“真実”のいろいろな読み方と例文
旧字:眞實
読み方(ふりがな)割合
ほんとう33.4%
ほんと25.2%
まこと19.0%
しんじつ7.1%
ほんたう4.0%
まったく3.4%
まつたく1.2%
ほんま0.9%
ほん0.6%
まっとう0.6%
(他:15)4.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“真実”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸24.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語7.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)1.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「それじゃ未だ私の心を真実ほんとう御存ごぞんじないのですわ。私はこうして酔って死ねば、それが何よりの本望ですもの」
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
山家やまがと言っても、これから私達が行こうとしているところは真実ほんとうの山の中だ。深い山林の中に住む人達の居る方だ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
初めて私には、真実ほんとの美しさというものは白人よりもむしろ磨きの掛かった優生の東洋人に存することを感じたのであった。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
いいえ、僕は真実ほんと左様そう思います、何故なぜ彼女がおしょうさんと同じ人で無かったかと思います。」
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「ナニ。いや、不承知と申さるる筈はござるまい。と存じてこそかくの如く物を申したれ。真実まこと、たって御不承知か。」
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
これに力を得た判官の一人は立ち上って、眉と眼と口と耳の四人の証人に向って、鼻の言葉の真実まことであるか否やを問いました。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
真実しんじつ幸福こうふくじつ一人ひとりでなければべからざるものであると、つくづくおもうた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あゝ口惜くやしい、真実しんじつ兄弟きやうだいにまで置去おきざりにされるのもおれが悪いばかりだ
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
手紙が一つ一つ保存されるものと知つたら、どんな人だつてあまり真実ほんたうの事は書きたくなくなるに相違ない。
「えゝ、それは私も難有ありがたいと思つて居ますよ。真実ほんたうに柿田さんは好くして下さるんですからね。」
死の床 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
上さんは、真実まったくそれがつまらない、気毒な引込思案であるかのように、色々の人々の場合などを話して勧めた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それやこれやを考え合わせますると真実まったくの処、蔵元屋は、今申しましたような身代の左前を取戻すために
「先生、その日になると、人間残らずが神様の前へ引張り出されるとお言ひになりましたが、真実まつたくなんですか。」
「スムウトさん、一寸伺ひますが、お国には一人の殿方で奥さんをたんとお持ちの方が随分ゐらつしやるさうですが真実まつたくなんですか。」
『これで安心致しました。真実ほんまにどうなつてはるのやろと心配したことでありませんでしたけれど。』
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
真実ほんまだすとも、うはばみのやうなはももおましたで。』
住吉祭 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ナニ真実ほんの事だぞ
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それとも親ゆゑかとしんに成つて聞かれるにお力かなしく成りて、私だとて人間でござんすほどに少しは心にしみる事もありまする、親は早くになくなつて今は真実ほんの手と足ばかり、こんな者なれど女房に持たうといふて下さるも無いではなけれどだ良人をば持ませぬ
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
遠い昔の物語! ……真実まっとうの人間に復活かえろうと、久しい間、男嫌いで通して来たものを! ……恋? それも邪まの恋? ……何んの何んの頼母様は、わたしにとっては恋以上のお方! ……救世主すくいぬし! ……おおおお、でも
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
手前は自分のやったことを誤魔化せると思ってるちうのか。いんにゃ、おぬしも褒めてもらいてえと思うだら真実まっとうな生き方をせにゃ駄目だぞ。おいらが今寄ってきた地主さまの家の衆は、みんな立派な衆ばかりだったでねえか。立派な衆とだら、おら喜んで話もするだしよ、立派な衆とだら、いつでも友達になるだ、心安い仲間同士にもなるだ。
当時の僕の論旨は歴史にても小説にても共に人事の或る真実ツルースを見たる上にて書くべきものなり。
透谷全集を読む (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
したがって後者の良心は、客観の明徹を期し、真実ツルースを確実にすることに存するので、彼等が主観主義者の感情的態度を排するのは、この「真実」を重んずる認識的良心によるのである。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
そして生活の目的は、この現実的なる世界に於て、自然人生の実相を見、真実レアールを観照し、存在の本質を把握することに外ならない。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
即ちそれは、浪漫主義——抒情詩的リリカルのもの——への反動であり、愛や人道やの情緒を憎んで、冷酷な真実レアールを暴露させようとするところの、反主観への逆説である。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
これはどうもならぬそのやうに茶利ちやりばかり言はで少し真実しんの処を聞かしてくれ、いかに朝夕てうせきを嘘の中に送るからとてちつとは誠も交るはづ良人おつとはあつたか
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ぶらぶらしてはいましたけれど、よもや、こんな処へなぞおいでなさりはしなかろうと思っておりましたのに、真実しんそこ嬉しゅうございますわ。」
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたくしめはきちと申す不束ふつつかな田舎者、仕合しあわせに御縁の端につながりました上は何卒なにとぞ末長く御眼おめかけられて御不勝ごふしょうながら真実しんみの妹ともおぼしめされて下さりませと
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「ヒヤッ……イビキを掻いて……それは真実ほんなこと……」
真実ほんにやり切れぬ嬢さまではあるとて見かへるに、美登利はいつか小座敷に蒲団ふとん抱巻かいまき持出でて、帯と上着を脱ぎ捨てしばかり
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……何故って考えて見給え。この事件の神秘の正体を明かにするためには、是非とも呉一郎を発狂させた犯人の名前を明かにする必要があるだろう。ところがその犯人の名前は、君自身か、呉一郎か、どちらかが過去の記憶を回復すると同時に思い出したのでなければ、真実ほんものとは云えないだろう。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一度ならず二度までも軽々と、あの母親のいうことを真実に受けて、この貴重な脳神経を
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「……その上……その上……お祖父じい様は御養子……モトは西村家のお方ゆえ、御一存でこの家を、お潰しになってはなりませぬ。この家の御先祖様に対して、なりませぬ。……潰すならば与一が潰しまする。……与一は真実まっことこの家の血を引いたお祖母ばあ様の孫……」
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
真実まめに世話をするので人に可愛がられますけれども
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ヨキ文章ブンショウユエ、ワカ真実シンジツ読者ドクシャ、スナワチチテ、キミガタメ、マコト乾杯カンパイイタイッ! トビアガルホドノアツキ握手アクシュ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
哲学テツガクハ、ヘノアイデハナクテ、真実シンジツトシテ成立セイリツセシムベキサマ体系知タイケイチデアル、ヘエゲル先生センセイノコノ言葉コトバ一学兄イチガッケイオシエラレタ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
しかも、わが小説文学が兎も角も身につけた生活色、表現としての真実リアリティは、舞台に於ては、遂に実を結ばなかつたのである。
新撰劇作叢書刊行について (新字旧仮名) / 岸田国士(著)