油燈カンテラ)” の例文
新字:油灯
彼方あちらの棚には茶椀、皿小鉢、油燈カンテラ等を置き、是方こちらの壁には鎌を懸け、種物の袋を釣るし、片隅に漬物桶、炭俵。台所の道具は耕作の器械と一緒にして雑然ごちや/\置並べてあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
舎監が手提の油燈カンテラをさしつけて寝ているものの頭数を調べに来る頃になっても、まだ捨吉は眼を開いていて、ポクポクポクポクと廊下を踏んで行く舎監の靴の音を聞いていた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)