“一人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとり82.4%
いちにん16.3%
ひと0.3%
しとり0.1%
かたわれ0.1%
だれか0.1%
ちよつと0.1%
ひとりのひと0.1%
ほとり0.1%
ヒトリ0.1%
三船0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二十年前大学の招聘しょうへいに応じてドイツを立つ時にも、先生の気性を知っている友人は一人ひとり停車場ステーションへ送りに来なかったという話である。
ケーベル先生の告別 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかしてこの新しき仏蘭西の美術のようやく転じて日本現代の画界を襲ふの時、北斎の本国においては最早もは一人いちにんの北斎をかえりみるものなし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
去れば其留守前日より分らずして金起を呼び迎える暇なき時は妾唯一人ひとり行きたる事も有り明治二十年の秋頃よりして今年の春までに行きて泊りし事およそ十五度も有る程なり
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
来年母親さんがお出でなすったらとっくり御相談申して、誰と言ッてあてもないけれども相応なのが有ッたら一人しとり授けたいもんだ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
紛々たる人のうわさは滅多にあてにならざか児手柏このでがしわ上露うわつゆよりももろいものと旁付かたづけて置いて、さて正味の確実たしかなところを掻摘かいつまんでしるせば、うまれ東京とうけいで、水道の水臭い士族の一人かたわれだと履歴書を見た者のはな
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
一人だれかが云った。その語調には妙に咏嘆えいたんの意がぐうしてあった。自分はあまり突然のように感じた。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これだけの人參にんじん一人ちよつとさはつて一舐ひとなめしても大抵たいてい病人びやうにんたすかる。で、それだけ代物しろものる、合點がつてんか。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
常は一人ひとりのひと取らるゝならひなるに、我等は二人ふたりながら彼處かしこにとられき、我等のいかなる者なりしやは今もガルディンゴの附近あたりを見てしるべし —一〇八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あれこそは此世このよ名譽めいよといふ名譽めいよが、った一人ほとり王樣わうさまとなって、すわ帝座ていざぢゃ。おゝ、なんといふ獸物けだものぢゃわしは、かりにもかたわるういふとは!
折から水死人のたゞ一人ヒトリ想ひに沈み降り行く
詩語としての日本語 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
宮、それは陳述が全部終ってからの方が相互に便宜だとして、スパイの一人三船について陳述する。