附近ちかく)” の例文
(角右衛門どもの注進で、五郎蔵が乾児を率い、襲って来るやも知れぬ。何を措いても身を隠さなければ! ……では附近ちかくの林へ!)
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大和路の壺坂寺の附近ちかくで昔の夢の女——お里に私は邂逅めぐりあったような感じがした。
菜の花物語 (新字新仮名) / 児玉花外(著)
……薪左衛門が、過去の罪悪の形見の道了塚を附近ちかくに持ち、そこへ日参したということは、彼を憂欝にし彼を衰弱させたらしい。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この時まで附近ちかくの小路の中に、ひそかにただずみ身を隠し、様子を見ていた一人の男が、ツカツカとこの時出て来たのであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「いえ家人を附けまして、附近ちかくの堂へご案内申し、そこへお置きにござります」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
附近ちかくの農家で飼っていると見え、家鶏にわとりの啼き声が聞こえて来た。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「この附近ちかくの野の中に地下へ行く道があるのです」
「ドームの森の附近ちかくだそうで」