“油火”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あぶらび71.4%
アブラビ21.4%
カンテラ7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は意外な眼を挙げて、油火あぶらびには遠い薄暗がりに、じっと相手の顔をかして見た。と同時に怒声を発して、いきなり相手を突き放した。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
宵闇ヨヒヤミの深くならぬ先に、イホリのまはりは、すつかり手入れがせられて居た。灯台も大きなのを、寺から借りて来て、煌々クワウクワウと、油火アブラビが燃えて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
お隅の萎れた身体はくらの上に乗せ、足は動かさないようにしっかと馬の胴へ括付くくりつけました。母親おふくろ油火カンテラを突付けて見せる——お隅は編笠、源は頬冠ほっかぶりです。坂の上り口まで父親に送られて、出ました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)