思わず彼は拾い上げた桜の実を嗅いで見て、お伽話の情調を味った。 それを若い日の幸福のしるしという風に想像して見た。 これは自分の著作の中で、年若き読者に勧めて見たいと思うものの一つだ。私は浅草新片町にあった家の方でこれを起稿し、巴里ポオル・ …
著者 | 島崎藤村 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「文章世界」1913(大正2)年1~2月、1914(大正3)年5月~1918(大正7)年6月 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約3時間44分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約6時間13分(300文字/分) |