“幻影”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
まぼろし66.7%
げんえい18.5%
イリュウジョン3.7%
おもかげ1.2%
かげ1.2%
イメエジ1.2%
イメッジ1.2%
イリュージョン1.2%
イリユウジヨン1.2%
イリユージヨン1.2%
(他:2)2.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“幻影”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.4%
文学 > 日本文学 > 詩歌0.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
……ウィリアムは手に下げたるクララの金毛を三たび盾に向って振りながら「盾! 最後の望は幻影まぼろしの盾にある」と叫んだ。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大方人の無い、こんな場所へ来ると、聞いた話が実際の姿になって、目前めさき幻影まぼろしに出るものかも知れぬ。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
といいはじめる幻影げんえいを、三ども四ども、はっきり見たのだった。耳がじいんとなって、両手にあせをにぎっていた。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
トタンに、衣絵きぬゑさんのしろ幻影げんえいつゝむでかくさうとしたのである。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
古い演劇は外形的模倣的、ただ平凡な意味における幻影イリュウジョンを目的とし、誇大によって勝利を得ていた。
エレオノラ・デュウゼ (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
私、この頃こんな気がするわ、男でも、女でも結婚しないでいるうちはかえって何かに束縛されているような……終始、もろい、移り易いようなもの、例えば幸福なんていう幻影イリュウジョンに囚われているような……そうではないのかしら? しかし結婚してしまえば
楡の家 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
草緑にして露繁き青山の練兵場、林を出でゝ野に入り、野を去つて更に田に出づるかうがい町より下渋谷の田舎道は余と透谷とが其頃しばしば散歩したる処にして当時の幻影おもかげは猶余の脳中に往来す。
透谷全集を読む (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
九女八は、まだ、素足すあしの引っこみの足どりの幻影かげを、庭の、雨足のなかに追いながら、
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
殊に、俳優の演技を通して感じられるものは、少くとも、これを舞台に移してそのまま舞台の幻影イメエジを組立て得るものであり、日本の「新劇」は、初めて舞台表現の貴重な模範を示されたと云つていい。
戯曲の生命と演劇美 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
詩に就いて云へば幻影イメッジも語義も感情を生発ママせしめる性質のものではないところにもつてきて感情はそれらを無益に引き摺り廻し、イメッジをも語義をも結局不分明にしてしまふ。
芸術論覚え書 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
それでも時折りはたまらなく咽喉のどが鳴るのであったが、飲めば必ず酔う……酔えばキット空色のパラソルの幻影イリュージョンを見る……ガタガタと慄え出す……という不可抗力のつながりに脅かされて、とうとう絶対の禁酒状態に陥ってしまったので、そんな事を知らない連中みんなを、かなり不思議がらせたらしい。
空を飛ぶパラソル (新字新仮名) / 夢野久作(著)
で、その街道——それも時に由つては、此方から向うに越して行く車やら荷馬車やら乗合自動車やらの轍のために泥濘が深くこね返されて、それを拾つて歩くのにも容易でないのであつたが、その深い幾条いくすぢかの泥濘の轍の中にも、かれはその美しい幻影イリユウジヨンぜることが出来た。
赤い鳥居 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
幻影イリユージヨンの消え失せた雰囲気ふんゐきくらい緑に、
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
お話は口のさきでしやべる丈でも事は濟むが、先生の物語には、前提として、先生の目に映じた幻影ヴイジヨンがなくてはならない。