“あかんぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嬰児61.4%
嬰兒13.3%
赤児9.6%
赤坊6.0%
孩児2.4%
赤兒2.4%
初生児1.2%
嬰坊1.2%
孩兒1.2%
小児1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は清導寺の嬰児あかんぼの死といっしょに奇怪な事件として、時どきそれを思いだして考えてみたこともあったが依然として判らなかった。
(新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そりや女の驕慢けうまん根性こんじやうに對する自然の制裁せいさいさ。ところで嬰兒あかんぼに乳を飮ませるのがえらいかといふに、犬の母だツて小犬を育てるのだから、これも自慢じまんにはならん。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
放鳥の機嫌きげんを取つて貰はにやならないのだからつて——わたしだつて、赤児あかんぼの時から手塩にかけたおめえのことだもの、厭だつてもの無理にと言ひたかないやね
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
と言い聞かされて、私は小さい赤坊あかんぼの兄になるのをうれしくは思ったが母の懐に別れなければならないことの悲しさに涙ぐまれて冷たい乳母の胸に顔を押し当てた。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
その紫色の陰影の中に、手足をうごめかして藻掻もがいている孩児あかんぼ幻影まぼろしを見た。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
豐田さんの家で可愛らしい赤兒あかんぼが生れるまでは、私は土藏の中の部屋でお婆さんの側に寢かされましたが、赤兒が生れてからはお婆さんの代りに下婢をんなが土藏の方へ來て寢ることに成りました。
その花の蔭の黒いジメジメした土の上に初生児あかんぼの頭ぐらいの白い丸いものが見えます。
(新字新仮名) / 夢野久作(著)
「貴女はその時、お隣家となりか、その先か、門に梅の樹の有るやかたの前に、彼家あすこ乳母ばあやと見えました、円髷まるまげに結うたおんなの、嬰坊あかんぼを抱いたと一所に、垣根に立ってござって……」
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『俺達の待つてゐた孩兒あかんぼが生れたといつて來たが、これでおつつけ一ダースにならうつてわけさ。』
戊「なアに、そうじゃありません、小児あかんぼうんこを流したんだって」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)