“将来”のいろいろな読み方と例文
旧字:將來
読み方割合
ゆくすえ27.8%
しょうらい25.9%
さき16.7%
これから5.6%
こののち3.7%
なりゆき3.7%
さきざき1.9%
いまに1.9%
このさき1.9%
しやうらい1.9%
すえ1.9%
のちのち1.9%
ゆくすゑ1.9%
ゆくゆく1.9%
サキ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これではとても文学でパンを得る事は覚束おぼつかないと将来ゆくすえ掛念けねんしたばかりでなく、実は『浮雲』で多少の収入を得たをさえ恥じていた。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
その婦人は、将来しょうらいどんな事がおこるかを、まるでいままでおこった事がらを言うように、ぴったりと言いあてることができた。
是迄これまでだつて、私は貴方のことに就いて、なんにも世間の人に話した覚は無し、是から将来さきだつても矢張やはり其通り、何も話す必要は有ません。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
何卒ご用捨下さりませ……さてこれで以前むかしのことは、勘定済みとなりました。次は将来これからのご相談で。……ところでちょっとご相談の前に、申さねばならぬことがありますのでな。……
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
将来こののち逢えるか、生涯逢えぬか、それは神様のおぼしめし次第。……おお、でも、妾としては、逢いとうない! ……夫婦となったお前達には!」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
府尹の傍には周将仕がきてその将来なりゆきを見ていた。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あたいがこんなに駄夫さんの将来さきざきのことを気に病んでゐるといふのに、ほんとうにお前さんは頼みにならない人……
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
幼少の頃、将来いまにおまえは何に成るの? と能く聞かれたものでした。すると私は男の子のよう双肩かた聳やかして女弁護士! と答えました。
職業の苦痛 (新字新仮名) / 若杉鳥子(著)
「こう醜い不具者かたわものにされましては、将来このさき生きて行く気もいたしませぬ」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
利根とね水源すゐげん確定かくていし、越後えちごおよ岩代いわしろ上野かうずけの国境をさだむるを主たる目的もくてきとなせども、かたは地質ちしつ如何いかん調査てうさし、将来しやうらい開拓かいたくすべき原野げんやなきやいなや良山林りやうさんりんありやいなや
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
脚気症の母乳はよく赤児あかごの脳を犯すことや、その取り返しのつかない将来すえのことを思うと、絶対にやってはならないことだった。
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
このようなことがつもりつもって、一軒の家の不経済となるのですから、遠からず家持ちにならなくてはならない若い人は、将来のちのちのためにかならず気をつけるべきことです。
女中訓 (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
と、ひて作つた様な笑顔を見せた。今が今まで我家の将来ゆくすゑでも考へて、胸がつまつてゐたのであらう。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
諸君も新年からは一人も、遅刻せぬよう、めいめい五分十分早く店に着くようにして、定刻には店員全部が揃うて仕事にかかり、将来ゆくゆくは皆が皆揃うて成功者となることを希望するのであります。
私の小売商道 (新字新仮名) / 相馬愛蔵(著)
そうして、呼びかける家があると、その表口に立って、その一家が、今夜から将来サキ幸福になる唱え言を唱えて、お礼の銭を貰っては、又先へ出掛けます。
鬼を追い払う夜 (新字新仮名) / 折口信夫(著)