“附着”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くッつ50.6%
くツつ12.9%
くっつ11.8%
くつつ4.7%
4.7%
くつゝ3.5%
ふちやく3.5%
つきつ2.4%
ふちゃく2.4%
くッつい1.2%
つい1.2%
つけ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こう三人と言うもの附着くッついたのでは、第一わしがこの肥体ずうたいじゃ。お暑さがたまらんわい。衣服きものをお脱ぎなさって。……ささ、それが早い。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
草鞋わらじ穿いたあしかふへもおちうへまたかさなり、ならんだわきまた附着くツついて爪先つまさきわからなくなつた、うしてきてるとおもふだけみやくつてふやうな。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
長「それ見ろ、お父様とっさま御覧遊ばせ、此の通りだ粘りが有ります此の糊で附着くっつけてごまかそうとは太い奴では有りませんか」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
理屈などはうでもよい、栄といふ男と野枝といふ女とが附着くつつかねばならなかつた真実ほんとうの特殊の事情を告白する事が出来なければ嘘だ。
それに衣川の袖に檜葉ひばの枯葉が附着いていましたし、それからお宅の隣りの、屋根に接近した裏庭の檜葉の枝が折れていました。
秘められたる挿話 (新字新仮名) / 松本泰(著)
左右さいう見定みさだめて、なべ片手かたてらうとすると、青森行あをもりゆき——二等室とうしつと、れいあをしろいたふだほかに、踏壇ふみだん附着くつゝいたわきに、一まい思懸おもひがけない真新まあたらし木札きふだかゝつてる……
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其使用そのしようの目的は鳥獸の皮をぎたる後に脂肪しばうるが如き事に在るなり。石匕の把柄の部には木脂の附着ふちやくせしあとあるもの有り。これうたがひも無く更に長き木製の把柄をへたるに基因きゐんす。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
前後ぜんごわきまへずんでると、わたし卓子つくゑよこ附着つきつけてあるくだん明取あかりとり障子しやうじへ、ぱら/\とおとがした。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
まぶたれあがり、眼は真赤に充血し、顔の色は土のように色を失い、血か泥かわからぬようなものが、あっちこっちに附着ふちゃくしていました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
きざはしを昇ってひざまずいた時、言い知らぬ神霊に、引緊ひきしまった身の、拍手かしわでも堅く附着くッついたのが、このところまで退出まかんでて、やっとたなそこの開くを覚えながら、岸に、そのお珊のたたずんだのを見たのであった。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ランをくれろというと最上等のイチボが附着ついて来る事もある位で、悪い肉の真中まんなかにホンの少しばかり最上等の部分があるのだけれども多くは外の肉と一所に切ってイチボの名で売っている。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
昨日きのう文三にいじめられた事を、おまけにおまけを附着つけてベチャクチャと饒舌しゃべり出しては止度とめどなく、滔々蕩々とうとうとうとうとして勢い百川ひゃくせんの一時に決した如くで、言損じがなければたるみもなく
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)