“衝”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
79.5%
5.7%
しょう3.9%
あた2.4%
つい1.5%
つッ1.5%
つか1.1%
つつ0.8%
つき0.6%
0.6%
しよう0.5%
つっ0.5%
つゝ0.5%
0.3%
うっ0.2%
せう0.2%
つツ0.2%
ぶつ0.2%
むか0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
驚きの声が、多勢の口をいて出ました。井戸の底にあるのは、——さんたる大判小判?——いやそんな生優しいものではありません。
……やがて、誦念ずねんいたしている姿の気だかさに驚きました。たれたのでございます。何か、こう五体がしびれるように思いました。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「君のことだから、出来る限りは便宜を計りますよ。イヤ、捜査に関することなら、僕の方でそのしょうに当りますよ。だが、一体何です」
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
のみならず、陸上の倉庫へ突きあたり、運搬の時間を食らい、腐敗する上に於ては最も都合よき実物となって横たわり出したのだ。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
河野の姿が、横ざまに飛んで、あたふた先へ立ってドアを開いて控えたのと、擦違いに、お妙はついと抜けて、顔に当てた袖を落した。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
横にねて、ずりおりる子供の重みで、するりと半纏の襟がすべると、肩から着くずれがして、を一文字につッと引いた、ぬめのような肌が。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼は余りに急いだため、余りに夢中であつたため、丁度その時、上から降りようとした人に、烈しくつかつてしまつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
そのままつつと膝を掛ける、と驚いて背後うしろへ手をく、葛木のせたせなに、片袖当ててもすそを投げて
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
魯威インドにふるふ時は、東洋の諸国自から漸々その害を蒙らざるを得ず。此時に至らば米国は直に“カナダ”を奪ひ、海軍を以て英の“アイルランド”をつきて之を取るべし。
黒田清隆の方針 (新字新仮名) / 服部之総(著)
広巳は狂人きちがいのようにへやを飛びだした。飛びだすひょうしに体が障子につかって大きな音をたてた。定七は驚いて広巳をつかまえようとしたが及ばなかった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
南無三寶なむさんばうした。ぶく/\のし/\と海坊主うみばうず。が——あゝ、これ元來ぐわんらい懸念けねんした。みちしようにあたつたり。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「もう、私は、」とたまりかねたか、早瀬の膝をハタと打つと、赤らめた顔を手巾ハンケチで半ばおおいながら、茶店を境内へつっと出る。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仲の善い夫婦で、思いに思った仲でございますから、おまんまを食べても物をつゝき合って食べるが面白いという間柄です。三八も馴染だから
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
やゝもすれば彼の顔に打つかつたが、そんなことには元来頓着ない彼であつた。
医者と赤ン坊 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
死と生とうって詩が湧く生が咲
鶴彬全川柳 (新字旧仮名) / 鶴彬(著)
金太郎はきうに、一切のことをたれかに話して、自分とそのろう人とが同じ危けん状態にあつたことを現在世かい中で自分だけが知つてゐるといふこの祕密ひみつから、いちはやく解ほうされたいせう動をうけた。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
といひかけてつツち、つか/\と足早あしばや土間どまりた、あまのこなしが活溌くわツぱつであつたので、拍手ひやうし黒髪くろかみさきいたまゝうなぢくづれた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
慌ただしい率八の跫音あしおとが、どどどどッと来て納屋の外へぶつかったかと思いますと
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
松塘が長句に曰く「去年正月尋君時。手挈杉田梅一枝。今年春又君問我。衝門先覚香風吹。担来繁蕊如人白。一堂照映坐為窄。」〔去年正月君ヲ尋ネシ時/手ニひっさグ杉田ノ梅一枝/今年春又君我ヲ問フ/門ニむかヒテ先ヅ覚ユ香風ノ吹クヲ/かつギ来ル繁蕊人ノ白キガ如シ/一堂照映シテおのずかせまシト為ス〕云々。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)