“附近”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふきん36.7%
あたり36.7%
まわり12.2%
ちかく8.2%
ほとり2.0%
まぢか2.0%
まはり2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、海蔵かいぞうさんがいいました。そばにてみると、それはこの附近ふきん土地とちっている、まちとしとった地主じぬしであることがわかりました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
転がつた無頼漢ならずものは、埃のなかで蛙のやうに手足をばたばたさせながらわめいた。附近あたりには同じやうな無気味のてあひがぞろぞろたかつて来た。
そうなって来ると、その附近まわりにいた信者達は、狂人きちがいのような眼つきをして、お駕籠を見ようとしましたが、並木や人の頭ですぐは見えません。
尼になった老婆 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
(角右衛門どもの注進で、五郎蔵が乾児を率い、襲って来るやも知れぬ。何を措いても身を隠さなければ! ……では附近ちかくの林へ!)
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
つきひかりのきら/\と反射はんしやしてるなどはれず、港内かうない電燈でんとうひかり煌々くわう/\たる波止塲はとば附近ほとりからずつと此方こなたまで、金龍きんりうわしなみうへには、船艦せんかんうかこと幾百艘いくひやくさうふねふね前檣ぜんしやう白燈はくとう右舷うげん緑燈りよくとう
市街まちはづれの停車塲ステーシヨンから客待きやくまち馬車ばしやで、海岸かいがん附近まぢかある旅亭はたごやき、部室へやさだまりやが晝餉ひるげもすむと最早もはやなにことがない、ふね出港しゆつこうまではだ十時間じかん以上いじやう
そして台所の附近まはりをうろ/\捜し廻つてゐたが、お茶が入れてないのを見ると、急にむつかしい顔をして薬鑵やくわんの湯を台所一杯にぶちけて引き揚げて往つた。