風采やうす)” の例文
常には左のみに心も留まらざりし結城の風采やうすの今宵は何となく尋常なみならず思はれて、肩巾のありて脊のいかにも高き處より、落ついて物をいふ重やかなる口振り
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
髪は塵埃ほこりまみれて白け、面は日に焼けて品格ひんなき風采やうすの猶更品格なきが、うろ/\のそ/\と感応寺の大門を入りにかゝるを、門番尖り声で何者ぞと怪み誰何たゞせば、吃驚して暫時しばらく眼を見張り
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
常にはさのみに心も留まらざりし結城の風采やうす今宵こよひは何となく尋常なみならず思はれて、肩巾かたはばのありて背のいかにも高き処より、落ついて物をいふ重やかなる口振り
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つねにはのみにこゝろまらざりし結城ゆうき風采やうす今宵こよひなんとなく尋常なみならずおもはれて、肩巾かたはゞのありてのいかにもたかところより、おちついてものをいふおもやかなる口振くちぶ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)