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緋
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ひ
ふりがな文庫
“
緋
(
ひ
)” の例文
一とわたり祈祷がすむと、先達の女房でお
万
(
まん
)
という四十女が、黒ずくめの品の良い様子で、
緋
(
ひ
)
の
袴
(
はかま
)
の少女に案内させて出て来ました。
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
すると、突然、
緋
(
ひ
)
の緞帳の裾から、桃色のルイザが、吹きつけた花のように転がり出した。
裳裾
(
もすそ
)
が宙空で花開いた。緞帳は鎮まった。
ナポレオンと田虫
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
呀
(
やあ
)
?
衣
(
きぬ
)
も
扱帶
(
しごき
)
も
上
(
うへ
)
へ
摺
(
ず
)
つて、するりと
白
(
しろ
)
い
顏
(
かほ
)
が
襟
(
えり
)
に
埋
(
うま
)
つた、
紫
(
むらさき
)
と
萌黄
(
もえぎ
)
の、
緋
(
ひ
)
を
流
(
なが
)
るゝやうに
宙
(
ちう
)
に
掛
(
か
)
けて、
紳士
(
しんし
)
は
大跨
(
おほまた
)
にづかり/\。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼は
緋
(
ひ
)
のチョッキを着て、すべてを打ち砕くような言葉を発していた。そのチョッキにひとりの通行人は驚いて、我を忘れて叫んだ。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
旅
(
たび
)
の
途中
(
とちゅう
)
で、
煙草畑
(
たばこばたけ
)
に葉をつんでいる少女に
会
(
あ
)
った。少女はついこのあいだ、
緋
(
ひ
)
おどし
谷
(
だに
)
から
里
(
さと
)
へ帰ってきた
胡蝶陣
(
こちょうじん
)
のなかのひとり。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
緋
(
ひ
)
の
衣
(
ころも
)
を見たという者が出てきました。何か人間の形をした大きなものが暗い空をふわりふわり飛んでいた、という者が出てきました。
天狗の鼻
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
伝説によると、ときどき海上に
緋
(
ひ
)
の
袴
(
はかま
)
を着けた美人が現れて、漁船に妨害を加うるとのことである。漁夫は大いにこれをおそれている。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
真面目
(
まじめ
)
な顔で小母さんは造花を咲かせ続けた。紫の花。
褪紅色
(
たいこうしょく
)
の蕾。緑の葉。
緋
(
ひ
)
の花。——クレエム・ペエパァの安っぽい造花であった。
街底の熔鉱炉
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つたる
大形
(
おほがた
)
の
裕衣
(
ゆかた
)
に
引
(
ひつ
)
かけ
帶
(
おび
)
は
黒繻子
(
くろじゆす
)
と
何
(
なに
)
やらのまがひ
物
(
もの
)
、
緋
(
ひ
)
の
平
(
ひら
)
ぐけが
背
(
せ
)
の
處
(
ところ
)
に
見
(
み
)
えて
言
(
い
)
はずと
知
(
し
)
れし
此
(
この
)
あたりの
姉
(
あね
)
さま
風
(
ふう
)
なり
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御車は無紋の黒塗、
海老染
(
えびぞめ
)
模様の
厚毛布
(
あつげっと
)
を掛けて、
蹴込
(
けこみ
)
には
緋
(
ひ
)
の毛皮を敷き、五人の車夫は大縫紋の
半被
(
はっぴ
)
を着まして、前後に
随
(
したが
)
いました。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
金之助は
摺足
(
すりあし
)
ではいった。
緋
(
ひ
)
の
毛氈
(
もうせん
)
を敷いて、
酒肴
(
しゅこう
)
の膳を前に民部康継が坐っていた。金之助は思わずあっと云ってそこへ手をおろした。
落ち梅記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
いかさま年は二十七、八、髪はおすべらかしに、
緋
(
ひ
)
のはかまをはいて、紫
綸子
(
りんず
)
の斎服に行ないすました姿は、穏やかならぬ美人なのです。
右門捕物帖:34 首つり五人男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
緋
(
ひ
)
いろ勝ちの
臥床
(
ふしど
)
の上に、
楚々
(
そそ
)
と起き直っている彼女を一目見て、なるほど
公方
(
くぼう
)
の
寵
(
ちょう
)
をほしいままにするだけの、一代の美女だと思った。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
いつか絵本で、日本の大将が、まえだてのついた
冑
(
かぶと
)
と
緋
(
ひ
)
おどしの鎧をきて、戦争に行く勇しい姿をみたことがあったからです。
海からきた卵
(新字新仮名)
/
塚原健二郎
(著)
これは信者の婦人が
楽器
(
なりもの
)
入
(
い
)
りで、
白装束
(
しろしょうぞく
)
、
緋
(
ひ
)
の
袴
(
はかま
)
、下げ髪で踊るのだった。なにしろ物見高い土地だから人だかりはすぐする。
旧聞日本橋:10 勝川花菊の一生
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
思ひ切つたる大形の
浴衣
(
ゆかた
)
に引かけ帯は
黒繻子
(
くろじゅす
)
と何やらのまがひ物、
緋
(
ひ
)
の
平
(
ひら
)
ぐけが背の処に見えて言はずと知れしこのあたりの姉さま風なり。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
女は年の頃十八、九であろうか、
緋
(
ひ
)
の
袴
(
はかま
)
を穿いていた。そうして上着は十二
単衣
(
ひとえ
)
であった。しかも胸には珠をかけ、手に
檜扇
(
ひおうぎ
)
を持っていた。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
金比羅
(
こんぴら
)
さんの
天狗
(
てんぐ
)
さんの
正念坊
(
しょうねんぼう
)
さんが雲の中で踊っとる。
緋
(
ひ
)
の衣を着て天人様と一緒に踊りよる。わしに来い来いいうんや。
屋上の狂人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
年をとった巫女が白い衣に
緋
(
ひ
)
の
袴
(
はかま
)
をはいて
御簾
(
みす
)
の陰にさびしそうにひとりですわっているのを見た。そうして私もなんとなくさびしくなった。
日光小品
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
雨の夜に、日本近く、とぼけて流れ込む浦川へ、黒船に、乗りこむ八百人、大づつ小づつをうちならべ、
羅紗
(
らしゃ
)
しょうじょう
緋
(
ひ
)
のつっぽ
襦袢
(
じゅばん
)
……
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と云いながら倉前へ来て見ますと、
緋
(
ひ
)
の縮緬の
扱
(
しご
)
きが一本、
傍
(
そば
)
に浴衣が有りまして、ポタリ/\と血が垂れて居ますを見て由兵衞は慄え上り
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
窓掛の間から野性の
雛芥子
(
ひなげし
)
の燃える樣な
緋
(
ひ
)
の色が見える。四時と云ふのに一分の違ひも無しに巴里の北の
停車場
(
ギヤアル
)
に着いた。
巴里まで
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
これとても
狩野古方眼
(
かのうこほうげん
)
が始めて夢想したという説もあって、中古には
緋
(
ひ
)
の
衣
(
ころも
)
に
羽団扇
(
はうちわ
)
などを持った
鼻高様
(
はなたかさま
)
は想像することができなかったのである。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
夜は不用なパラソルを持っていることも、燃え立つような
緋
(
ひ
)
の羽毛飾りをつけた滑稽な丸い麦わら帽子のことも、何もかも忘れ果てたようである。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
お写真を見せていただきましたが、すらりとした立姿、おすべらかしに
緋
(
ひ
)
の
袴
(
はかま
)
、宮中へ参内の時のお姿でしょう、お品がよくて立派なものでした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
雨に悩める、露に
※
(
うる
)
ほへる、いづれ艶なるおもむきならぬは無し。
緋
(
ひ
)
木瓜
(
ぼけ
)
はこれの
侍婢
(
こしもと
)
なりとかや。あら美しの姫君よ。人を迷ひに誘ふ無くば幸なり。
花のいろ/\
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
何一つ家具らしいもののない八畳の部屋、水のような暮色がしずかに隅々からはいよるその中央に
褪
(
あ
)
せた
緋
(
ひ
)
もうせんを敷いて一人の翁が端座している。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ひとりの少女が、
緋
(
ひ
)
のマントをメロスに捧げた。メロスは、まごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。
走れメロス
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
まっ黒な背景の中に、
緋
(
ひ
)
の
衣
(
ころも
)
の様な、真赤な道化服を着た一寸法師が、大の字に立ちはだかっていた。その
足許
(
あしもと
)
には血糊のついたダンビラが転っていた。
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
きれいな身なりをして化粧をした
朝臣
(
あそん
)
たちをたくさん見たが、
緋
(
ひ
)
のお上着を召した端麗な
鳳輦
(
ほうれん
)
の中の
御姿
(
みすがた
)
になぞらえることのできるような人はだれもない。
源氏物語:29 行幸
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
いちばん上のお
嫁
(
よめ
)
さんは二十三で、
白
(
しろ
)
い
小
(
こ
)
そでに
緋
(
ひ
)
のはかまをはいていました。二ばんめのお
嫁
(
よめ
)
さんは
二十
(
はたち
)
で、
紫
(
むらさき
)
の
小
(
こ
)
そでに
桃色
(
ももいろ
)
のはかまをはいていました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
その横に敷いてあるオモヨさんの寝床は
藻抜
(
もぬ
)
けの殻で、夜具が裾の方に畳み寄せてありまして、
緋
(
ひ
)
ぐくしの高枕が床のまん中に置いてある切りで御座います。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
帯上げは上に、腰帯は下に、帯を中にして二つの併行線を
劃
(
かく
)
した
緋
(
ひ
)
と、折り返して据わった裾に、三角形をなしている襦袢の緋とが、
先
(
ま
)
ずひどく目を
刺戟
(
しげき
)
する。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
聞て三五郎是は有難しと後に
尾
(
つい
)
て大方丈を
通拔
(
とほりぬけ
)
鼓樓
(
ころう
)
の下を
潜
(
くゞ
)
りて和尚の座敷の
縁側
(
えんがは
)
へ
罷
(
まか
)
り出平伏なすに此時
可睡齋
(
かすゐさい
)
は靜かに
緋
(
ひ
)
の
衣
(
ころも
)
の袖をかき合せながら三五郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
丁度
墨染
(
すみぞめ
)
の麻の衣の禅匠が役者のような
緋
(
ひ
)
の衣の坊さんを
大喝
(
だいかつ
)
して三十棒を
啗
(
くら
)
わすようなものである。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
天蓋
(
てんがい
)
の、
華鬘
(
けまん
)
の、
金襴
(
きんらん
)
の帯の、雲の幾流は、
緋
(
ひ
)
になびき、なびきて朱となり、
褪紅
(
たいこう
)
となり、
灰銀
(
かいぎん
)
をさえ
交
(
まじ
)
えたやわらかな毛ばだちの
樺
(
かば
)
となり、また葡萄紫となった。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
アーサーは我とわが胸を
敲
(
たた
)
いて「黄金の冠は
邪
(
よこしま
)
の頭に
戴
(
いただ
)
かず。天子の衣は悪を隠さず」と壇上に延び上る。肩に
括
(
くく
)
る
緋
(
ひ
)
の衣の、裾は開けて、白き裏が雪の如く光る。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
殊にこの僧都は
天台
(
てんだい
)
とか
真言
(
しんごん
)
とかの美くしい
緋
(
ひ
)
の
衣
(
ころも
)
でも
著
(
き
)
た坊さんであろうから、それが春の水の上に浮んでいるところに、美くしさの上の調和もあるのであろう。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
午後三越に行った、
緋
(
ひ
)
の裾を絹足袋のつま先にさばいて人群をすりぬける事は真に快い物であった。
日記:02 一九一四年(大正三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
尽
(
ことごと
)
く
窓帷
(
カアテン
)
を引きたる十畳の
間
(
ま
)
は
寸隙
(
すんげき
)
もあらず
裹
(
つつ
)
まれて、火気の
漸
(
やうや
)
く春を蒸すところに、宮は
体
(
たい
)
を
胖
(
ゆたか
)
に
友禅縮緬
(
ゆうぜんちりめん
)
の
長襦袢
(
ながじゆばん
)
の
褄
(
つま
)
を
蹈披
(
ふみひら
)
きて、
緋
(
ひ
)
の
紋緞子
(
もんどんす
)
張の
楽椅子
(
らくいす
)
に
凭
(
よ
)
りて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その計略成就して、数百里のあいだの
老若男女
(
ろうにゃくなんにょ
)
がみな集まった。そこで、紫や
緋
(
ひ
)
や黄の
綾絹
(
あやぎぬ
)
をもって幾重にも仏像をつつみ、拝む者があれば先ずその一重を
剥
(
は
)
いで見せる。
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いつの間にか俺は
緋
(
ひ
)
の
友禅
(
いうぜん
)
の座蒲団の上に坐るやうになつた。軽井沢へ別荘も立てた。日本食と洋食と別別に料理番も置いた。
置酒高会
(
ちしゆかうくわい
)
もする。俺の生活費は段段
嵩
(
かさ
)
んでくる。
畜生道
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
けれども、ふと机の
抽斗
(
ひきだし
)
を開けてみると、中から思わぬ物が出てきた。
緋
(
ひ
)
の紋羽二重に
紅絹
(
もみ
)
裏のついた、一尺八寸の
襦袢
(
じゅばん
)
の片袖が、八つに畳んで抽斗の奥に突っ込んであった。
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
服装
(
ふくそう
)
は
私
(
わたくし
)
の
時代
(
じだい
)
よりはやや
古
(
ふる
)
く、
太
(
ふと
)
い
紐
(
ひも
)
でかがった、
広袖
(
ひろそで
)
の
白衣
(
びゃくい
)
を
纏
(
まと
)
い、そして
下
(
した
)
に
緋
(
ひ
)
の
袴
(
はかま
)
を
穿
(
は
)
いて
居
(
い
)
るところは、
何
(
ど
)
う
見
(
み
)
ても
御所
(
ごしよ
)
に
宮仕
(
みやづか
)
えして
居
(
い
)
る
方
(
かた
)
のように
窺
(
うかが
)
われました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
瞼
(
まぶた
)
をいたくする
緋
(
ひ
)
ラシャの洋服を着て、雲つくような獣に似た姿をのっそりあらわして来る。そいつを視野のなかに押しこめ、見おろそうとする彼の
呼吸
(
いき
)
づかいは荒くなった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
緋
(
ひ
)
の
絨毯
(
じゅうたん
)
を敷き詰めた洋間でありながら、ブェランダ
紛
(
まが
)
いの広い縁側がついて、明け放した大きな
硝子
(
ガラス
)
戸からは海や谷底を見下ろして、さっきよりもっと眺望のいい部屋でした。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
その編笠の紐の
緋
(
ひ
)
鹿
(
か
)
の
子
(
こ
)
の、くっきりと映えるような美しいのも居たというが、着物はすべて木綿に限ったもので、あの人達ほど木綿の着物をしゃんと着こなして居た者はないと
寺町
(新字新仮名)
/
岩本素白
(著)
最後に特別になまめかしい
鹿
(
か
)
の
子
(
こ
)
緋
(
ひ
)
ぢりめんの長襦袢を上にのせ、それから鞄の蓋をしめたのであるが、ぎゅうぎゅうに詰まっているので蓋は外に向って
太鼓腹
(
たいこばら
)
のように
膨
(
ふく
)
らんだ。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それは登別の温泉宿の一室で、燃えるような、
緋
(
ひ
)
の
布団
(
ふとん
)
のかかった
炬燵
(
こたつ
)
の中であった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
大きなスペイン
風
(
ふう
)
の
玳瑁
(
たいまい
)
の飾り
櫛
(
ぐし
)
、くっきりと白く細い
喉
(
のど
)
を攻めるようにきりっと重ね合わされた
藤色
(
ふじいろ
)
の
襟
(
えり
)
、胸のくぼみにちょっとのぞかせた、燃えるような
緋
(
ひ
)
の帯上げのほかは
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
緋
漢検準1級
部首:⽷
14画
“緋”を含む語句
緋縮緬
緋鯉
緋縅
緋桃
緋羅紗
緋威
緋金巾
緋色
猩々緋
緋鹿子
緋毛氈
緋鹿
緋葉
緋衣
緋塩瀬
猩猩緋
緋鸚鵡
賜緋魚袋
緋鹿子絞
緋牡丹
...