“訴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うった55.6%
うつた21.0%
うったえ7.4%
うつたへ4.9%
うた1.9%
1.9%
うっ1.2%
うったう1.2%
うつ1.2%
こぼ1.2%
いッつ0.6%
うつと0.6%
えつ0.6%
ただ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「さびしいか?」といって、わずかにつきは、こえをかけてやりましたが、あざらしは、かなしいむねのうちを、そらあおいでうったえたのでした。
月とあざらし (新字新仮名) / 小川未明(著)
お濱の——うつたへるやうに平次を仰ぐ黒い眼は、夕立を浴びたやうにサツと濡れて、ハラハラとぬぐひもあへぬ涙が膝にこぼれました。
三光稲荷は失走人の足止の願がけと、鼠をとる猫の行衛ゆくえ不明のうったえをきく不思議な商業あきないのお稲荷さんで、猫の絵馬が沢山かかっていた。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
をとつひの夜平山が来て、用人ようにん野々村次平に取り次いでもらつて、所謂いはゆる一大事のうつたへをした時、跡部は急に思案して、突飛とつぴな手段を取つた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
一人ひとりおとこ蒼白まっさおかおをして、あわててやしろまえけつけました。何事なにごとかしらと、じっとりますると、そのおとこはせかせかとはずむ呼吸いきしずめもえず、んなことをうたえるのでした。——
領主により、地方により、手加減はやっているが、隣藩のざんが恐いので、むしろきそって、人間は犬以下であるこの法律を厳行しあっていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
泣くが如くうったうるが如く聞こえますから、大山鳴動して鼠のたとえにもれず、かくまで用意した釘勘の手配も、召捕ったのは雑魚ざこの率八で、大魚は遂に網にかからず
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(Vox populi est vox dei)、国に捨てられしとて天にも地にもうったうべき人も神も存せざるなり。
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
御米およねはかう宗助そうすけからいたはられたときなんだか自分じぶん身體からだわることうつたへるにしのびない心持こゝろもちがした。實際じつさいまた夫程それほどくるしくもなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それから乾菓子ひぐわしべました。おほきなとり其味そのあぢわからないとつてこぼす、ちひさなとりせて背中せなかたゝいてもらう、それは/\大騷おほさわぎでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「ふん。お前さんがお叱られじゃお気の毒だね。吉里がこうこうだッて、お神さんに何とでもいッつけておくれ」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
又餅をあぶりてくらふ、もちほとんど尽きて毎人唯二小片あるのみ、到底とうていうゑするにらざるを以て、衆談話の勇気いうきもなく、天をあほいただちにづ、其状恰も愁然しうぜん天にうつとふるにたり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
りやうめかじつたんべ、學校がつこ先生せんせいねええつけてやつから、はらいたくつたつて我慢がまんしてるもんだ」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それから法水は、ウルリーケを手招いて、当時四人が占めていた位置をただした。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)