“臥床”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふしど60.0%
ねどこ13.6%
がしょう12.0%
とこ8.0%
おとこ1.6%
しとね0.8%
ふしどこ0.8%
ふせ0.8%
やす0.8%
バアス0.8%
ベッド0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
臥床ふしどの跡を見、媼が經卷珠數じゆずと共に藏したる我畫反古ほごを見、また爐の側にて燒栗を噛みつゝ昔語せばやとおもふ心を聞え上げぬ。
一時ごろに、浅井が腕車くるまで帰って来るまで、お増は臥床ねどこに横になったり、起きて坐ったりして待っていた。時々下の座敷へも降りて見た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
まったく、きょうの川は明日はなく、明日の湿地は明後日の川と、転々変化浮気女のごとく、絶えず臥床がしょうをかえゆくのがピルコマヨである。
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼女の衰えた身体からだは、正太の祝言を済ました頃から、臥床とこの上によこたわり勝で、とかく頭脳あたまの具合が悪かったり、手足が痛んだりした。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
今迄お利代の坐つてゐた所には、長い手紙が擴げたなりに逶迤のたくつてゐた。ちらとそれを見乍ら智惠子は室に入つて、『マア臥床おとこまで延べて下すつて、濟まなかつたわ、小母をばさん。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
まるで花の臥床しとねだ。谷の百合は一名を君影草きみかげそうとも言って、「幸福の帰来」を意味するなどと、花好きなB君が話した。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
一とつき、二たつきうちに、どことはなしにからだがすっかりおとろえてき、やがて頭脳あたますこしおかしくなって、良人おっとびながら、夜中よなか臥床ふしどこからしてあるきまわるようなことが
お前も迷いを起してはならないと、宿に泊って居りましても臥床ふせる迄は貴方の御教導、あゝ有難いお話で、大きに悟ることもありました、美作まで送って遣ろうとおっしゃっても
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もう今宵こよひおそうござる、むすめりてはまゐるまいぢゃまで。貴下こなたがござったればこそ、さもなくば吾等われらとても、一ときさきに、臥床やすんだでござらう。
夜遅くなってから、太郎はげっそりと瘠せて寄宿舎へ帰ると、臥床バアスの上に倒れて身悶えした。
母子像 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
何と……手に剃刀かみそりを持たせながら、臥床ベッドひざまずいて、その胸に額を埋めて、ひしとすがって、潸然さんぜんとして泣きながら、微笑ほほえみながら、身も世も忘れて愚に返ったように、だらしなく
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)