“くゞり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
潜戸50.0%
耳門16.7%
潛戸8.3%
8.3%
潜内8.3%
潜扉8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お袖は一切のことを姉のお幾の仕事と知り、翌る日の朝早々、離屋の雨戸を外から締め、庭の潜戸くゞりを閉ざして出來るだけ證據を隱しました。
四五日前に來たばかりの若い女中が起きて耳門くゞりを開けてくれた。
多摩川 (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
「加納屋の忍返しのびがへしは、一應嚴重には見えては居るが、一々當つて見ると、横手の潛戸くゞりの上が、手輕るに外れることに氣が付くぢやないか」
「ありますよ、三尺の潛戸くゞりで」
三田はそのまゝ玄關に出て、一度しまつた門のくゞりをあけて貰つて往來に出た。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
徳二郎は一寸立ち止まつて聽耳を立てたやうであつたが、つか/\と右なる方の板塀にちかづいて向へ押すと此處は潜内くゞりになつて居て黒い戸が音もなく開いた。見ると戸に直ぐ接して梯子段はしごだんがある。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
だが、三輪の親分、外から入るなら、何もあんなに骨を折つて、念入りに岩乘な潜扉くゞりなどをはづす迄もなかつたでせう。