“かゞ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
67.1%
7.9%
5.3%
3.9%
耀2.6%
1.3%
1.3%
1.3%
1.3%
1.3%
1.3%
1.3%
1.3%
1.3%
1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう駄目だとさとつた私は、二つに割れた石板せきばん缺片かけらかゞんで拾ひながら、最惡の場合に處する爲めに、勇氣をふるひ起した。時は來た。
「自然は宝石を作るに幾年の星霜を費やしたか。又此宝石が採掘の運に逢ふ迄に、幾年の星霜をしづかにかゞやいてゐたか」
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
危いのを、右手で其兒を押へながら、身をかゞめて、左手を伸ばし、取らうとすると、砂がほろ/\崩れて崖下へ落ちて行く。下は深い谿たにだ。底深く吹き上げて來る風に草花はゆら/\搖れてゐる。
(旧字旧仮名) / 吉江喬松吉江孤雁(著)
丸い顔の、腰に斧をした男が、瓢簟を持つて、滝壺のそばかゞんでゐる。三四郎が美禰子の顔を見た時には、青竹のなかに何があるか殆んど気が付かなかつた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
見る人の心に耀かゞやきて、また倏忽たちまちに消えせにけり。
緑の種子 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
我は再び身をかゞめて少女の額に接吻せり。少女はあなやと叫び、物に驚きたる牝鹿の如く、瞬くひまに馳せ去りぬ。
少選しばしありて食卓に呼ばれぬ。われは舊恩人たる老公の前に出でゝ、身をかゞめて拜せしに、アントニオが席をば我とフランチエスカとの間に設けよと宣給ふ。
が、此の親切な忠告にもかゝわらず、家中の武士は一層油断なく任務にくように命ぜられ、夜な/\奥庭の木の間を照らすかゞり火の数はやされる一方であった。
彼は追い/\数がえて来る松明たいまつのあいだをたくみにくゞり抜けながら、やがて自分でもかゞり火の燃えさしを取って振りかざした。自分の手に照明があると、自分の姿が却って人に見えにくゝなる。
滅入るやうに前にかゞんで、又ひとうねりの大波を乗つ越すと、瀬の水は白い歯を剥き出して、船底をがりがり噛み始める、水球が飛び散つて、舷側は平手で、ぴちやぴちや叩かれる音がする
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
是から人の引込ひっこむまでと有助は身をかゞめて居りますと、上野の丑刻やつの鐘がボーン/\と聞える、そっと脱出ぬけだして四辺あたりを見廻すと、仲間衆ちゅうげんしゅうの歩いている様子も無いから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今宵ランプはポトホトかゞ
曇つた秋 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
女は白足袋たびの儘すなだらけの縁側へがつた。あるくと細い足の痕が出来る。たもとから白い前垂まえだれを出して帯の上からめた。其前垂のふちがレースの様にかゞつてある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
友染いうぜんきれに、白羽二重しろはぶたへうらをかさねて、むらさきひもくちかゞつた、衣絵きぬゑさんが手縫てぬい服紗袋ふくさぶくろつゝんで、そのおくつた、しろかゞや小鍋こなべである。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くもをかくしたさくら樹立こだちも、黒塀くろべいくらつた。舊暦きうれきぐわつ二十一にちばかりの宵闇よひやみに、覺束おぼつかない提灯ちやうちんひとふたつ、をんなたちは落人おちうど夜鷹蕎麥よたかそばかゞんだかたちで、溝端どぶばたで、のどにつかへる茶漬ちやづけながした。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(何故なら、その一週間前、施療部の一肺患者が寝台の鉄柵へ帯を懸けて、首を縊った。非常な努力を以てでなくては出来ぬ、かゞんだ儘の縊死を、この機会に私は初めて実見したのであった。)
ラ氏の笛 (新字新仮名) / 松永延造(著)
忘れたり澤を傳ひ峯に上る隨分さかしき峠なれど馬にまかせてけはしき事を知らず東もち屋村といふは峠の上にして人家四五軒あり名物の餡餅あんもちありこゝにて馬を圍爐裏ゐろりの火にかゞみし手足を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)