“宵闇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よいやみ84.9%
よひやみ13.2%
ヨヒヤミ1.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
間もなく田代屋を抜け出した一人の女——小風呂敷を胸に抱いて後前あとさきを見廻しながら水道端の宵闇よいやみ関口せきぐちの方へ急ぎます。
もう宵闇よいやみ。大釜の火だけが赤い。そのまわりに立ち群れて、人夫や百姓たちはがつがつ飯茶碗を持ち合い、汁の杓子しゃくしを争っていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とにかくに、この早手は翌日の夕方、無事に大津の石浜に着くと同時に、早くも宵闇よいやみにまぎれて、町のいずれかに姿を消してしまいました。
宵闇よいやみの中を歩きながら、ねぐらに騒ぐ鳥の声を聞いて、この季節に著しく感じる澄んだ寂しさが腹の底までみるのを知った。
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
と紫玉は、宵闇よいやみの森の下道したみち真暗まっくらな大樹巨木のこずえを仰いだ。……思い掛けず空から呼掛けたように聞えたのである。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いや、その光がさしてゐるだけに、向うの軒先につるした風鐸ふうたくの影も、かへつて濃くなつた宵闇よひやみの中に隠されてゐる位である。
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「ところが、お舟は本當の下手人を見た。背の高い男が、お曾與を殺して逃げたのを見た筈だ。宵闇よひやみの暗い中で、それを和助と思ひ込んだのも無理はない」
こヽろそら宵闇よひやみはる落花らくくわにはあしおとなきこそよけれ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……けれども、かたきたゞ宵闇よひやみくらさであつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宵闇よひやみの底に埋れて唯ひとり
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
宵闇ヨヒヤミの深くならぬ先に、イホリのまはりは、すつかり手入れがせられて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)