“赤児”のいろいろな読み方と例文
旧字:赤兒
読み方割合
あかご72.6%
あかんぼ11.0%
やや5.5%
ねんねえ4.1%
あか1.4%
ねんね1.4%
こども1.4%
ねゝこ1.4%
みづこ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
乳離れの赤児あかごにちょうどいい菓子は僕が今拵えてげるよ。お徳や、例の軽焼餅を持っておいでな。大原君、この軽焼餅は別製だぜ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
三年前までは死んだ赤児あかんぼの泣声がややもすると耳に着き、蒼白あおじろさいの水をかぶったすごい姿が眼の先にちらついたが、酒のお蔭で遂に追払って了った。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
続いて駄馬馬子まごが鼻歌おもしろく、茶店の娘に声かけられても返事せぬがおかしく、かなたに赤児ややの泣き声きこゆればこなたにはわらべが吹くラッパの音かしましく
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
どんなもので? ……オヤオヤ、なんだい泣いていらっしゃらあ! ははあ、お母様を持ち出したので、それで愁嘆しゅうたんなさるんですね。やり切れねえなあ。まるで赤児ねんねえだ。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
赤児あかが寝ているこそ丁度幸いだ、今日はお前にちっと相談することがあるがの、それも外のことじゃアない矢ッ張赤児の事についてな、此様こんな事を云ったら己を薄情なものと思うだろうが
どうも実に赤児ねんねで、困り切ります、駄々ばかりねまして——でも英語だけは御蔭おかげさまで大変好きな模様で——近頃ではだいぶむずかしいものが読めるそうで
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いたたたいて「番頭さん熱いよ」とうめ湯をたのんだり、小唄こうたをうたったりすると、どうしても洗湯おゆやの隣りに住んでる気がしたり、赤児こどもが生れる泣声に驚かされたりしたと祖母がはなしてくれた。
だん/\聞けば腹アでかくなって赤児ねゝこが出来てみれば、奉公は出来ねえ、そんならばとって男を誘い出して、済みませんから老僕じいや詫言をしてくんろってよ、どうかまアね、本当にいおさむれえだよ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これに我が心も定まりたれば、それよりはひとしほ心を入れて、我は和子の春雄様を手なつけしに。やうやう喰ひ初め過ぎの赤児みづこながら、いつしか我が手心を覚へてや。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)