“緋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
98.0%
あか2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一とわたり祈祷がすむと、先達の女房でおまんという四十女が、黒ずくめの品の良い様子で、はかまの少女に案内させて出て来ました。
すると、突然、の緞帳の裾から、桃色のルイザが、吹きつけた花のように転がり出した。裳裾もすそが宙空で花開いた。緞帳は鎮まった。
ナポレオンと田虫 (新字新仮名) / 横光利一(著)
長吉はいやなものを吐きだすように云ってから口をつぐんだ。短冊たんざくのような型のあるあか昼夜帯ちゅうやおびを見せたお鶴が、小料亭こりょうりやじょちゅうのような恰好かっこうをして入って来た。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
みちに落ちたあかい木の葉も動かない、月は皎々こうこう昭々しょうしょうとして、磯際の巌も一つ一つ紫水晶のように見えて山際の雑樹ぞうきが青い、穿いた下駄の古鼻緒も霜を置くかと白く冴えた。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)