孩児あかんぼ)” の例文
旧字:孩兒
お蔭で学者は細君にぴどく叱り飛ばされてしまつた。無理はない、どんな学者の事業だつて、女の生む「孩児あかんぼ」に比べると、ほんの無益物やくざものに過ぎないのだから。
その紫色の陰影の中に、手足をうごめかして藻掻もがいている孩児あかんぼ幻影まぼろしを見た。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
古綿が蛙に化けるなぞは羅馬ローマの帝政時代にも無かつた事なので、流石にモムゼンも吃驚びつくりした。で、そばへすり寄つてよく見ると、古綿のやうなのは、その頃生れたばかりの孩児あかんぼであつた。