ふうさいにもあらねば、通り掛りの武者修行といふ打扮いでたちにもあらざりけり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
……で、薄ら寒いか両袖を身震いして引合わせたが、肩が裂けるか、と振舞は激しく、風采とりなり華奢きゃしゃに見えた。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その人柄、風采とりなり、姉妹ともつかず、主従でもなし、親しい中の友達とも見えず、従姉妹いとこでもないらしい。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
学生風でも、サラリーマン風でも、成るべくその家の人々が案内を知らぬ方面で、その令嬢が好きそうな風采なりをして接近する。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
前後あとさき七年ばかりの間、内端に打解けたような、そんな風采なりをしていたのは初めてかと思う。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、見た処は芸妓げいしゃ内証歩行ないしょあるきという風だから、まして女優の、忍びの出、と言っても風采ふう
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
帽子あたまも靴も艶々てらてらと光る、三十ばかりの、しかるべき会社か銀行で当時若手のけものといった風采ふう
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勤め先からの帰りと覚しい人通りがにわかにしげくなって、その中にはちょっとした風采みなりの紳士もある。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
女は突然立止たちとゞまりて、近くの街燈をたよりに、少時しばし余が風采みなりを打眺め候ふが、忽ちべにしたる唇より白き歯を見せて微笑み候。
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
保険か何ぞの勧誘員が、紹介人と一所に来たらしい風采ふうつきなのを、さも恋路ででもあるように、老人感に堪えた顔色かおつきで、
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
細い銀煙管ぎんぎせるを持ちながら、たなが違いやす、と澄まして講談本を、ト円心まるじんかざしていて、行交う人の風采ふうつきを、時々
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
補綴つぎのあたりし古股引ふるももひきをはきたる男の、髪は塵埃ほこりまみれてしらけ、面は日に焼けて品格ひんなき風采ようすのなおさら品格なきが
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
然し、この歯医者ばかりは、私も風采ようすが好と思いましたのです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
つねにはのみにこゝろまらざりし結城ゆうき風采やうす今宵こよひなんとなく尋常なみならずおもはれて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
常にはさのみに心も留まらざりし結城の風采やうす今宵こよひは何となく尋常なみならず思はれて、肩巾かたはばのありて背のいかにも高き処より、落ついて物をいふ重やかなる口振り
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
美女たをやめ風采ありさまは、むらさき格目こまめうへに、にじまくらした風情ふぜいである。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
流石さすが代議士の候補者と名乗る丈あつて、風采おしだしは堂々とした立派なもの。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そのくせ、当の安成やすなり三五兵衛その者は、どういう人かと見ると、これはまた、痩身そうしんころもにも耐えずという風采すがたで、まなざしは執着のねばりを示し、眉は神経質に細くひいて、顔いろだけが長い旅にけているが、その唇は冷やッこくすねて、哄笑も微笑も忘れているかに見える。
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
隆とした其風采なりふりを眺めたばかりでも、いかに斯の新進の政事家が虚栄心の為に燃えて居るかを想起おもひおこさせる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
丑松は文平の瀟洒こざつぱりとした風采なりふりを見て、別に其を羨む気にもならなかつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その下萌したもえの片笑靨かたえくぼのわずかに見えたる、情を含む眼のさりとも知らず動きたる、たおやかなる風采ものごしのさらに見過ごしがてなる、ああ、辰弥はしばし動き得ず。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)