“今宵”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
こよい69.5%
こよひ28.6%
こんや1.0%
こんしょう0.5%
こんせき0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
残った名人主従は、辰の霊前にじっと端座したままでした。つねならば千鳴り万鳴りの伝六が鳴らずにいるはずはないが、今宵こよいばかりは別人です。
だが、今宵こよいの闇の深さ、粘っこさ、それはなかなか自分の感じ捉えた死などいう潔く諦めよいものとは違っていて、不思議な力にちている。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
まして立ち上がる湯気の、こまやかなる雨におさえられて、逃場にげばを失いたる今宵こよいの風呂に、立つを誰とはもとより定めにくい。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
珠運しゅうん種々さまざまの人のありさま何と悟るべき者とも知らず、世のあわれ今宵こよい覚えての角に鳴る山風寒さ一段身に
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今宵こよいは月がよくえている。主婦あるじのお徳は庭へ出てきぬたを打っていると、机竜之助は縁に腰をかけてその音を聞いています。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
おもふ事なき身もと、すゞろに鼻かみわたされて、日記のうちには今宵こよひのおもふこと種々くさ/″\しるして、やがて哀れしる人にとおもふ。
すゞろごと (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つねにはのみにこゝろまらざりし結城ゆうき風采やうす今宵こよひなんとなく尋常なみならずおもはれて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いねけばかが今宵こよひもか殿との稚子わくごりてなげかむ 〔巻十四・三四五九〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
それよ今宵こよひよりは一時いちじづゝの仕事しごとばして此子このこため收入しうにふおほくせんとおほせられしなりき
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と云ふ詩なぞをかかげてゐるが、此れ等は何処となく、黙阿弥劇中に散見する台詞せりふ今宵こよひの事を知つたのは、お月様と乃公おればかり。」また
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
『瀬川君、大層陽気ぢやないか。』と敬之進は声をひそめて、『や、大一座おほいちざだ。一体今宵こんやは何があるんだらう。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
(おあつらえ向きだわ!)今宵こんやは夜もすがら月が無い。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
今宵こんしょう銀燭をつらねし栄耀えいようの花、暁には塵芥じんかいとなつて泥土にす。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
最初にお断り申し上げて置きますが、今宵こんせきわたくしのお話は「父」としてのヘルンを語るのでなく、文学者としてのヘルンを語るのが主旨ですから、「父」とは申さず「ヘルン」と申すつもりです。
父八雲を語る (新字新仮名) / 稲垣巌(著)