“潜”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方(ふりがな)割合
くぐ39.7%
ひそ28.7%
もぐ18.3%
くゞ7.0%
ひそか1.1%
かづ0.7%
カヅ0.7%
くぐり0.3%
0.3%
かず0.2%
(他:26)3.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“潜”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語20.9%
文学 > 日本文学 > 詩歌3.8%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆2.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
彼は再び立ち戻って、身の上判断文銭占ぶんせんうらないという看板のかかった入口から暖簾のれんくぐって内へ入った。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そのなかをくぐって社前に参詣して、例の作り物などをひと通り見物している間に、息子の玉太郎のすがたが見えなくなったので
半七捕物帳:56 河豚太鼓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すなわちおれが彼の地位にいたらこんな失体は演じまいと云う己を高く見積る浪漫的な考がどこかにひそんでいるのであります。
文芸と道徳 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
胡桃くるみうちひそんで、われを尽大千世界じんだいせんせかいの王とも思わんとはハムレットの述懐と記憶する。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
熱い葛湯くずゆでも飲んで、発汗したい希望をもっていた健三は、やむをえずそのまま冷たい夜具のうちもぐり込んだ。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼はただちにその穴を見出して、蛇のようにもぐり込むと、暗い中であたかの市郎に出逢ったのであった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
こと今日こんにちは鉄道も有り電信も有る世界にて警察の力をくゞおおせるとは到底とうてい出来ざる所にして
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「戻りましたよ。場屋の前まで行つて、暖簾のれんくゞらうとすると、私の手拭は入口のドブ板の上に、落ちて居たんです」
すなわち兵千余をとどめて橋を守らしめ、ひそかに軍を移し、夜半に兵を渡らしめてめぐって敵のうしろに出づ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「女主人公が、それをひそかに恋してゐる。が、勝気なので、口には云ひ出せない。その中に、一寸した意地から不和になつてしまふ。」
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
しまみやまがりのいけはなどり人目ひとめひていけかづかず 〔巻二・一七〇〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
まるでかづきする処女が二十尋はたひろ三十尋みそひろみな底から浮び上つて、つく様に深い息の音で、自身明らかに目が覚めた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
穢れも、荒行に似た苦しい禊ぎを経れば、除き去ることが出来、又天の羽衣を奉仕する水の女の、水にカヅいて、冷さに堪へた事を印象してゐるのである。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
穢れも、荒行に似た苦しい禊ぎを経れば、除き去ることができ、また天の羽衣を奉仕する水の女の、水にカヅいて、冷さに堪えたことを印象しているのである。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ドンと一つ押してみたが、門もくぐり戸も開く様子がない。お綱はどこから入ったか知らぬが、孫兵衛、縮緬ちりめんぞッきの風采で、塀の中からはくぐりかねた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その格子戸のくぐりの上へ手を掛けて、
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ケエヅグリのあたまに火のいた、うんだら消えた
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
んだと思ふたらちよいと消えた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
まるで、かずきする海女が二十尋はたひろ三十尋みそひろの水底から浮び上ってうそぶく様に、深い息の音で、自身明らかに目が覚めた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
鳰鳥(かいつぶり)は水にかずくので、葛飾かずしかのかずへの枕詞とした。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
緯は後、官が司馬となって五人の小児を生んだ。それはちんせんぶつこんしんの五人であった。ある夜、渾の夢に父がきて、
陸判 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そもそも、鶴は凡禽ぼんきん凡鳥ならず。一挙に千里の雲をしのいで日の下に鳴き、常に百尺の松梢しょうしょうに住んで世のちりをうけぬ。泥中にせんしてしかも瑞々ずいずい
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
さなり、女のその名を呼べるにても知らるるを、とひとうなづきつつ貫一は又ひそまりて聴耳立てたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
貫一は食はんとせし栗を持ち直して、とお峯に打向ひたり。聞く耳もあらずと知れど、秘密を語らんとする彼の声はおのづからひそまりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
私は自分の家を出るときには、それが突然だったので、一人の母親にもその事情をい得ずにぐらざるを得なかったのである。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
もう一度、じろりと眺めて、見つけた天水桶——黒く、太ぶりなのが、二ツ並んだ間に、犬のようにぐり込んだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
くゝりは水をクヾることである。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
くゝりは水をクヾる事である。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
昼の中多く出たアブは、ヒソんでしまつたが、蚊は仲秋になると、益々あばれ出して来る。日中の興奮で、皆は正体もなく寝た。身狭までが、姫の起き明す灯の明りを避けて、隅の物陰に、深い鼾を立てはじめた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
相手「予等ハ此地点ニ通リカカルヤ、一大驚異イチダイキョウイヲ発見セリ。突然予等ノ行手ユクテニ銃ヲシテ立チ防ガリタル一団アリ。彼等ハ異様イヨウ風体フウテイヲナシ身ノタケ程ノ雑草ザッソウチュウヒソミ居リシモノナリ。全身ニ毒草ドクソウノヨウナモノヲツケタルモ、……」(判読不能)
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
濁流の渦巻うずまく政界から次第に孤立して終にピューリタニックの使命にかくれるようになったは畢竟ひっきょうこの潔癖のためであった。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
かつひめ、『歸依きえ』のむなる
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
是から人の引込ひっこむまでと有助は身をかゞめて居りますと、上野の丑刻やつの鐘がボーン/\と聞える、そっと脱出ぬけだして四辺あたりを見廻すと、仲間衆ちゅうげんしゅうの歩いている様子も無いから、
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二人は松と桜と京人形のむらがるなかにい上がる。幕とつらなるそでの下をぐって、松の間を渡月橋に出た時、宗近君はまた甲野さんの袖をぐいと引いた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
三田はそのまゝ玄關に出て、一度しまつた門のくゞりをあけて貰つて往來に出た。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
ええええ、その董、露草は、若様、この度の御旅行につき、白雪はくせつ竜馬りゅうめにめされ、なぎさを掛けて浦づたい、朝夕の、あかね、紫、雲の上を山の峰へおしのびにてお出ましの節、珍しくお手にりましたを、御姉君おんあねぎみ乙姫おとひめ様へ御進物の分でござりました。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
寒さの為に身をすくめ乍ら目を瞑つて居る鶏もあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
新吉はどん/\降る中をっと忍んでお賤のとこへ来ました。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「それではね、私がここに見ていますからね、貢さん、そっと行って、あの、格子まで行って、見て来て御覧。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いえどうもしませんけれど、少し何んですから、まあ、そっと行って見ていらっしゃい。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
災難さいなんかるうても、赤蛙あかゞへる干物ひもの大口おほぐちにしやぶるであらうと、そツると
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こうなって見ると、もうひそまッているも何となくきまりが悪くなって来たから、文三が素知らぬ顔をしてふッと奥座敷を出る、その顔をお鍋は不思議そうにながめながら
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
専六もまた藤田ひそむ柏原櫟蔵かしわばられきぞうらと共に山澄の門にって、洋算簿記を学ぶこととなり、いつとなく元秀の講筵こうえんには臨まなくなった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
攻玉社は社長が近藤真琴こんどうまこと、幹事が藤田ひそむで、生徒中にはのちに海軍少将に至った秀島ひでしま某、海軍大佐に至った笠間直かさまちょく等があった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
人間世界の暗黒面には、嘘の様な悪業がひそんでいるのです、どんな悪魔詩人の空想だって、現実界の恐怖には、及びもつかぬのです。僕はこれまで、度々そういうものを見て来ました。丁度、解剖学者が、素人の知らぬ人間の体内を絶えず見せつけられている様に、僕はこの世界のはらわたの、汚さ、不気味さを存分見せつけられて来ました。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
曰く、『天にふかくしては天なり、地に潜しては地なり。天地は神明にして測られざるものなり。ないし人の心はそれ神なるか、るときはすなわち存し、捨つるときはすなわちなし、云云うんぬん』と
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)