“訴（うた）” の例文
或（あ）る日（ひ）一人（ひとり）の男（おとこ）が蒼白（まっさお）な顔（かお）をして、慌（あわ）てて社（やしろ）の前（まえ）に駆（か）けつけました。何事（なにごと）かしらと、じっと見（み）て居（お）りますると、その男（おとこ）はせかせかとはずむ呼吸（いき）を鎮（しず）めも敢（あ）えず、斯（こ）んなことを訴（うた）えるのでした。——
小桜姫物語：03 小桜姫物語 (新字新仮名) ／ 浅野和三郎(著)
果敢なしといふもはかなし声立てて訴（うた）へ泣きてし昨（きそ）にしも似ね
雀の卵 (新字旧仮名) ／ 北原白秋(著)
子（こ）の声（こゑ）を、泣（な）き訴（うた）ふ赤（あか）きさけびを。
第二邪宗門 (新字旧仮名) ／ 北原白秋(著)
肋骨（あばらぼね）泣（な）きかつ訴（うた）ふ。
第二邪宗門 (新字旧仮名) ／ 北原白秋(著)