“カンテラ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:かんてら
語句割合
油燈25.0%
燈籠12.5%
提灯12.5%
提燈12.5%
油火12.5%
角灯12.5%
角燈12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
舎監が手提の油燈カンテラをさしつけて寝ているものの頭数を調べに来る頃になっても、まだ捨吉は眼を開いていて、ポクポクポクポクと廊下を踏んで行く舎監の靴の音を聞いていた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
セエラが寝ながらちょっと身動きした時などは、ラム・ダスは燈籠カンテラの火を隠して、床の上に平たく身を伏せたりしました。
で彼は、セエラが疲れはててぐっすり寝こんでしまったのを知ると、火を細くした燈籠カンテラを持って、そっとセエラの部屋に忍びこみ、助手が天窓の外からさし出す品を、中で受け取ったのでした。
ただ扉を開けて提灯カンテラをふり廻すだけだ。その場合、彼は倉庫の隅の大きなソファの上で——決して下へかくれる必要はない——二分乃至三分間、静粛にしていればいい………
もし信号機に故障があれば、暗闇の信号所で青い提燈カンテラを振り回すはずだ。
汽笛 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
お隅の萎れた身体はくらの上に乗せ、足は動かさないようにしっかと馬の胴へ括付くくりつけました。母親おふくろ油火カンテラを突付けて見せる——お隅は編笠、源は頬冠ほっかぶりです。坂の上り口まで父親に送られて、出ました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
命知らずの強盗として裏面りめんに暗い生活を送っておった。彼は蝋燭を短く切って、小さな角灯カンテラの中に入れて歩いた故に燭台の必要がなかった。
角燈カンテラを持った兵士が先に立ち、四人の委員がまず地下室へ降りて行った。タチアナは脚の不自由なアレクシスを支え、廃帝は皇后に腕を貸していた。
淪落の皇女の覚書 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)