“背”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そむ34.9%
せ18.1%
せな13.0%
せい8.9%
そびら7.8%
うしろ6.1%
せなか4.5%
うし1.8%
はい0.7%
そ0.3%
ウシロ0.3%
そが0.2%
たけ0.2%
みね0.2%
せお0.2%
そがひ0.2%
そび0.2%
そむく0.2%
あと0.1%
お0.1%
しょ0.1%
しり0.1%
せびら0.1%
せほ0.1%
せー0.1%
ぜい0.1%
そむき0.1%
そむけ0.1%
そら0.1%
ぞびら0.1%
なせ0.1%
むね0.1%
セ0.1%
ソビラ0.1%
ソム0.1%
バツク0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
奥平家は、その地方の豪族だが、初め今川に属し、後徳川に附き、更に信玄に服し、今度勝頼に背(そむ)いて、徳川に帰順したわけである。
長篠合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
その足跡から推(お)すと、背(せ)の高さ一メートルにちかく、体重も六、七十キロくらいはたしかにある。おそろしくたくましいやつらしい。
打見たよりも山は高く、思うたよりも路は急に、靴の足は滑りがちで、約十五分を費やして上り果てた時は、額(ひたい)も背(せな)も汗(あせ)ばんで居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
背(せい)は少し低い方であったが、品位と優美と才気とを備えたりっぱな男であった。その生涯の前半は社交と情事とのうちに費やされた。
「御免なさいな。」となお笑いながら平気なもので、お夏は下に居て片袖の袂(たもと)を添えて左手(ゆんで)を膝に置いて、右手(めて)で蔵人の背(そびら)を撫(な)でた。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
男女の別は、男は多く仰(あお)ぎふし、女は多くうつふしになりたるなり。旅店の背(うしろ)なる山に登りて見るに、処々に清泉あり、水清冽(せいれつ)なり。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
お庄は背(せなか)や股(もも)のあたりにびっしょり汗を掻きながら、時々蓄音機の前や、風鈴屋の前で足を休めて、背(せなか)で眠りかける子供を揺り起した。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
北側のピッツォ・ディ・パリュ Pizzo di Palü, 3912m. まで、極めて大規模な曲線を画がいて、背(うし)ろには
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
敗(やぶ)れたる專(せん)門棋士(きし)の胸(けう)中や果(はた)して如何に? どんな勝負(せうふ)事も背(はい)後に生活(くわつ)問題(もんだい)が裏(うら)附けるとなれば一そう尖鋭化(せんえいくわ)してくる事は明かだが
私の画業は当然進まず、似もつかぬ画中の山から眼を背(そ)むけて、筆を投ぜんとしたのも幾たびか。だが、また気を取り直し、明日を期しては、悩む頭を旅枕に。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
當麻(タギマ)の村にありながら、山田寺(デラ)と言つたからである。山の背(ウシロ)の河内の國安宿部郡(アスカベゴホリ)の山田谷から移つて二百年、寂しい道場に過ぎなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
揺れやすき母の寝息の耳につきて背(そが)ひには向けど愛(かな)し我が母よ (拾遺)
文庫版『雀の卵』覚書 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あの閨(ねや)の背(たけ)比べ——恥ずかしがりやの私には、これまで貴方のお身体を、しみじみ記憶に残す機会がございませんでした。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
春日重蔵は木剣の背(みね)からずッと自斎の構えを見て数十度の試合にもかつて体験のない驚異に衝(う)たれた。彼の立青眼はそそり立つ峰か、堅固の金城の如く、全身羽毫(うごう)の隙もなかった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はそこで牛の番をしながら日を暮して、夕方になると薪を背(せお)つて、牛を追つて山から下りて來る。一日中家にゐないので僕ははじめの中彼とあまり會ふ機會がなかつた。
南方 (旧字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
人々を見てあやしげにまもりたるに、真女子もまろやも此の人を二七五背(そがひ)に見ぬふりなるを、翁、渠(かれ)二人をよくまもりて、あやし、此の邪神(あしきかみ)、など人をまどはす。
「でも、その刑罰を軽くしてさしあげる力は、あたしにはありませんもの。」さう言つて、カテリーナは背(そび)らを返した。
致さず押返(おしかへ)して予が沙汰に及ばざる内は幾度(いくど)も御斷(ことわ)り申立べし是は其方より上意を背(そむく)には非(あら)ず言(いは)ば我等が御意を背儀なれば少しも心遣ひなく存じ居(をる)べしと御懇切(ねんごろ)なる御意を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
雨上りの泥道をひたすら急ぐ藤吉の背(あと)から、勘次と彦兵衛の二人が注進役の小僧を中に小走りに随(つ)いて行った。
然(さ)れば、馬琴の八房は玉梓の後身たること、仏説に拠(よ)つて因果の理を示すものなること明瞭なり、然(しか)して、この八房をして伏姫を背(お)ひ去るに至らしめたる原因は何ぞと問ふに、事成る時は
日に焼けたるパナマ帽子、背広の服、落着(おちつき)のある人体(じんてい)なり。風呂敷包を斜(はす)に背(しょ)い、脚絆草鞋穿(きゃはんわらじばき)、杖(ステッキ)づくりの洋傘(こうもり)をついて、鐘楼の下に出づ。打仰ぎ鐘を眺め
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
身を低めて背(しり)えに退いたから源十郎はすんでのことでわれと吾が足を愛刀の鋩子(さき)にかけるところだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私は従姉(いとこ)をたずねていって、暗澹(あんたん)たる有様に胸をうたれて途方にくれたことがある。これが、あのはなやかに、あでやかに見える、左褄(ひだりづま)をとる女(ひと)の背(せびら)に負う影かと——
子供を背(せほ)ふたやうに十文字に細紐で背中にくゝりつけてゐた。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
色の黒い背(せー)の高くて髪の綺麗ではっきりした口の利(き)けない友達の様子をなんか思い出したりした。
千世子(二) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
誰にでも笑いかけそうに、そのくせ固く結んでいる口辺には、侵(おか)すことを許さない意志の力が覗いているような、気がする。中肉中背(ぜい)である。いや、いささか肥(ふと)っているほうかも知れない。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
一 兄公(こじゅうと)女公(こじゅうとめ)は夫の兄弟なれば敬ふ可し。夫の親類に謗(そし)られ憎(にくま)るれば舅姑の心に背(そむき)て我身の為には宜(よろし)からず。睦敷(むつまじく)すれば嫜の心にも協う。又娌(あいよめ)を親み睦敷すべし。殊更夫の兄(あに)嫂(あによめ)は厚(あつく)敬(うやま)ふべし。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
坂口とビアトレスはフト目を見合せたが、二人は窓の外に眼を背(そら)してしまった。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
泉屋の隠居二人を殺した大事件を、——しかも、半刻経たないうちに知れるはずのことを、平次は教えようともせずに背(ぞびら)を見せます。
いきなり後(うしろ)からお背(なせ)を推して、お手を引張(ひっぱ)ってというわけにもゆかないのでね、まあ、御挨拶(ごあいさつ)半分に、お邸はアノ通り、御身分は申すまでもございません。
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
基康 (刀を抜き背(むね)にて俊寛の手を打つ。俊寛、手を放す)急いで漕(こ)げ。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
白くほのかに、凡、人の背(セ)たけほど、移つて行く煙——二間ほど隔てゝ動いて行く影——。
死者の書 続編(草稿) (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
もつと溯つて「額に矢は立つとも背(ソビラ)に矢は負はじ」
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
モシ臣死スルノ日ハ、内ニ余帛(ヨハク)アリ、外ニ贏財(エイザイ)アラシメテ、以テ、陛下ニ背(ソム)カザル也。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
須磨の鉄拐山が夕日を背(バツク)にして紫色に見える。斜面の上に立つ灘、東明、西宮の村々が油画のやうに浮き出して来る。